大統領選挙の翌日。

ジャズ夫は、
重い気持ちとつらい表情で教えの仕事で大学へ向かいました。

沈みこんだ丸い背中がいつもよりも
空気が抜けたみたいに
重い足取りでアパートの階段へと消えて
いきました。

そんな悲しい後ろ姿を見送る私もつらいです。

ちょうど学校の宿題のエッセイーが
アメリカ人と日本人の表現の違いについて
だったのでいろいろ考えさせられます。

ジャズ夫のまっすぐな表現が時々

戸惑う時があります。

その日の夜。
家に帰宅したジャズ夫が
学校での出来事を
私に話してくれました。

授業にやってきた生徒さんもいつもと
様子が違っていて

クラスの中の動揺した空気を感じたそうです。

いつも通り何もなかったかのように~

授業を進めようと~

一言 言葉を発した後

感情を抑えきれず~トランプの勝利に

悔しく~やりきれず

号泣してしまったそうです。

以前、オーストラリアの大学での

ワークショップで講演した時も
同じような事があったそうです。


前の晩に若い頃から敬愛する
ピアニストの訃報を聞いて

その哀しみが抑えきれず~
聴講生の前で泣いてしまったらしいです。


今も
もし、日本の名優、笠智衆さんが生きてらしたら~
きっと、ジャズ夫は呆れられてしまうと思います。

笠さんは、生前、お芝居であっても

私は、泣きません。明治の男は人前で泣かない。

実直な笠さんらしい素敵な
エピソードを聞いたことがあります。


ジャズ夫は映画でも

テレビでも

ここで泣くかなぁ?えーえーえー
と思うところでも


鼻と目を赤くして
感動して泣くのでした。えーんえーんえーん笑い泣き笑い泣き笑い泣き

人前で泣かない男も。

泣いてしまう男も

私は、どちらも素敵だと思います。


翌日のニュースで

誰かがはじめた

サブウェイーセラピーが紹介されていました。
大統領選挙の結果に

動揺した人が集まってきて~

はじまった

地下鉄セラピー。

地下鉄の連絡通路の真四角の

サブウェイタイルに、

自分の気持ちと動揺をpost it に書き込み貼り付けていくんです。


瞬く間に長い連絡通路のタイルの壁一面に

post itに

それぞれの

抑えきれない気持ち

叫びが

書き込まれ

貼り付けてられました。


それはまるで
9.11の時のように

ニューヨーカーが

寄り添いたい。

行き場のないその感情と衝撃を

誰かと分かち合いたい!

伝えたい。話したい。

大都会の人達がいっきょに
大きなファミリーになる瞬間なのです。


ジャズ夫は少しづつ
この状況を冷静に受け止めて

次なる行動を見出しているようです。

アメリカの大きさと
強さを実感します。




涙するジャズ夫も
美味しいお料理の前では子供のようにラブラブおねがいおねがい
ニコニコになります。

今日は新作。
スモーキースィートポテトとコーンとブラック豆のスープ。ロースト ラタトュウ。
そして、粒マスタードディルのサーモンです。

日常の生活は

どんな出来事が起きても
やってきます。

穏やかな今日を
感謝しながら



傍観するのではなく

今自分に最大に出来ること

メディアに翻弄されることなく

確かな羅針盤で

見つけ出していくしかないです。

明日も早起きします。
ニコニコニコニコニコニコニコニコ