第2回
『基本図』から後手が△54歩を選択し、先
手が▲35歩(山田定跡と呼ばれる)と仕掛
けたらどうなるのか見ていきたい。
『基本図』から△54歩▲35歩と進んで、
「テーマ図」
上図以下、△同歩▲46銀△36歩▲35銀
△45歩と進んで、
1図
この手順は急戦の基本で、以降多くの局面
で登場することになる。▲46銀に△36
歩と▲35銀に△45歩で反発していくの
がポイント。
上図以下、▲33角成△同銀▲24歩△同
歩と進んで、
2図
「振り飛車には角交換」同銀に2筋を突き
捨てる。ここから先手は▲88角と▲24
同銀の指し方に分かれる。(▲24同銀は
第3回)
上図以下、▲88角△53角(途中図)
途中図
用意の反撃。
上図以下、▲24銀△27歩▲33銀成
△28歩成▲42銀成△同金と進んで、
結果図(後手優勢)
以下、▲11角成△38と▲57銀△37
歩成と攻めて後手好調。
△53角が『基本図』からの△54歩を生
かす好手で、▲24銀に△27歩が狙いの
反撃。△27歩に▲同飛なら△26歩▲3
3銀成△同桂▲28飛△27銀(A図)と
なって後手優勢。
A図(後手優勢)
また、△27歩▲33銀成に△同桂と手を
戻すと▲38飛から▲36飛(B図)を狙
って先手がよくなる。
B図(先手良し)
(途中図)で△64角や△62角としてみ
ると、
△64角では以下、▲26飛△19角成▲2
4銀△同銀▲同飛△22歩(C図)と進むが
結果図には劣っている。
C図(後手良し)
※結果図より劣る。
△62角としてしまうと結果図までの手順
は同じだが、最後の▲42銀成を△同金と
とった時に金が放れ駒になっているため、
▲22飛(D図)と先手で打たれてしまう。
D図(後手悪くはない)
上図以下、△38とで後手悪くはないが結
果図がやはり優る。
結論として、△54歩型に対して▲88角
の変化を選択すると山田定跡は成立してい
ない。
次回は▲24同銀の変化を見てみる。