小学生の高学年からビートルズが好きになり、17歳の12月、ジョンの訃報を勤め先の飲み屋でお客さんから聞いてキッチンの片隅で涙した。俺の人生にビートルズそしてジョンレノンの楽曲は所々、染み込んでいる。先日、金武湾で仕事をしているとラジオから「イマジン」が流れてきた。煙草に火をつけ、船から陸を見ると米軍の基地のオレンジ色の灯りがとても綺麗に瞬いている。想像してみた。戦争の無い世界を。若い頃は簡単に想像することが出来た世界。時代が変わり、俺の感性も薄汚れてしまった。「戦争や貧困、差別のない世界」を思い浮かべる事が困難だった。子供も二人生れて、ジョンの語っていた理想の世界を未来に残していきたい。俺だけが無関係、日本だけが無関係ではいられない。いったい沖縄に住む俺に何が出来るのだろう?基地を無くすための努力、その後、豊かに暮らしていく為の術を得る努力。独り、夜の海の上で船に揺られながら「イマジン」を口ずさんでいた。