※こちらのお話しは個人的な妄想を題材にした妄想恋愛小説です。ご理解頂ける方のみお進み下さい。





世は平安の時代……
と申し上げたいところですが、現代の物語でございます。




ここはホテルのパーティー会場、立ち並ぶホテルの中でも歴史あるこのホテルの一室、華やかなパーティー会場に少年はいた

何も知らずに父親に連れられてきた少年は、自分の背の高さよりも高い所で会話をする大人たちを見上げて思っていた


 …つまんないなあ…。


何を話しているのか分からない、分かることはつまらないと言うことだけだった


ぐるりと周りを見渡しても見えるのは綺麗な服を着た大人たちと、目の高さとほぼ同じ高さのテーブルの上の料理だけ、そう自分と同じくらいの子供は見当たらなかった


何もする事が無く、テーブルの上に並べられた見たことのある料理を口へと運ぶ
不味いとも美味しいとも言えない味に、お手伝いの『キヌさんの料理の方が美味しいな』と思う



 …むぅ...。


特徴的な唇を尖らせて暫し考える少年、でも幼い彼が思いついたのは所詮子供だましようなこと


「パパ、トイレに行ってくる」

『そうか、…迷子にならないようにな』

「うん!」


この部屋から出られるなら何でもいい、嬉しさで一杯の少年はくるりと後ろを向くと走り出した




…が、



ードン!


嬉しさの余りに前を良く見ていなかった
よし!と気合が入った体は走り出すことなくそのまま跳ね返り、進みたかった方向とは反対に後ろに向かい尻もちをつく


「いっ、…たぁ」

『大丈夫?ごめんなさいね、怪我はしていない?』

『翔!何をしてる…これは松本さん、失礼しました。お怪我はありませんか?翔、松本さんに謝りなさい』

「…ごめんなさい!」

『私は大丈夫です。櫻井さんの…翔くんと言うのね、本当に大丈夫?痛かったでしょう?あら…泣かないのねさすが男の子、それに謝って偉いわね』


『はい』と差し伸べられた柔らかい両手に自分の手を乗せて、引き上げられる時にとてもいい匂いがした
頭を撫でられて、翔は痛みよりも目の前の綺麗な人に目が釘付けになっていた


 …ママって、こんな感じなのかな


翔を産んだ母親は今よりも小さい頃に亡くなっていた、最近になって新しい母親が出来たが未だに『ママ』と呼べずにいる
だからこの人が自分のママだったらと思ってしまう


「……ママ…?」

『…潤、大丈夫よ。お兄ちゃんが謝ってくれたの、偉いのよ』


声が聞こえて綺麗な人の後ろから、自分とあまり変わらない小さな男の子が現れた


 …かわいい…。


綺麗だと思った人をぎゅっと小さくして、少しぷくっとさせて、顔の半分ぐらいはある黒くて大きな瞳が翔を見ていた
















こんばんは、お久しぶりです。
新しいお話しを始めました。
完全に見切り発車ですので、この先にお休みしたり止まってしまうかも知れませんが、お付き合い頂けたら幸いです♡
(全制覇目指して頑張りますよ~伝わるかな?(笑))


どうぞ宜しくお願い致します♡