第5回

 

前回は再掲1図から▲68角と仕掛けたが

先手がうまくいかなかった。なので今回は

▲37桂と力をためる指し方をみていく。

 

 

再掲1図

 

上図以下、▲37桂

(途中図)

 

このとき△46歩と飛車先を交換するのは

、▲同歩△同飛▲24歩△同歩▲31角成

(A図)で先手良しとなる。

A図(先手よし)

 

 

よって途中図以下、△74歩▲68角△6

4歩▲24歩△同歩▲同角△44角▲79

角△63金と進んで、

1図

 

最後△63金では△23歩が普通で穏やか

だが、高美濃も味が良い。

ここで▲45桂は△75歩▲同歩△76歩

(A図)から△65歩を狙って後手十分。

以下、▲97香には△73桂で先手は7筋

の傷が大きく戦えない。

A図

 

 

 

1図以下、▲46歩が本筋。△同歩▲45

歩△27歩▲同飛△26歩▲29飛△62

角に▲57銀引△33桂と進んで、

2図

 

手順中、▲57銀にかえて▲46角は△33

桂(B図)で後手十分。4筋の歩は銀で取り

に行くのがポイント。

B図

 

 

2図以下、

▲46銀△21飛▲28歩△15歩と進ん

で、

結果図(互角だが先手勝ちにくい)

 

上図以下、▲88角△16歩▲同歩△27歩

成▲同歩△16香▲同香△28歩▲同飛△1

7角成▲29飛△18馬▲26香△29馬

(実践図)と進んだのが、84年▲谷川浩司

△森安秀光の第42期名人戦第5局。強引に

手作りして後手を持ちたい局面だ。

実践図(後手持ち)

 

 

 

結論として、再掲1図から▲68角や▲3

7桂の攻めでも後手陣攻略には至らなかっ

た。

そこで次回からは「テーマ図」に戻り、▲

79角とすぐに角を引く指し方をみていく。