「考える技術・書く技術」 | 話題のビジネス本書評ブログ

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新書・古典問わず、話題のビジネス本に関する書評を
まとめていきます。
本を読む時間がない方も、購入を検討している方も
参考になるブログにしていきたいと思います。

本日はロジカルシンキングの定番書、
「考える技術・書く技術」を紹介したい。

どのような論理構成が伝わりやすいのか、
人はどのような説明だと納得するのか、
等、物事を考え抜くため、あるいは資料作成の
コツが纏められている。

ビジネスの第一線で経営者向けのプレゼンテーションを
行う機会があるのであれば、意識すべき内容である。
読まれていない方は、一読していただければと思う。

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ピラミッド構造で伝える

書いた文章が不明瞭なのは、多くの場合、書き手による考えの並び方が、読み手の頭の中の理解プロセスとうまくかみ合っていないことが原因となっている。

読み手にとって最もわかりやすいのは、まず主たる大きな考えを受け取り、その後にその大きな考えを構成する小さな考えを受け取る並び方である。
理想的な考え方の構成は、常にピラミッドを形作る。つまり、頂上に主たる大きな考え方があり、それを小さな考え方のグループが下で支える。

ピラミッドの中では、それぞれの考え方が縦と横に関連づけられる。縦の関係は、上部の考えが下部の考えを要約する。横の関係は、並んだ考えが何らかの論理的な共通点でグループ化される。

考えをピラミッド構造にすれば、主たる考えをまず述べることで、読み手はなぜそういう考えとなるのか、書き手に疑問を持つようになる。そこで、ピラミッドを一段下りて、その疑問に答えるという事を繰り返せば、考えをスムーズに伝えることができる。


トップダウンで考えを示す

人間の頭が短時間で一度に記憶できる事柄は、せいぜい7つまでである。4つ、5つの物事を提示されると、何らかの論理的な分類に従って物事をグループ分けしようとする。

すべての知的プロセス(考える、記憶する、問題を解決するなど)は、グループ化や要約の思考プロセスを伴う。

考えを書き表していく順序をコントロールすることは、わかりやすい文章を作成する上で最も重要なことである。最もわかりやすい順序とは、まず全体を要約する考えを述べ、そのあとに個々の考えを説明していくことである。

ピラミッド型の3つの鉄則

①どのレベルであれ、メッセージはその下位グループ群を要約するものである
②各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものである
③各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序づけられている

論理的な並べ方には次の4つの方法がある。

①演繹の順序(大前提、小前提、結論)
②時間の順序(1番目、2番目、3番目)
③構造の順序(北から南、東から西など)
④比較の順序(1番重要なもの、2番目に重要なものなど)

わかりやすい文章を書くポイントは、各々のメッセージをピラミッド型に並べてみて、3つの鉄則と照らし合わせてみることである。


ピラミッドの作り方

①伝えようとしている主題を頂上に書く。
②主題について読み手のどのような「疑問」に答えれば良いか考える。
③「答え」を書く。
④読み手がその通りだと納得することを明確に書く。
⑤読み手を想定してQ&A応答を行う。
⑥「疑問」と「答え」を再チェックする。

上記の技術を通じて、自分の考えを完全に読み手の疑問に対応したものにできる。


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