ロンドンオペラのライブビューイングの今季初の公演、モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』。

1月6日、大阪ステーションシネマで。


モーツァルトのオペラを、ライブビューイングで見るのは、久しぶり。やはり、モーツァルトのオペラは、魅力的なアリアにあふれていて、定期的に見ないと、モーツァルトロスを発症してしまう。

それほど、オペラの中で、モーツァルトの存在はなくてはならないもので、形式に縛られパターン化・類型化されていたイタリアオペラを、個性的な人物が登場する内容充実したオペラに進化させたのは、ひとえにモーツァルトの力なのだ❗️しかも、その時、24歳。(イドメネオの作曲時)。人類史上でも、まれに見る早熟の天才。すごいのは、250年後の今も、世界中の人々を感動させている事だ。

天才で並び立つベートーベンも、30歳頃に傑作オペラを量産したモーツァルトに、オペラでは、全くかなわないのだ。


🔴つまり、オペラは、20歳〜35歳のモーツァルトが、一人で作ったのだ。

傑作オペラの方向性、「個性的な人たちがぶつかりあってドラマが生まれる」は、モーツァルトが指し示したのだ。ダ・ポンテという脚本家の助けがあったとしても・・・。


ドン・ジョバンニは、モーツァルト31歳の作品で、死まで、あと4年しかなかった。しかも、短い期間で創作された。

モーツァルトには、素晴らしい音楽が、光が天使に降り注ぐように、自然に脳裡に鳴り響くのだろう。

それ位、こしらえた感じのしない、天上で生まれた❗️なめらかなメロディ❗️に、あふれているのだ❗️


🔵ドンナ・アンナ、エルヴィーラ、ツェルリーナの女性たちには、素晴らしいアリアが沢山あって、それぞれ情熱的に歌っていた。

また、この3人の美しい事ったら❗️

女たちをたぶらかすドン・ジョバンニが主役だから女性は美しくあってほしいが、最近の映像化されたオペラでは、美声であれ太った女性、例えば、モンセラ・カバリエのような歌手が出演しなくなってきた。

芝居のストーリーにふさわしい見た目の女性が、選ばれるようになってきた、。観客としては、喜ぶべきことで。


🔵セットは、白く塗られた2階建ての屋敷で、それが必要に応じて、回り続けるもの。

それにプラス、プロジェクションマッピングが用意されていて、恋の唄を歌うシーンで、歌う男のまわりを赤いバラの映像で囲んだり、扉に流れる映像を映して女たちが歩いて来るように見せたり、と幻想的なビジュアル作りに使われていた。

なのに、なのに、このオペラのハイライトと呼べる、ラストの主役ドン・ジョバンニの地獄落ちのシーンでは、プロジェクションマッピングを使わず、明るい屋敷の前で、主役が怯える演技をするだけ。

建物の回転、プロジェクションマッピングと仕掛けは十分用意されてるのだから、すごい映像が現れるだろうと見ていたら、拍子抜けした❗️古いオペラの、何もしないラストシーンと同じだったから。

なぜ、金をかけた仕掛けを用意して、大事な大事なハイライトシーンで、あっという演出がされた凝ったビジュアルを使わなかったのだろうか❓❓❓

すごいナゾだっ‼️