昨日の続きです。

 

塾長のこだわりといいますか、

塾の授業についてお話しします。

 

今日は

「こてこての数学」

です。

 

 

かれこれ30年近く前になるでしょうか。

 

ひさぺーが、

初めて塾講師デビューしたとき。

 

当時は珍しかった「個別指導塾」

でのこと。

 

人生初の生徒さんは、

Rさんという中1になったばかりの

女の子。

 

苦手な数学を担当。

 

Rさん、都内の某高級住宅地で

おじいちゃんが開業医をされてました。

 

そんな、お育ちの良さあふれる

おっとりしたお子さん。

 

中1の数学、

最初の関門は今も昔も変わらず

「正負の数」

です。

 

どうしてそうなるのか、

若気の至り、知らぬが仏??

 

生意気にもそんなことにこだわり、

指導を始めました。

 

正負の数の意味、

その後のたし算・ひき算は、

Rさんが優秀だったこともあって、

どうにか納得して終了。

 

次の正負の数のかけ算・わり算

入りました。

 

ハイ、お察しの通り、

 

なんで、

(マイナス)×(マイナス)=(プラス)

になるのか、

符号の決まる意味

が説明できませんでした。

 

仕方なく、

「次回までに調べておくね」

 

※エライ!ひさぺー。

自分がわからなかったら

誤魔化さず、「わからない」と正直に答えて、

最善の答えを探すのができてる!!

これは今も変わりません。

 

 

さあ、困りました。

 

今のようにネットでググって

なんてことはできません。

 

そもそもひさぺーは文系人間。

 

 

で、神田の三省堂書店へ。

 

専門分野の基本的な知識を得たい。

 

そんなときは「新書」をチェックする。

 

この勉強の基本にしたがって、

新書売り場へ。

 

 

フフフ、

運良く

『数学の学び方・教え方』岩波新書

を発見!

 

「学び方」って言うのが気になりましたが・・・。

 

パラパラめくると、

肝心の「正負の数」についても

説明がしっかりありました!

 

ひさぺー、おそらく、

鼻の穴を膨らませてレジに並んだことでしょう。

 

 

これが、遠山啓先生との出会いでした。

 

その後、先生が提唱された「水道方式」

について、可能な限りの著作を読みました。

 

遠山先生ご自身が教師のご経験があり。

 

いわゆる「落ちこぼれ」の生徒さんでも

ちょっとしたことでつまづいているだけ。

 

それを取り除けば理解することができる。

 

多くの生徒さんが原理を理解する

ことで、

算数・数学が楽しくなるように

という指導を目指されていました。

 

当時はまだ、「水道方式」の

算数や数学の問題集が

販売されていたので、

それも追加で購入。

※現在もごく一部、古いモノですが、

販売はされています。

 

 

塾目線で。

 

とはいえ、ひさぺーの塾は

純粋な水道方式の塾ではありません。

 

あくまで、算数・数学の考え方を

指導の参考とさせていただいています。

 

そう、指導者が算数・数学に対して

どのように向き合っていくか

を気づかされたわけです。

※だから「学び方」なんですね。

 

 

小学生、中学生、

だいたいつまづくところは同じです。

 

そのハードルを下げてあげる。

 

なによりも

「どうしてそうなるのか」

にこだわった学習をします。

 

たとえば、中3の数学の乗法公式。

以前の記事にも書きましたが、

長方形の面積図でその意味を

学習します。

 

そうすることで、

実際の問題演習でつまっても、

「ほら、図でこうなってたよね」

とヒントをあげるだけで、

あとは自分で気づいて進めることが

できるんですね。

 

 

数学は「論理的」な思考

が要求されます。

 

その中には

「抽象化」

という考え方も入ってます。

 

 

乗法公式では

具体的なもの=面積図を使って

原理を説明。

 

それを抽象化したのが

「乗法公式」です。

 

これは他の単元でも同じ。

 

こうした、時間の許す限り

数学の根本原理にこだわって

勉強を進めるので、

「こてこての数学」

って呼ばせていただきます。

 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございます。

 


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