以前友人と伊香保温泉に行ったことがある。


泊まった温泉旅館は本格的な会席料理が売りだったが、どこか近くで食事処を探せばいいかと、特に調べもせずに素泊まりにしていた。

日中は伊香保温泉階段街や旅館の温泉を楽しみ、さてそろそろ夕食時かとGoogleで近くの食事処を探すのだが、夜に空いているところが全くない。。。

なんとか見つけた居酒屋は旅館から徒歩10分くらいだったが、街頭のない真っ暗な道路を歩くのは不気味で、それをかき消すようにズンズンお店に向かって歩いた。

居酒屋に到着し、ほっとしたのも束の間、テーブルの上に何匹かのシロアリがいらっしゃる。。。

さらに悪いことに、運ばれてきたポテサラに飛んできたシロアリがダイブ。。。!

虫が大の苦手な私は悲鳴をあげそうになるのを必死でこらえ、シロアリの襲撃に怯えながらなんとか食事を終えた。どうやら先日の大雨の影響でシロアリが大量発生したようだとお店の方が教えてくれた。


旅館に戻り温泉に浸かりながら本格会席料理にしとけばよかったなと思ったが、そんな思いも吹き飛ばしてくれるほどの最高の温泉だった。



次の日は朝から尾瀬国立公園に向かった。

そう、あの中学生の頃に音楽の授業で習った「夏が来れば思い出す〜」の歌詞に出てくる尾瀬だ。(私の地域だけ?)

車で近くの駐車場まで行き、そこから乗合バスで鳩待峠へ。さらにそこから沼地に向かって30分程山を降りていくのだ。

山登りが苦手な私は、「行きは良い良い帰りは。。。」という懐メロ(もはや童謡)が頭の中で流れかけたが、いやいや絶景にたどり着くためだと自分を奮い立たせた。


普段山登りをしない私は知らなかったのだが、山道ですれ違う時は「こんにちは」と挨拶をするのが習慣らしい。それがとても心地よく、「こんにちは」の一言に「お疲れ様」や「頑張ってね」という温もりが感じられて元気がでた。もちろん私もたくさん挨拶をした。

尾瀬国立公園は言葉では言い表せないほど美しかった。風が吹き抜けるたびに青青とした葉が波を作り、風の音に癒される。

なんて豊かな世界なんだろうと思わずにはいられなかった。

帰りはもちろん心を無にして山道を登り、足は筋肉痛になったけれど、この季節になるとまた訪れたいと思う場所の一つだ。