知り合いから、
「次の一手の答えが気になりますよ」
というメールが届いたので、
それだけは片付けないとかな、と思いました。
しばらく会っていなかったけど、
ブログはずっと見ていてくれたのね。ありがと。
こういう事があるから、将棋の縁は長く続くよね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第1問 正解
この局面で浮かばなくてはいけないのは▲2二歩で、
これが正解(下図)
ここで△同 角は無い。
△9八歩と垂らした手との関連性が無いからだ。
ソフトには連続性を気にしない着手も多いが、
人間の将棋の価値は目標を実現させるプロセスにあると思う。
よって、△同 金と取る(下図)。
さて、ここが難しい。
▲4三銀成は△3二銀と打たれて大変。
銀を成るのは敵玉を仕留める時だ。
2~3筋方面から攻めるのは容易だが、
敵玉は5筋から左に開けていて、
端に味が付いている先手としても、
ハッキリ勝ちとは言えない。
そこで、フワリと▲5七角。
2筋方面を悪形にしておいて、▲5七角の味が良い。
角を8四に出て挟撃体制を作る手があるので、△7五歩と突くより無いが、
後手の角が9七に利かなくなるのが大きく、先手玉は安泰となる。
ガツガツ攻めたくなる局面で、なんて柔らかな絵を書くのだろうか。
参考棋譜:先崎-屋敷(竜王)戦
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2問 正解
詰むや詰まざるやになれば、おおよそ答えが分かっても、
そこに至る寄せ形を作る事は難しい。
上図では、飛車・角・銀が敵玉を狙っているので、
これを活かす事が大事なのは分かっているのに、
肝心の具体的な手順を想起するのは大変だ。
正解は、△8六歩▲同 歩△同 角。
角から行くのが急所で、
▲同 金△同 銀▲8七歩に、△同 銀成と突っ込んでいける。
以下▲同 金△8六歩で寄り筋だ。
言われてみれば、見た事のあるような寄せなのに、
何故か素直に局面を見られない。
参考棋譜:渡辺-屋敷(王位)戦
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3問 正解
形勢自体は悪いんだけど、
どうやって逆転の綾を見出すか、というお話。
悪い局面に正解は無い、とは言うけれど、
相手が人間であれば間違えやすい局面はあるはずだ。
問題は、「相手が間違える雰囲気」を嗅ぎ分ける嗅覚。
正解は△7五飛▲同 歩△8九飛成(下図)
△7六桂の王手を頼りに、逆転の綾を残す。
角を手持ちにするとトン死筋が生じるので、
▲4三角成からの寄せを緩和している意味もある。
厳密には良くなる訳ではないと思うが、
獲物を狙う野生の嗅覚を思わせる飛車捨てだ。
参考棋譜:西川(慶)-屋敷(順位)戦
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「私を応援して頂ける方はポチっとお願いしますわ(笑)」
って書いたら、いっぱいポチッとしてくれました。わーい。
引き続き応援して下さいね(笑)