ヒツジの基礎知識 | ジャンショーグンの農林水産業

ヒツジの基礎知識

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最初に、ヒツジと言う動物を知っていただくべく"ヒツジの基礎知識と題し、ヒツジについての基礎的な知識を説明します。

ヒツジの家畜化は野生動物から最も早く家畜化されたもので、その起源は1万年も前と言われています。
これまで地球上に生息する野生のヒツジは、亜種を加えると40種類以上と言われていますが、そのうち種として主なものは、中央アジア高原に位置するアルガリ・欧州南部地方に生息し、今もなお地中海のサルジニア・コルシカ島に棲む山岳種のムフロン・トルキスタン地方からイラン・アフガン・インド・パキスタンにかけて広汎に生息する草原羊のユリアル、北アフリカ西部の山脈にかけて生息するビッグホーンなどがあげられます。
現在、世界で飼われている羊の種類は、地域の土着羊とそれらの交雑種を合わせると約1000種類と言われています。そのうち、代表的なものは200種です。
これらの家畜羊の祖先がどの野生羊かであったかについては、いろいろな説がありますが、一般にはアルガリ・ユリアル・アルカール・ムフロンなどが家畜羊の先祖と考えられ、北米のビッグホーンはこれまで一度も家畜化された事が無いと言われています。

現在も比較的多くの野生羊が生息する地域では、ムフロンを除いては、中央アジアのヒンズークシ山脈・天山山脈・コンロン山脈・ヒマラヤ山脈を含む広い高原あるいは山脈地帯です。
最初に家畜化が行われたのは中央アジアの高原地帯とあると推定され、中でもカスピ海からイラン高原地帯が最も早く家畜化が行われた地域の一つと言われています。

野生羊が生息している地方は緯度が30~45度で、標高は3000m以上の高原と山脈地帯です。年間の季節の変化が激しく、春から夏にかけては野草が多いですが、秋には減少し、冬には殆ど無くなり、飼料条件の厳しい所で生息しています。
このような環境の元に効果的に適応したのが、羊の優れた飼料の利用性で、風諭の飼料不足に対しては産脂性、また季節の変化に伴う野草の増減については羊の繁殖性と言った特性を備えています。
こうして、時が過ぎるに連れ、羊は狩猟対象動物から家畜化され、現在は毛用・毛肉兼用・肉用・乳用・毛皮用と5タイプの羊が家畜化され、家畜として飼育されているのに至っています。