笑福亭呂好・一人勉強会(心斎橋角座)落語の中のとぼけた人がとにかく愛くるしい。箒屋娘の若旦那





🟢第2回 角座 呂好一人勉強会


      12月15日(水曜) 心斎橋角座にて




笑福亭呂好さんの落語を聞くと、

心があったかくなる。

ああ、落語っていいな❣️と思ってしまう。


何故なんだろうか❓


考えてみた。


🟡呂好さんの落語の登場人物、なかでも、間抜けな失敗をよくする喜六っぽい人たち(とぼけた人々)がかわいくて愛嬌があり、とっても好感が持てるのだ❗️


アホなことをしても、悪意が感じられず、良かれと思ってやってしまうその素朴で純真な心が伝わってきて、愛さずにいられなくなる。


そんな呂好さんの落語に現れる【おとぼけピープル】に会いたくなって、呂好さんの落語会についつい足を運んでしまう❗️


🔴落語ネタというよりも、呂好さんの落語に登場する愛嬌ある【とぼけた人々】に会いたくて、

呂好さんの落語会をつい追いかけてしまうのだ❗️


それほど、呂好さんの【おとぼけピープル】は、人間味があって人懐こく、優しさにあふれている。


大好きな落語家の一人である❗️



12月15日(水曜)、心斎橋角座で、【笑福亭呂好の一人落語会】を見た❣️




最初のネタは、【箒屋娘】


上方でも、今そんなにやられないネタ。

二代目桂三木助とかが得意にしていたネタらしい。


元ネタには艶笑噺っぽい要素があるそうだが、

そこを省けば、今でも充分楽しめる噺である。



🟣江戸落語の名人桂文楽の十八番【明烏】の若旦那に出会いたければ、この噺こそ聞くべきだ❗️


『箒屋娘】とは、

本ばかり読んでいて、世間を全く知らない若旦那を心配した大旦那が、番頭に、外の社会を見せてもっと世間を知るように、と頼む❗️


番頭は大金を若旦那に持たせて、『住吉詣りをして、その間にいろんな経験をしてこい』と送り出す。若旦那は、言われた通り、外に出てみるが・・


そこで、父親の病気の治そうと、箒を売って、お金を稼ごうとしている娘に出会って、若旦那はたくさんの箒を買い、娘に惚れて・・・・・・・・・

                                                      という噺‼️




商家に生まれたのに、遊びを知らず、真面目一筋の息子を心配して、なんとか遊ばせようという噺は、

江戸落語の名作【明烏】が有名だが、


この【箒屋娘】も同系統の噺と言える❗️



⭕️呂好の若旦那は、ホントに本一筋、本しか知らないかなりクソ真面目な若者❗️


その発言の一言一言が、世間知らずで、トンチンカン❗️

その【世間とのズレ】をクローズアップさせて、笑いをとる。


人間というより、石みたいに堅い堅い人物❗️

そんな人間でも、親想いの魅力的な娘に出会うと、

そんな堅いハートも、柔らかく溶けてしまうのだ❗️


社会経験が真っ白で、ピュアなハートの持ち主の若者・若旦那が、目覚めましい活躍をする爽快な噺だ❣️





🟢次に演じられたのが、個性が真逆の2人が登場する落語ネタ【長短】だ❗️


気が短い男と気が長い男が対面するとどうなるか、を見せつけてくれる古典落語。


以前、NHK新人落語大賞の決勝戦で、呂好さんがこのネタを披露し、審査員の柳家権太楼師匠から、饅頭の食べ方を指導されたことがある❗️



呂好さんの【長短】は、

気短な、気がせく男は、極端にイライラと早口でしゃべり、

気長な、ノロマな男は、極端にゆっくりしゃべる。


気の短さ長さの差を強めに強調する語り口が、呂好さんの【長短】の特長である❗️


それによって、

🟡気の長い、のんびりしゃべる男は、心に余裕があるように見えて、気が短いイラチな男を軽くいたぶっているように見えてくるのだ❗️




中入り後、

🔴二丁拳銃・小堀の新作落語【運動会】を、

呂好は、ネタおろしとして、

今日初めて演じますと言って、やった。



二丁拳銃の小堀は、2009年に第2回上方落語台本大賞の優秀賞を受賞した新作落語の名作【ハンカチ】を作った経験があり、この新作落語【運動会】も、その後に作って同賞を受賞している❗️



【運動会】バトン練習で、生徒に怪我をさせる。

先生は親に話さないように、と生徒にお願いするが、

案の定、父親は怒って、モンスターペアレントのようにクレームを先生の所に言いにくる。

運動会をやめろ❗

️先生は拒む❗️

そこで、父親が無理難題の競技案を出して、困らせるのだ❗️

運動会をめちゃくちゃにしてやる❗️

100メートルの長さのバトンにするぞ❗️

障害物競走では、ハードルを身長以上の高さにするぞ❗️

お玉にピンポン玉をくっつけて落とさないようにし、運動場にレースクイーンをたくさん登場させるぞ❗️・・・・・というような噺





⭕️イラつく父親は、怒りに任せて、運動会の競技をネタにして、次々にぼけてゆく。

ビクビクしっぱなしの気弱な先生は、そのボケのひとつひとつに、マヌケなポイントを的確に指摘し、上手に突っ込んでゆく❗️


気弱な先生は、モンスターペアレントの父親から、

運動会の競技のひとつひとつについて怒りの言葉で脅迫されるのだが、

その実、冷静に、父親の脅迫のおバカな点をピシッと指摘していく所がとてもオカシくて、笑ってしまう❗️