ジャズ夫は、私と出会った頃はお肉を食べるのをやめている~ベジタリアン志向の人だった。唯一食べていたのはお魚料理だけ。
『でも、この魚を食べる事も~やめたいんです。』と言っていた。
小さい頃から動物が好きで~ベジタリンになりたいと思っていたジャズ夫。
 
ベジタリン志向のまったくない私は~食事が作れないと頭を抱えていたら~
すこしづつ妥協してくれて、鶏肉だけは食べてくれるようになった。
この何十年間、豚肉も牛肉も一切食べていない。

完全なベジタリアンよりはまだ、料理の幅はある方だが毎回のお食事は、鶏肉料理、もしくはお魚。時にはベジタリアンの日なんかあると、ジャズ夫はご機嫌だ。

魚料理のレパートリーがそんなにないので~日本でよく食べていたメカジキの照り焼きを作っていた。

『SWORD FISH STAKES』今でこそ、お値段が安くはなってきたが、数年前まではとても高かった。

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最初の頃はジャズ夫も喜んで食べてくれていたので~
私もここぞ!という時のディナーのメニューで思い切って、この魚を買って照り焼きステーキにしていた。
 
ある時の夕飯。
このお魚をだしたら~
ジャズ夫が哀しそうな顔して言うのです。
「ショウコ、お願いだからこの魚をもう~買わないでください」

高いお魚を照り焼きにしてしまう~調理法が嫌なのか、それとも高い食材だから嫌なのか~せっかく作ったのに~意外なジャズ夫の拒否反応に戸惑う妻。

「この魚は絶滅の危機にあるので~もう食べない方がいい~」
と小さくジャズ夫。
 はぁ~なんで

心の中で大きなクレッションマーク。

「でも、ちょっと高かったけど~お魚屋さんにもまだ、売っていたよ。
私たちが食べるのをやめても~誰かが食べている。だから~大丈夫だよ。」

「海から消えてしまうかもしれない魚を食べるわけにいかない。」
ジャズ夫が食べようとしない。

私は~魚料理~ほか知らないし~
ジャズ夫はサーモン嫌いだし~
なんでそんな困ったこと言いだすのか~私には検討がつかない~

「あのね~地球にはね、バランスっていうものがあるんだよ~」

グローバルな問題を家庭に持ち込まれて~私も爆発寸前。
 
ジャズ夫がおだやかに~
「そのバランスを壊しているのは人間なんだよ。」

もっともな事だと思うけど~私はメカジキの照り焼きが食べれない事の方が大きな問題。

地球規模で悩むオット。そして、メカジキの照り焼き一品に執着する妻。

奮発して思い切って買った高いお魚。目の前で~冷めていく。

哀しすぎる。 

真面目過ぎる彼の悩みは、その後、魚屋にいってもお店のお兄ちゃんと議論している。