大学生だった頃に夏休みを利用して、単身赴任中の母のいる奄美大島に1ヶ月ほど滞在したことがある。


毎日のように母と海に出かけては、シュノーケリングを楽しんだ。


私は潜るのが下手なので、ライフジャケットを着て海面にちゃぷちゃぷ浮きながら水中を見るだけなのだが、それでもとても面白い。


シュノーケルを装着し海に顔をつけると、別の世界に来たようだ。

色とりどりの魚とサンゴ礁がみせてくれる自然のハーモニーは、時が経つのを忘れるくらい美しい。

波が穏やかで晴れている日には、海底まではっきりと見ることができ、まるで空を飛んでいるようだった。そして、自分の呼吸の音とコポコポという泡の音しか聞こえない静寂さ。自分の呼吸を聞きながら海に浮かんでいると、生きているなぁと実感するのだ。


ある日、いつものようにシュノーケリングを楽しんでいると、海の遠くの方で白波が立つのが見えた。そしてそれがものすごいスピードでどんどんこちらに近づいてくる。。!

母と私は「あれ何!?何か来る!」とギャーギャー騒ぎながら急いで海岸に上がる。

どうやら魚の群れが何かに追われて、こちら側に向かってきのだと推測した。


本当にびっくりした。。


それでも魚の群れが通り過ぎると懲りずに海に戻り、手がシワシワにふやけるくらい遊んだ。

うーむ。。私も前世は魚だったのかしらと本気で考えてしまった。