横歩取り 相横歩取り▲7七歩型 実戦 棋譜検討 | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

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オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。

B級1組の結果は以下の通りです。

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行方-中田(宏)戦・・・135手まで行方勝ち
井上-久保戦・・・130手まで久保勝ち
畠山(鎮)-丸山戦・・・120手まで丸山勝ち
広瀬-飯塚戦・・・152手まで飯塚勝ち
阿久津-木村戦・・・124手まで木村勝ち

形勢通り終局したと思います。
この結果により、中田(宏)先生の降級が決定しています。

中でも飯塚先生が勝ったのが嬉しい。
天才が頂点に立つ将棋界だけれど、
地道に努力している人間が退けられる世界では魅力が無い。
最終局の相手は松尾先生だけれど、何とかもう一勝・・・

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最近始めたVSの中から、
珍しく私が逆転した将棋を採り上げたい。

最近はVSで何を指すか、どうやったら勝てるかという事が研究の焦点だ。
その上で、何を試し、どう成長するかを考えていきたい。

横歩取り 相横歩取り▲7七歩型 逆転の巻


先手
後手 VS相手
第1譜 相横歩取り戦法 途中図(△同 飛まで)

初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同 歩▲同 飛△8六歩▲同 歩△同 飛▲3四飛△8八角成▲同 銀△7六飛▲7七歩(第1図)


私は最近横歩取りを指さないのだけど、相手は相横歩取りをよく指すという事で、これは新しい発見があるんじゃないかと思い、出来るだけ相手の土俵に踏み込むようにしている。もちろん、指すからにはそれなりの準備をしてから臨むのだけど、いかんせん経験不足、研究不足が目立つ。いきなり何でも出来るようにはならないので、少しずつ食らい付いていきたい。

第2譜 伏線
第1図(▲7七歩まで)

第1図からの指し手
△7四飛▲3六飛△3三桂▲2六飛 △2五歩▲8六飛△8二歩▲8三歩 △6四角(第2図)

右図▲7七歩は、以前私が相手に対策を聞く意味で後手を持った時、裏技として指された手だ。へー、そんな手があるのか。素直な私(笑)は、局後1人で黙々と研究し、次に先手を持ってこの局面になったら試してみようと思っていたのである。ところが後で聞いてみると「後手を持って怖い手じゃないですね」の一言。あ、やっぱそうなの?(苦笑)△8二歩から前局と分かれ、△6四角で研究とも分かれた。

第3譜 見通しが甘かった
第2図(△6四角まで)

第2図からの指し手
▲8五飛△7二金▲8二歩成△同 銀▲3八金△5二玉▲5八玉 △2六歩▲8七銀(第3図)

研究時は△6四角の価値がよく分からなかったので、「指されたらその時考えよう」と思っていたんですが、これが大きな間違いで、もう少し方針を固めておくべきだった。パッと見、角を打ってくれているから勝負になるだろうと思っていたし、第3図▲8七銀と上がる手が味良く思っていたのだが・・・


第4譜 警戒心
第3図(▲8七銀まで)

第3図からの指し手
△8八歩▲同 金△7五飛(第4図)

右図は次に▲7六銀と出る手があり、それが▲7七歩を活かした意味があるので、そこそこやれてるんじゃないかと思ってたんですよ。ところが△8八歩の手裏剣から△7五飛。これで痺れた。△2七歩成と乱される手も残っていて、先手陣はまとまりがないので、決戦になっては勝ち目が無い・・・。警戒心が足らなかった。

第5譜 呻吟
第4図(△7五飛まで)

第4図からの指し手
▲8四飛△8三銀▲6四飛△同 歩▲1八角(第5図)


右図は今見ても大分ヒドい。▲7五同飛は飛車交換だけでも厳しいのに、角まで玉頭に利いてきて耐えられそうもない。呻吟する事5分。思いついたのが本譜の順だ。盤上には飛車を残した方が粘れると思い、角と刺し違える意味で▲8四飛。そして▲1八角が狙っていた一着だ。これが前々からの読み筋ならカッコ良いんだけど、苦しくなって捻り出しただけだからね(苦笑)

