広島と島根の県境、中国山地のど真ん中、庄原市高野町に、
年間約1万人もの人を集めて賑わう名物店があります。
その名は、田舎料理レストラン“りんご畑”。
地元の食材を使った手づくりの田舎料理、
山あいののどかな風景と心温まるもてなしが、
日常の忙しさや喧騒を忘れさせてくれると評判を呼び、
毎月町の人口を上回る数の来店客を集める人気店に。
県道39号沿いに建つ小さくて可愛らしいお店
オープンしてから約3年。
まったくの異業種から飲食業界に飛び込んだ3人の主婦が、
「共に咲く」ことをめざして開いた一軒のお店は、
県内外から多くの来店者を集めて地域に活気と元気を生み出し、
県北の田舎町に希望の光をもたらしています。
平成17年5月に、JA庄原を早期退職した前田万理子さんが、
同僚だった長瀬利子さん、
専業主婦だった義志恵美子さんに声をかけ、
共同出資でオープンさせたお店。
お店では、開店の旗振り役となった前田さんがホールを、
長瀬さんと義志さんが調理を担当。
前向きな発想と行動力でお店を切り盛りする3人の活躍ぶりが、
全国区のテレビ放送(テレビ朝日『人生の楽園』ほか)で
取り上げられるなどして、りんご畑は一躍有名になりました。
左から、前田さん、長瀬さん、義志さんの3人
“地産地消”“医食同源”がテーマで、
食材はほぼすべて地元産でまかなっています。
地元特産の高野りんご、高野大根を使ったメニュー、
季節の野菜や山菜にひと手間加えた料理がテーブルに並びます。
自然の恵みを実感できる食材選びにこだわり、
「味つけは薄めに、素材の持ち味を大切にした料理」を提供。
日本食の基本の味を決める天然のいりこだし、昆布だし、
鰹だしなどを調味料として使用し、
添加物などは一切加えず健康志向をめざしています。
自分たちで採った山菜を時間をかけて仕込む
一品一品に丹精込めた料理を前田さんは、
「まさに素朴で懐かしい田舎料理」と表現。
人気のメニューは、高野の食材をたっぷり使った
“日替わりおまかせ定食”800円。
約35~40種類の野菜料理が並ぶ、土・日曜日、祝日のみの
“田舎バイキング”1,500円(4月~12月)も好評です。
ヘルシーでボリュームたっぷり。おまかせ定食
アットホームな雰囲気と、くつろげる空間づくりにも気を配り、
来店者の「こうあってほしい」の声を積極的に店づくり、
メニューづくりに生かしています。
周囲の自然環境は都会から訪れる人の心をなごませ、
暖かい季節にはオープンエアで食事が楽しめます。
都会とは違うゆったりとした時間が流れる店内
備北商工会の「備北シンフォニー事業」の参画事業所で、
庄原市口和郷土資料館とのコラボレーションによる
蓄音機レコードコンサートを開いたり、
豪雪を逆手に取った雪遊び企画などでも多くの人を魅了。
さらに、前田さんと長瀬さんは「高野の良さを知ってほしい」と、
新たに民泊事業を展開。
高野温泉“神野瀬の湯”を利用した素泊まり形式の民泊で、
2人の自宅を活用した田舎暮らし体験も好評を博しています。
みなさんも一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
場所は県道39号(三次高野線)沿い、
高野町新市の福祉保健センターそば。
高野の中心市街地からほど近い場所に建つ
りんご畑
庄原市高野町新市1239-2
営業時間/午前8時から午後3時
定休日/水曜日
問/りんご畑 TEL(0824)86-2088
問/備北商工会高野町支所 TEL(0824)86-2011
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