私が選ぶ『立川談志のこれが名言だ』❾





深さを入れながら落語を変えて演りたいのだが、それができないで上がる。


「すいません、きょうは『野ざらし』でご勘弁を願います」となってしまう。


それでも、毎回、おのずと変わってくるから、好奇心でくる観客をキャッチできているのかもしれない。


だから、もっているのか。


「いいんだよ、談志さんの『野ざらし』でいいんだ。三回でも四回でも演ってくださいよ」

と客に言われた場合に、

《ありがたい》と思って、そこで安住してはダメなのだ。


やすらぐだろうし、安定もするが、やっぱり、そうはいかない。


客席の一番前に談志が居やがる。