
【ストーリー】
スティーヴン・キング原作、フランク・ダラボン監督によるサスペンスミステリー。未曾有の嵐に見舞われたメイン州西部。やがて謎の濃い霧によって街は覆い尽くされ、住民はパニックに陥る。脱出を試みた人々は次々と何者かに襲われていき…。
【評価】
総合 :★★★★★
映像 :★★★★★
ストーリー:★★★★☆
この映画は個人的には雰囲気が凄く好きです。
あの暗い感じ、見てて自分も霧の中に吸い込まれていような深さ。
サイレントヒルの世界を思い出します。
クリーチャーの造形も好きでした。
ミストの映画全体の雰囲気を映像の雰囲気、カメラワークが凄く強調してます。
とにかく自分の中で、映像は好み的に満点に近いです。
※以降ネタばれ含みます※
この映画は、最後には善が勝つ!とか、そういうすっきりした映画が好きな人には絶対受け入れられないです。
全てにおいて救えない空気が漂ってます。
あの深い霧が一層それを演出しています。
主人公は快活なタフガイ、というわけでもなく、行動の選択が全て正しいわけでもない。
むしろ時折間違ってたりもする。
ただ、それが人間であり、映画のいわゆる「ヒーロー」ではない。
もしもこの映画が、最後、クリーチャーを殺してみんな助かる、で終わっていたら評価はまた違ったものになっていたでしょう。
なんか狂信的な婆は人々を煽動して軍人の兄ちゃん殺しちゃう。
あの救いの無い空間で狂っていく人間像がよく描かれています。
いかにもアメリカ的思想ですが、最後は神に救いを求める。
そして狂っていく…人間って怖い。
奥さん助けに行ったら死んでるし。
クリーチャーの弱点も見つからないし。
普通のモンスターパニックって途中からモンスターの弱点見つけて、人間の快進撃が始まる!っていう感じですよね。
この映画を見てて、途中からこの映画どうやって終わらせるんだろう…って思ってました。
どうしようもないんです。
まさに衝撃のラスト十五分でした。
ただ、お父さんもうちょっと待っても良かったんじゃないかな?
少し早まりすぎた気もします。
まぁあの極限状態ではその選択しかないのか。
あの後絶対自殺するだろうな。
この映画のテーマは親子愛なんでしょうか。
父親と息子の約束。
約束は守ったけれども、選択としては正しかったのでしょうか。
愛情が深い故の行動。
賛否両論ですよね。
自分がもし父親だったらどうするかと少し考させられました。
多分、もうちょっと足掻くかな。
なんか他の方のレビューを見てみると、この映画は現代のハッピーエンドに終わる映画の風潮に一石を投じた作品だ!とか書いてるのを見ました。
まさにそんな気もします。
当初の脚本は違ったらしく、
監督(だっけな?)がキングにあの終わりかたを提案したところ、キングが大賛成してあの終わりかたになったらしいです。
原作の小説は、あれの十五分前、つまり車で出発したところで終わるんですが、映画のラストが、読者のその後の想像に対する答えの一つだったんですね。
自分はバッドエンド大好きです。
映画に現実感を求めても仕方ないけれど、やっぱり上手く行き過ぎよりも失敗する方が面白いし。
ハッピーエンドの映画はどうせ勝つんだろ?ほらやっぱり。みたいな感じになってしまうので、
バッドエンドの方がいい意味で意表をついてくれるっていうか。
もちろん悪い意味でのバッドエンドもありますが。
ミストは、その点ではとても意表をついてくれたので良かったと思います。
あんなのは誰も想像できない。
ただ、粗捜しをすると結構多いんですよね。
まずあの息子達に会いにスーパーから出て行ったおばさんはなんで生き残れたのか。
そしてあのめちゃくちゃでっかいクリーチャーを軍は倒せたのか。
でも全体として見ると、そんなのはまったく気にならないです。
自分でしっかりとこの映画は好き!と言う事の出来る作品でした。

