連日報道されている

このニュース↓

 

 

 

政治家の発言ですし

正直、書こうかどうしようか

本気で迷いました。

 

塾ブログですので

この件についての意見は

無しです笑

 

あくまで

「国語」の教材として

考えてみたいと思います。

 

なぜ、一般の人たちが

「職業差別」

と感じ取ったのか

 

 

問題となった箇所です。

 

 

「県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。」

 

 

まず、着目したいのが

「違って」

ということばです。

 

 

「違う」

と似た意味の言葉に

「異なる」

があります。

 

 

どちらも「比較」の意味

がありますが

 

「違う」

には

「正しくない」

という

「否定的な意識」

を含んでいるのですね。

 

 

また、

 

「~たり」

 

 

「2つ以上を列挙」

 

するときに使う表現なので

 

 

・野菜を売ったり

・牛の世話をしたり

 

でひとくくりにすることが

できます。

 

 

そこで、↑の文は

 

 

・農業(商業)

・製造業

 

 

・県庁職員

 

を「対比」している

という構造になっています。

 

 

この2つを

 

「違って」

 

という「否定」の意味を含む

言葉で「対比」しているので

 

 

前者を否定している

と受け取られてしまう

わけですね。

 

 

県知事さんの釈明では

そうした意図はない

と言っていますし

 

前後の文を読むと

確かに公務員は「公僕」である

ことを強調されています。

 

 

県知事さんの釈明も

わからなくはないです。

 

 

では、どう言えばよかったのか

 

否定的な意味を含まない

 

「異なる」

 

を使った方がよかった

かもしれません。

 

 

ただ、そうなると

なぜ「対比」する必要が

あるのか

 

が問題になってしまいます。

 

「対比」は

2つのものをくらべて

 

自分の意見に近しいものを

後者にもってきて

対比するのが

 

論理的な文章構造です。

 

 

そして、

文の要点である「主語・述語」

からみていくと

 

日本語では「文末の述語」が

発言者がいちばんいいたいこと

を表わしているので

 

「知性が高い人たちです」

 

が「発言者の主張」となります。

 

ですから

仮に「異なって」

と言ったとしても

 

批判は免れない

でしょうね

 

 

以上の説明は

国語の入試問題にも

使える知識。

 

実際に読解指導をすると

これらの文章のルールを

何度となく生徒さんに

伝えています。

 

 

 

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