先日、違う組合の海人と酒を飲んでいたときのお話。観光業界と漁業者の共存共栄、互恵関係についての話が出た。各種の観光業者が海を利用する場合、地元の漁業組合を使う業者には便宜をはかり、そうでない業者に関しては徹底的に排除していくという考え方があるようである。年々少なくなっている漁業資源、それに追い打ちをかけるように続々と陸上の開発が進む。その汚染を一手に引き受けている沖縄の海。漁獲が減る一方の漁業者が、観光としての海の利用を重視せざるおえなくなるのは当然の帰結といえよう。しかし、その為に掛かる経費は消費者が負担するのである。それに見合った漁業者にしか提供できないサービスが無ければその経費は「縄張り料」のような性格になってしまう。これから観光業の一角を占めようとする漁業者は、優れたサービスをお客様に提供しなければならない。それが海の利権を主張する者の最低限の資格であると考える。