前回の記事で書いた通り、ゴールデンウィーク中に手にした将棋倶楽部24初段への僅かな可能性をまたしても無駄にし、初段には一生なれないことを再度理解させられた私のメンタルは、非常に沈んでいた。
その後迎えたゴールデンウィーク最終日の夜、翌日からはじまる社畜奴隷生活と、お先真っ暗な将棋人生について考えながら寝床に入ると、ネガティブな考えが頭の中を埋め尽くした。
そういった状況で、ふと「何1つとして人並にできない人間に存在価値があるのだろうか？」という考えが頭をよぎった。
私は以前から「何1つ取柄のない人間に価値はない」と考えており、こういった考えは今に始まったことではない。だが、そのときは特に気持ちが沈んでいたので、より一層そういった考えに押しつぶされそうになった。
私の人生を振り返ると、人並の成果を出せたことがただ一度もない。何をやっても人並未満のゴミみたいな人生である。いや、正確に言うならば、何をやっても最初のうちは調子がいいのだが、ある程度のところですぐ成長が止まり、後ろから次々と追い抜かれる人生である。
中学時代は、某運動部に所属した。経験者が少ない競技だったので、約2年間その競技経験があった私は、部内同級生の中では1,2を争うポジションであった。
1年生のうちから試合に出たり、上級生に混ざって練習試合に参加したりもした。
しかしその後上達することはなく、2年生になると今までは楽勝で勝てていた同級生にも、負けるようになった。
その後もレギュラーはなんとか維持できたが、同級生に続々と追い抜かれ、最終的には顧問と合わずに部活に行かなくなった。
高校時代も、中学時代と同じ競技の部活に入った。負けるのが嫌なので、あえてその競技が弱い高校に進学し、1年のうちからレギュラーになった。
しかしそこでもやはり、最初のうちは簡単に勝てていた同級生・上級生に負けるようになり、最終的には部の方針に納得いかず辞めた。
部活に行かなくなった後は、大学受験のことを意識するようになった。高校偏差値50代の頭の悪い高校だったので、勉強しなくても成績はよかった。1年生の時に、全員強制で模試を受けさせられたのだが、一切勉強していないにも関わらず学内2位だったので、周囲を内心見下すようになった。
2年生の春に受けた模試でも、一切勉強しないで学内3位だった。しかし、志望校の判定はDとEだらけだったので、絶望した。
「このままこの環境に満足していると破滅する。ゴミの中で上位でも意味がない。」という考えから高校2年秋より予備校に通った。高校3年春の模試では偏差値が10上がり、志望校の判定はA判定になり、学内順位は1位となった。
最終的に志望校には合格した。ところが周囲にいた、自分よりも遙かに遅れて勉強を開始した連中が、自分と同等以上の志望校に合格した話を聞き、絶望した。私は彼らは、どうせ志望校に落ちると思っていたので、「自分はこの高校の中では誰よりも早く受験勉強を意識し、真面目にやってきたはず。それなのに、なんでこいつらがそのレベルの大学に受かるんだ」という感情から、自分の頭の悪さを痛感させられ、学歴コンプになった。
大学時代の成績はよかった。GPAが学内1位だったので、学費が一部免除になった。成績がよかったので、教授に大学院への進学を進められた。
しかし、学歴コンプ持ちで、「こんな大学で成績が良くても意味がない」という考えだったので、大学院には進学しなかった。研究自体、興味がなかったのもあるが。
私が何故、最初のうちは調子がよく、その後低迷するのかを改めて考えてみると、「事前準備が誰よりも早く、前もって動き出しているから」に他ならない。より具体的に言うならば、
中学部活→ただ2年分の経験が前もってあっただけ
高校部活→元々その競技の経験があっただけ
大学受験→勉強の出だしが早かっただけ
ということである。なお、大学内の成績については、真面目に講義に出席し、テスト2週間前ぐらいから勉強していたので、成績が良くて当然である。大学生でこれらの条件を満たす者は皆無で、ほどんどの学生は講義をサボって飲み会セクロス三昧なのだから。大学の成績が良いことは、精々「陰キャ頑張ったで賞」程度の価値しかない。講義に出て2週間前からのテスト勉強さえすれば、誰でも学内1位になれるのだから。
しかし、いくら事前準備が早くても、要領の悪さがそれらの努力を台無しにするのが私の人生である。そのせいで、中学～高校の部活では後ろから追い抜かれ、大学受験でも、自分と比較して遙かに準備不足な連中に、負けたのである。
私には、何1つとして取柄がない。どんな分野においても、平均未満の適正しかないから、いくら事前に準備をしようが、努力しようが、最後には必ず自分より努力していない人間に負ける。そんな人間に存在価値はないから、早く死んだ方がいいのだと思う。