先日友人と鎌倉に行った。

自然に飢えていた。


私は田舎出身だが、今は東京に住んでいる。

昔から東京に来るたび、いつかこの街に住みたいと憧れていた。

たくさんのおしゃれなお店、整然と立ち並ぶビル群、ライブやテーマパークといったエンタメ、新しい食べ物、世界中からの観光客など。。

五感を刺激する面白いものに溢れてキラキラ見えていた。

そして実際に東京に住んで早9年。

東京はやっぱりエキサイティングで色んな人との出会いもあって楽しい。

楽しいのだが、田舎者の私は月に1度「自然に癒されたい〜!!」と強烈な飢えがやってくるのだ。


そんな飢えに襲われた私は、友人を誘って鎌倉に向かった。

東京から鎌倉までは、電車で約1時間。

思い立ったらすぐに行ける距離も魅力だ。


鎌倉に到着し、有名な小町通りは一旦スルーし(まずは自然に癒されねば)、葛原岡神社の方を目指して歩いた。

鎌倉駅付近はかなり賑わっているのだが、少し登っていくと、自然が広がっていて気持ちが良い。

藤の花が満開でとても美しかった。

道中に素敵なカフェを発見し、鳥のさえずりを聴きながら飲むカフェラテが最高だった。


葛原岡神社に参拝し、社務所で桜貝のお守りを見つけた。

隣にいたおばあさんが、この辺りの海岸では桜貝がとれるのだと教えてくれた。

桜貝は桜のように淡いピンク色で、とても薄いのですぐに割れてしまう繊細な貝殻だ。

子供のころ地元の海岸でよく集めていたのを思い出し懐かしかった。

「よし!桜貝を探しに行こう!」と決めた私たちは、早速江ノ電で海岸へ向かった。


海岸には犬の散歩をしている人、ランニングをしている人、海を眺めているカップル、写真を撮っている人、それぞれが思い思いに過ごしていた。

その傍で夢中で桜貝を集める友人と私。

気がつくとあっという間に1時間くらい経っていた。大人が必死に貝殻を拾っている姿はさぞかしシュールだっただろうが、子供に戻った気分で楽しかった。


帰りは小町通りで、釜揚げうどんととり天を食べた。

店主が「ほっぺたが落ちるほど美味しいよ」と言っていて、実際にとても美味しくて感動した。

自信と誇りをもって作っているのが伝わってきて、だからこそより一層美味しく感じたのかもしれない。


自然と美味しい料理に癒された最高の旅だった。