詰将棋 古典詰将棋を解こう(将棋玉図 第二番) | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

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オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。


将棋玉図・第二番。

持ち駒の角の使い方がポイント。
筋に入ってしまえば易しいのですが。

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さて、第一番の解答編なんですけど、
その前に、コメント頂いた方にお礼を。

自分が解いた問題について、他の方がどう思うのか、
コメントを眺めるのはなかなか楽しい時間でした。
仲間で映画を見に行った後、感想を述べ合う感じですね。

今後もコメント頂けると嬉しいです。


私は、努力している方に比べたら全然詰将棋を解いていないので、
中編詰将棋を解く楽しみを伝えられる自信が無いのですが、
個人的には、手順を推理するプロセスにあるのかなと思っています。

短編詰将棋だと面白い「一手」を見せる感じになりやすいですが、
中編詰将棋にもなれば、面白い「手順」を編み出す事も出来ます。
「作家さんはどんな世界を見せたいのだろう?」と、
アレコレ想像する時間が、解答者にとって心地良いひとときになります。
(そんな楽しさも無いくらい、問答無用に難しい問題もあるけどね:笑)

第一番を見ると、舞台が下部にあるのは明らかなので、
とりあえず、玉を引っ張り出す必要があります。

第一番問題図から
▲1二金 △同 玉 ▲1三角成 △同 玉 ▲2四金 △同 玉
▲3四金 △2五玉
(下図)

▲2六歩と突いても△1五玉で駒不足。
以下▲1六歩△同 玉▲2七銀左△1五玉・・・
ここでもう一押しがあれば良いのですが・・・

という訳で、▲2六銀と出るよりなさそうです。

上図以下
▲2六銀 △3六玉 ▲3五金 △4六玉(下図)

ここまで進めて、
どうやらテーマが打ち歩詰めにある事が分かりました。

知人A(アマ初段弱)に解かせてみたところ、
上図から▲3七銀上を考えていたのですが、
自分が作者であれば、優雅に打ち歩打開させたいと思うので、
舞台を壊すような力づくな手順を考えるのは後回しにします。

また、知人B(アマ3段)は、
▲4五馬△5七玉▲4六馬△同 玉▲6六竜△5六歩を考えていましたが、
こう進めるなら1八に銀は置かないだろうと、読みを打ち切れます。

このように、作者の意図を汲み取るプロセスは、
対局中に相手の読み筋を推理するプロセスとよく似ています。
時間や場所を越えて、作者とコミュニケーションをとる作業です。

上図以下、自分が最初に考えたのは▲4五金で、
△3六玉 ▲3七銀引 △2五玉 ▲2六歩 △2四玉 ▲3四金
△1五玉(下図)

玉が逆流していく手順に、「それらしさ」を感じますが、
上図まで進めると詰まない事が分かります。

▲1六歩には△同 玉▲2七銀左△1五玉で、
また打ち歩になってしまいますね。

この問題のカギを握っているのは3九の成桂。
玉が中段で泳ぐだけなら、存在価値が無いはず・・・と考えれば、
答えにグッと近付きます。

△4六玉以下▲4九竜(下図)

これが眼目の一手になります。

思えば、6九の竜は変化にほとんど参加していないんですよね。
でも、▲4九竜と捨てるだけの存在にはしたくないので、
知人Bの手順を紛れとして用意したのだろうと思います。

上図以下
△同成桂 ▲4五金 △3六玉 ▲3七銀引 △2五玉 ▲2六歩
△2四玉 ▲3四金 △1五玉 ▲1六歩 △同 玉 ▲2七銀左
△1五玉 ▲1六銀 △同 玉 ▲4九馬
(下図)

▲4九竜の効果で桂の入手に成功しました。

上図以下△1五玉(下図)

最後まで打ち歩が絡みますが・・・

上図以下▲1六馬(下図)

決め手ですね。

上図以下
△同 玉 ▲1七歩 △1五玉 ▲2七桂(下図)

手にした桂で収束、と。

6七馬を基点にして玉が移動する趣向でしたが、
一往復で終わってしまったのは不本意だったのでは?と想像しています。
▲2六銀 △3六玉 ▲3五金 △4六玉 ▲4五金 △3六玉
▲3七銀引 △2五玉・・・の部分は繰り返しが可能だからです。

何とか出来ないものか、と思いますが、
歩以外の駒を持ち駒に乗せるとすぐ詰んでしまうので、難しいですね。
往復回数が増えると、▲1六馬の「お疲れ様でした感」が増すので、
何だか惜しい感じがします(映画を作れない観客の感想ですが)。

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それでは、一週間後にまたこのコーナーで。

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