安芸郡坂町の町内一円に張り巡らされているウォーキング道が、
“坂町ウォーキング道
(坂町ふるさと自然のみち)” として、
広島県の「地域産業資源」に追加指定されました。
このウォーキング道は、地元の坂町商工会が
昨年度の「全国展開プロジェクト」で、
ウォーキングによる観光開発事業を進めてきた舞台であり、
その取り組みの結果が今回の追加指定につながることに。
“ウォーキング日本一のまち”を掲げて取り組んだ
坂町商工会の事業がまた新たな成果を収めることになりました。
町内にネットワークされた道が地域産業資源に
地域産業資源は、地域資源を活用した新ビジネスを支援する
経産省の「中小企業地域資源活用促進法」に基づくもので、
地域資源を活用した新商品、新サービスの開発や市場化に
取り組む中小企業を国が支援して、
“地域発のブランド構築”を目指すというもの。
坂町ではこれまで、“広島産かき”と“自動車部品”が
県の地域産業資源に指定されています。
指定のためには地域資源の新しい活用方法を提案したうえで、
地域外の市場へ販路を拡大したり、
地域内に観光客入り込みを増やすなど、
地域に経済効果をもたらす取り組みであることが条件となります。
広島産かきは隣接する広島市、呉市をはじめ8市町が、
自動車部品は近隣の府中町、海田町など7市町も指定地域に。
ここで問題となるのが、同一資源が指定されている地域に対する
売り込みや呼び込みは、それがどれだけ成功したとしても
“経済効果のカウント”に含まれないこと。
「かきや自動車部品は指定地域が多いため、市場が狭い。
かといって他県に打って出る力もない」と話すのは、
全国展開プロジェクトの元プロジェクトリーダーで、
海田町商工会の奥村冨士雄事務局長(=暁のジョガーさん)。
坂町の地域産業資源は地域の活性化に生かされず、
埋もれた状態となっているのが現状です。
「ニッポンいいもの再発見ブログ」でお馴染み、
暁のジョガーさんこと、奥村冨士雄事務局長
そこで奥村事務局長が思いついたのが、
「町内にネットワークされた坂町ウォーキング道が、
地域産業資源にならないか」ということでした。
ウォーキング道の指定は例がないために市場は限りなく大きく、
“ウォーキング”で売り込む余地、
呼び込む余地が無限にあると考えました。
頭部(ずぶう)見晴らし公園付近を歩くコース
夕日がきれいな広島湾沿いの爽快なコース
坂町商工会では今年4月、
「町内に張り巡らされ、ネットワーク化された
“ウォーキング道全体を地域資源として捉えて”活用する」
ことでウォーキング客の誘客や、ウォーキング関連商品の
取り扱い事業者の増加が図れることなどを特記事項に加え、
全国でも例のないような町内全体のウォーキング道を
地域資源として申請。再三の修正を重ね、
このたびの指定にこぎつけることができました。
美しい竹林が続く中を散策できるコースもある
追加指定を受けて、坂町商工会では7日に
「全国展開パートⅡ委員会」を開催。既存特産品の見直しや、
ウォーキングに関連した特産品の開発に乗り出すことを決定。
地元会員の出資会社“広島東部開発(株)”が事業の受け皿となり、
同委員会と二人三脚で商品開発や販路開拓を行います。
特産品の見直しや開発には、今年度から始まった
「地域力連携拠点事業」を活用。
専門家の派遣を受けて事業を進めていくことにしています。
今月7日に開催されたパートⅡ委員会の様子
事業計画では、全国展開プロジェクトで開発した
“ようよう芋”のパッケージをリニューアルします。
専門家のアドバイスを受けながら、より売れるデザインを追求。
地元特産の芋などを使った生菓子や焼き菓子の新開発や、
全国展開プロジェクトで試作した地元産かきと芋の
会席料理“海せん山せん御膳”の改良にも取り組みます。
タオルやTシャツ、ポロシャツなどウォーキンググッズの
試作も予定しています。
坂特産のさつまいもを材料に使ったようよう芋
地元産のかきと芋を使った海せん山せん御膳
「かきや自動車部品と異なり、
ウォーキング道となれば町外すべてがマーケットで、
ウォーキングに関連するすべての取り組みが支援対象となる。
ウォーキングに役立つものを開発して売り込みを図り、
事業にさらに弾みをつけたい」と奥村事務局長は意気込みます。
問/坂町商工会 TEL(082)885-1200
“坂町ウォーキング道”の地域産業資源追加指定については、
広島県商工会連合会公式ホームページ
で詳しく紹介しています。