祖母を見送りました。
年始から病院にいて、
そこから施設にいた祖母。
今月頭に「覚悟しておいてください」と話があり、お見舞いに行くと意識はいつもハッキリしていて「わかる?」と聞くと私の名前を呼んでくれた。
祖母が私の実家に移住してから
私が結婚するまでの数年間と
出産後の里帰り期間、
長い時間を家で一緒に過ごしました。
産後は特に、
私は自分のことに精一杯で
老い行く祖母に対して
いつも優しくできたわけではなかった。
それでも実家にいけば
テレビを大音量でつけながら
好きな演歌を口ずさんで
「ええよええよ」
「ありがたい」
「今が一番幸せ」と猫を横に寝かせながら笑っている祖母がいた。
息子にとっては良い遊び相手、喧嘩相手で
お菓子を分け合ったり
折り紙をしたりして
誕生してからずっと可愛がってくれました。
85歳まで会社勤めをして(驚き)、
引退して北海道へ移住し、
95歳で亡くなるまで
何事にも執着しないで
嫌なことも「ええよええよ」と受け流して
あらゆることを全肯定する、
そんな祖母でした。
最後にお見舞いに行った時に
「寒くない?」と聞くと
「あったかい、気持ちいいよ」と返事。
息子には「元気でね」と言ってくれて、
その時、
息子はわかっているのかいないのか、
優しい顔で
黙って祖母の手を握っていました。
その二人のやりとりは忘れないと思う。
家族だけの葬儀で
たくさんのひ孫に囲まれて
賑やかに見送りました。