NHK新人お笑い大賞2019のA❶  堀川絵美とラフレクラン その面白さの秘密とは?


NHK新人お笑い大賞2019が、10月27日放送。

結成10年未満の芸人を対象にした登竜門的コンテストである。


Aグループ。

🔵まず、堀川絵美。

26歳で、NSC大阪に入学。33期生。

バスガイドをしながら芸人をしていたようだが、

ある不用意な発言でバスガイドを首になって、いまは芸人に絞っている。

そんな経歴を引きずったようなネタだった。


バスガイドのネタは、山田邦子や青木さやかなど、女性芸人の定番ネタだが、バスガイドの経験を生かしたネタは、なかったのではないか。


まず、ガイドトークのうまい語りから入る。

『伊勢神宮参拝バスツアーでございます。吉川運転手はこの道30年のベテラン。私、堀川は35歳、独身。伊勢神宮で連想するものは、伊勢うどん。やわらかくて、ズングリとした太さが特徴。そんなにコシはないですが。(突然声を張り上げて)ウルサイッ!いま吉川ドライバーから、お前、伊勢うどんみたいやな、と言うてきた。コシあるっちゅーねん。』


こんなガイドの一人しゃべりが続くのですが、そこに時々、プライベートな話が入ってくる。

『二見ヶ浦は、縁結びの聖地。その間から昇る朝日が大変美しい・・吉川ドライバーが先週、行った言うてます、アホか・・誰と行ったん、正直に奥さんと言ったらいいやん、訳わからん、何で分かってくれへんの〜、もう無理!別れる、次のサービスエリアで降りるから。』


ガイドトークにからんでくる吉川ドライバーの発言にいらついて、自分の思いをさらけ出してしまう堀川ガイド。

カワイイと言うか、ひたむき過ぎると言うか・・自分の世界に入ってしまいがちで。

そこで、気持ちを取り直して、歌を歌い始めるが、それが三重県出身の鳥羽一郎の兄弟船。

歌っているうちに歌詞に影響されて、

「このバスが、俺とお前の兄弟船や、言うてたやん。もう無理。降りる〜」と、吉川ドライバーへのたまった憤懣が、爆発するのであった。


経験をベースに作られたネタだったので、リアルで生活感たっぷりだった。

イメージは、だまされやすい山田邦子みたいなバスガイドだったって事。


🔵ラフレクラン。

NSC東京17期生。

ツッコミの西村は、元広島ホームテレビアナウンサー。慶應義塾大学卒で、ミスター慶応グランプリ。

ボケ担当のきょんは、埼玉県草加市出身。


高校の授業が終わって、きょんの家で2人、休んでいる。そこに、まず、きょんの彼女から電話がかかってきて、きょんが話している後ろで、西村が女性風の声で「誰と電話してんの?」と言うので、きょんがふざけるなよー、と怒る💢。

すると、次に、西村の彼女から電話がかかってきて、西村が話している後ろで、きょんが女性風の声で「電話しないでー、キスしてー」とふざける。

西村は、友達がふざけてて、女の子はいないよ信じて、と言うが、それでも疑っている彼女にキレる。

そこで、きょんが西村の電話に出て謝るが、相手の女性から、さっき話した女性風の声と同じ声を出してくれないと信じない、と強気の返事。

そこで、きょんは、さっきと同じ声を出そうと、いろんなキーで声を出すが、違う違うと電話相手の彼女が言い続け、OKを出してくれない・・・・・


笑い所は、終盤のきょんが、いろんなキーで女性風の声を出す練習をするところ。

「タカ タカ タカ タカ・・・・」 

声の高さを変え、色んなバリエーションでしゃべるから、どれがどれやら分からなくなり困り抜くのだ。

ここで、きょんならではの「いい人っぽいボケのキャラ」が生きて、笑いを呼ぶのだ。