かの有名な芸術家は言いました。

「芸術は爆発だ」と。


およそ芸術とは程遠く、美術センスもゼロ、中学の時には母親に絵画の課題をやらせ、あろうことか出来た作品を教師に気に入られて、職員室前に飾られてしまった過去を持つ僕からすると、彼がなにを言ってるのかまったくもって







わかるのである。







芸術はわからないが、爆発は経験があるからだ。もっとも僕の場合は小爆発ではあるが。


友達と行ったカラオケで妙に感情に純粋な歌い方ができて、周りをシーンとさせてしまったり、思うままに書き殴った文章がやけに反響をもらったりするのである。


こういう時、僕は歌だったり文章を通して、感情を爆発させているのだと思う。岡本太郎だってそうだ。芸術を通して己の感情を爆発させているのだ。


ただ、岡本太郎と僕ではっきり違うのは、爆発の大きさと頻度だ。

僕はせいぜい周りを少しびっくりさせるだけだし、そもそも爆発をコントロールできない。いつくるかわからないのだ。


岡本太郎もさすがに感情の爆発を操作はできなかっただろうけど、芸術とひたすら向き合うことで、大きな爆発を何度も引き起こさせたんだろうと思う。


僕もあの時、自画像を描く作業ともっと向き合っていれば、実力で職員室前掲示を勝ち取れたのだろうか。

否、顔を塗るのに緑を混ぜる意味がさっぱりわからない僕には無理だろう。





最後に先生、あの時僕が母親に描かせたこと知ってたでしょ。

飾っといて美術評価は2は普通ないもんなあ。