第6譜 図々しい手
第5図(▲1八角まで)

第5図からの指し手
△5四歩▲8二歩△同 金▲7一角 △7二金▲2六角成△8五飛▲8六歩△8四飛▲5四角△5六歩▲4八銀(第6図)

とは言え、▲1八角はちょっとした手だと思った。次に▲8四歩が狙い。△6二玉と受けても▲8四歩△同 銀▲3六角打の2段ロケットが炸裂する。この手で局面が好転したとは思わなかったが、局後に「△2七歩成を入れて、▲1八角を消しておくべきでした」と言われたので、相手に後悔させるくらいの効果はあったのだろう(実際、そう指されたら苦しかった)。しかし、その後の指し方がまずい。▲5四角はわざと△5六歩を誘って、5筋に歩が利くように出来ないかと思ったのだが、図々しかった。

第7譜 ウッカリ
第6図(▲4八銀まで)

第6図からの指し手
△5五飛▲3六馬△6五歩▲7二角成△同 銀▲同 馬△5七歩成▲同 銀△4五桂▲5六歩△5七桂成▲同 玉△2五飛▲2六歩△同 飛▲2七歩△2四飛引▲7八金△8八歩(第7図)

右図から本譜は△5五飛だったのだけど、この手に換えて△7九飛もあった。▲1八角で簡単に受かると思っていたが、△4五桂と跳ねる好手がある。以下▲3五馬で受かっているようだが、何しろ△4五桂をウッカリしていたので対局中は動揺していた。本譜は想定していた展開。歩の数が多いのを活かし、先手を握って▲7八金。形を直せれば自信がある。△8八歩は、迫るならこんなところか。

第8譜 下手な終盤戦
第7図(△8八歩まで)

第7図からの指し手
▲4五桂△4二銀▲6一銀△4一玉 ▲6三馬△3一玉▲5二銀成△7五角
(第8図)

△8八歩は、桂を入手しての△4五桂が狙いなので、先に▲4五桂と先着した。しかし、よくよく考えると▲5四桂としばった方が寄せが早かったか。自玉を先に見るクセがあるのが私の特徴ですが、例外を作れるようにならないと進歩が無い。まぁ、これはまだ良いとして、次の▲6一銀は筋が悪いにも程がありますね(苦笑)どうも私は終盤が弱くていけない。本譜は敵玉に逃げられ、急所の△7五角まで入ったので嫌な雰囲気である。

第9譜 冷静
第8図(△7五角まで)

第8図からの指し手
▲6八玉△8九歩成▲7六歩△5七銀▲7七玉△6四飛左(第9図

流石にこの局面はマズい事をしたと思ったが、ここで冷静になれたのが良かった。幸いな事に、時間がまだ残っていた。▲7六歩と角取りに突き出し、△5七銀に▲7七玉。この手が利いたのが大きかった。
第9図△6四飛左も凄まじい迫力だが、何とか余せるんじゃないかともう一度読みを入れる。

第10譜 勝ちきる
第9図(△6四飛左まで)

第9図からの指し手
▲9六馬△7九と▲7五歩△7八と▲同 銀△6六歩▲5五角△6七歩成▲同 銀△6五桂▲8七玉(投了図

▲9六馬と引いて余しているようだ。△7九とには▲同 金もあるが、本譜の▲7五歩でも良いだろう。さっさと▲5五角と打って決めたかったのだ(笑)投了図以下△7七金には▲9八玉。後手玉は詰めろだし、角を渡しても先手玉が詰まないので分かりやすい。

総括 投了図(▲8七玉まで)

序盤・中盤・終盤の寄せに至るまで、横歩取りの感覚に全然ついていけてないですね。▲1八角のハッタリが利いて形勢が良くなったので、何とかリードを活かして勝ちきれましたけど・・・



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