向かい飛車 第65回NHK杯テレビ将棋トーナメント 村田顕弘-北浜健介 棋譜検討 | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

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オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。

NHK杯の検討、
月曜に更新できないと、結構ずれ込む傾向あるね。
今週は色々用事が入って、余計更新できなかったんだ。

例によって放映を見ていないので、
適当な事を呟きますよ・・・と。

【公式サイト】
NHK杯 テレビ将棋トーナメント

【棋譜でーたべーす】
第65回NHK杯テレビ将棋トーナメント1回戦第5局 村田顕弘-北浜健介

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初手から
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲6八玉 △8八角成
▲同 銀 △2二飛
(下図)

先手:村田顕弘五段
後手:北浜健介八段

凄く久し振りに見た出だし。
△5四歩▲6八玉と指す人があまりいないからね。

上図では▲7七角も有力で、多い指し方。

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▲7七角の実戦例:
橋本-山崎戦井上-杉本戦高橋-矢倉戦羽生-北島戦高橋-佐藤康戦
中村裕介アマ-田中悠戦瀬川-佐藤和戦
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上図以下
▲2五歩 △4二銀 ▲7八玉 △6二玉(下図)

この形で△2四歩と突かれると△3三桂があるので、
大体の場合▲2五歩を決めておく(例外:青野-阿久津戦 )。

上図では▲3八銀と▲4八銀の実戦があるけど、
どちらにせよ▲4七銀型を目指すので、大筋に影響は無い。
▲3八銀の方が2筋からの攻めに気遣っているが、
最近は▲4八銀の方が多い。受けが進歩したからだろう。

上図以下
▲9六歩 △9四歩 ▲4八銀 △7二玉 ▲4六歩 △8二玉
▲4七銀 △7二銀 ▲5八金右 △3三桂 ▲7七銀 △2一飛
▲3六歩
(下図)

▲3六歩のタイミングも進歩した一例。

初期の頃(羽生-山崎戦郷田-山崎戦 )は、
結構早めに▲3六歩と突いてるけど、
▲3六歩と突くなら△3三桂を見てから、という実戦が増えている。
△4四銀~△3五歩の仕掛けを消滅させるのが良いのだろう。

なお、上図から△2五桂には、
▲同 飛△2四歩▲2八飛△2五歩▲3七角で受かる。
▲3六歩の効果ですね。

上図以下
△5三銀 ▲8八玉 △4二金 ▲7八金 △8四歩 ▲6六歩
△7四歩 ▲5六角
(下図)

▲3六歩のもう一つの効果は、上図▲5六角
3筋の歩を取って、ひょいひょい歩を伸ばせば桂得という狙いです。

この筋が嫌だ、という振り飛車党の声を多く聞いてますので、
居飛車党の方は狙ってみましょう。少なくとも精神的優位に立てますよ。
結果に責任は持たないけど。

上図以下
△4四歩 ▲3四角 △4五歩(下図)

北浜八段、△4四銀と上がらずに待機していた辺り、
この反発は狙っていましたね。

①▲4五同歩は△7三角ですよね。本譜も似たような事になるけど。
味悪いけど▲1八飛と寄っておいて、角をいじめにいけば大変か。

②▲3七桂もあるよね。
次に▲4五桂△同 桂▲同 角となると、
狙うべき後手桂が消えてしまうんだけど、歩得ですよ、と。
正直、▲3七桂に対して何を指すべきか分からないんですが、
後手桂を捌かせる人はあまりいないか。

本譜は③▲3五歩でした(下図)

初志貫徹の手ですね。

この時、▲6一角成~▲3四歩のような手もあるので、
4筋の歩を伸ばした事で、後手陣が弱体化している事が分かります。

振り飛車の自陣歩の配置は、終盤にかなり影響を及ぼすので、
手が無いからって適当に突いちゃダメなんですよね。
(決して、北浜八段が適当に歩を突いたと言ってる訳ではないですよ)

本譜は△7一金(下図)

この手に代えて△7三角は、▲3七桂くらいで受かってます。

ただ、△6二金との比較は難しいです。
△7三桂と跳ねる将棋なら△6二金の方が厚いって事もあるよね。
△8五桂~△5五角という雰囲気になれば良いんだけど。

上図以下
▲4五歩 △7三角 ▲1八飛 △8三銀 ▲5六銀 △7二金(下図)

まぁ、△7三角の方が自然な着想ですよね。
△7三桂はちょっとやりにくい。

けど角頭は不安ですね。

▲4五歩△7三角来いと胸を張った手で、
それよりも後手の4筋の方がキズが大きいだろう、と。

上図以下
▲6五銀 △8五歩 ▲6七金右 △4六角 ▲4四歩

ここまで来ると居飛車が良いかな、と思います。

思想としては▲6五銀に△2四歩と行きたいですが、
▲7五歩△同 歩▲7四歩で角の行き場所が難しいです。
まさか△6四歩とも突けないし・・・(▲4四歩でも▲5六銀でも先手良さそう)。

で、 △8五歩だったんですが▲6七金右が価値の高い一手で、
自玉を引き締めつつ、後手角が中央に出た時に▲5六金の含みがあります。

そして、▲4四歩がヒット級の当たりで、
▲5四銀や▲4八飛の味があって、うるさい攻めになっていますね。
村田顕五段、ここは手応えあったんじゃないでしょうか。

結局、△7三角と据えても角頭が弱く、
銀冠にして備えている間に懸念材料の4筋に火が付いたので、
本局においては△4四歩△4五歩が上手く行かなかったと判断してます。
3四に飛び出した角が6一の金を狙っていたのも好条件でした。


以降は、村田顕五段が良かったはずですが、
北浜八段が耐えている内にいつの間にか逆転。強いなぁ。



ここで角を取ったらどうだったかな?と思っているんですが、
何だか他人の不幸を見てしまった感じで、
これ以上何かを書く意欲が無くなってしまいました。
まぁいつもはズケズケ書いてるけど、今はそういう気分って事で。


話は戻るんですが、▲5六角に対して、
△6四銀▲3四角△7三桂と軽く指すのはどうなんでしょうか?(下図)

次に△8五桂~△4四角の要領で。
△5五銀あるから角を引く場所どうするの?と。

先手はどうしておくのが良いんだろう?
ちょっと怖いけど▲8六歩かなぁ。

うーん・・・この辺りは今後の研究対象って事で。