将棋に恨みがあり、愚痴のはけ口として設立した当ブログだが、たまには真面目な話をしてみようと思う。

 

よく「四間飛車は勝ちにくく、中飛車は勝ちやすい」等と言われているが、実際はどうなのだろうか。当ブログでも中飛車が勝ちやすい理由について触れた記事を何回か書いているが、今回は統計的アプローチに基づいて真面目に考察する。今回は検証のために、四間飛車・角交換四間飛車・中飛車を指し続け、その勝敗を集計したデータを用いる。なお、私の各戦型における習熟度は、以下の通り。

 

①四間飛車

将棋をはじめたときからのメイン戦法。対居飛車ではこの戦法を指し続けており、総対局数は数えきれない。また、四間飛車に関する定跡についても勉強をしている。

 

②角交換四間飛車

将棋をはじめて1年後ぐらいに、四間飛車と併せて指し始めた戦法。この戦法は対策を練っている相手には不利なので、無策と思われる相手に多く登板するために、特定の出だしでのみ用いている。対局数は四間飛車と比較して2割程度か。なお、定跡を勉強してはいるが、四間飛車ほどではない。

 

③中飛車

今回の検証を行うために指し始めた戦法。対局数=今回の集計データ数(=50局)。定跡は適当に定跡ブログを見ただけで、ほとんど勉強していない。

 

このような背景のもと、集めた勝敗データの結果は以下の通り。

 

四間飛車:89勝96敗(n1=185) 勝率0.481

角交換四間飛車:27勝19敗(n2=46) 勝率0.587

中飛車:23勝27敗(n3=50) 勝率0.460

 

上記データが統計的に有意かを確認する。

(以下、方法の概要。詳しいことを知りたい人は「母比率の差の検定」で検索してください。将棋クソ雑魚の馬鹿な私でも理解できるので誰でも理解できます。)

 

/////////////////////////////////////////////////////

(1)四間飛車と角交換四間飛車で母比率の差の検定

H0:勝率に差はない。

H1:勝率は角交換四間飛車>四間 (右側検定)

 

(2)四間飛車と中飛車で母比率の差の検定

H0:勝率に差はない。

H1:勝率は中飛車>四間 (右側検定)

 

結果

(1):z≒1.3 p-value≒0.099

(2):z≒-0.26 p-value≒0.604

/////////////////////////////////////////////////////

 

結果

つまり、四間飛車と角交換四間飛車(あるいは中飛車)の勝率は大差ないと仮定したときに、今回の勝率になる確率は角交換四間飛車との比較で約9.9%、中飛車との比較で約60.4%である。この結果より、角交換四間飛車は四間と比較して10%有意だが、中飛車は四間飛車と比較して勝率が高いとは言えない。

 

考察

上記中飛車と四間飛車の比較結果をどう解釈するかは難しいところで、以下の2種類の解釈が存在すると思う。

 

①経験値を積んだ四間飛車と比較して、ロクに勉強していない中飛車の勝率も大差ない

 →中飛車は適当に指してもそれなりに勝てるので優秀

 

②なんだかんだ勉強している四間飛車のほうが僅かに勝率が高い

 →勉強は無意味ではなく、四間飛車も有力な戦法

 

後、角交換四間飛車は10%有意なので、やはりそれなりに優秀なんでしょうね。

対策を練っていない相手に使えば一方的にボコれるというのが大きいみたいです。

まあ、ぶっちゃけ同じ勉強量なら角交換四間飛車対居飛車の将棋は圧倒的に居飛車勝ちやすいと思いますけどね。

私自身角交換四間飛車を相手にするときだけは居飛車で指してますけど、6割ぐらい勝ててます。

少し勉強すればそれなりに勝てるようになるコスパのいい戦型にも関わらず勉強していない人間が多いということは、このレート帯の人間がほとんど勉強なんかしていないことを表していると思います。

 

それと、今回の検証方法について、「3群でまとめて検定しろ」とか「nの妥当性は?」とか統計に詳しい人からはツッコミが入りそうですけど、そこは多めに見てください。所詮将棋もクソ雑魚の脳障害で、大学も二流大学出身なんで。

 

最後に、今回の検証は当初結構真面目にやるつもりでしたが、レート急降下に伴い、途中で完全に心が折れた中でのデータ集めとなってしまいました。

そしてそれに伴い、今回の検証が終わったら将棋からは少し距離を置こうと決意しました。

そのあたりの経緯を踏まえながら、次回の記事で将棋の活動休止に関する記事を書いて、しばらくの間(というか可能なら一生)将棋からは離れようと思います。

 

オマケ(前回の記事で書いた持ち時間の話)

前回の記事で、持ち時間別の勝敗データが以下の通りだと書いた。

 

15分 51勝42敗 勝率 0.548

早指2 181勝218敗 勝率 0.453

 

実はこれ、同じように対立仮設を勝率が15分>早指2(右側検定)で検定すると、z≒1.64でp-value≒0.049となり、5%有意という結果が出る。という訳で、戦型に拘るぐらいなら相手が見つかりにくくても全て15分指しにしたほうが、勝率を手っ取り早く上げるには一番有効なのかもしれない。