訃報 米長邦雄永世棋聖
・・・マジで!?
故人について、アレコレ言える立場ではないが、
盤上に盤外に、戦い、暴れた人生という印象がある。
一流棋士として名を馳せ、会長として幕を閉じたのだから
良い人生だったのだろう。
将棋の内容も気合いや勢いを重視されていたように思う。
引退間際の将棋でも、見る者を惹きつける何かを持っていた。
それは「技」と形容する物では無く、まさしく「芸」の域であった。
テクニカルな将棋を良しとする風潮となった現在、
あのような将棋を指す棋士がまた現れるかはあやしい。
偶然ではあるが、つい最近中原・米長・加藤といった、
名人経験者の全盛期時代の強さを探っていた。
最強の名を欲しいままにする羽生先生の強さのルーツは、
その時代と現在将棋のブレンドから成るのではないかと思ったからだ。
無論、私程度ではその秘密が分かるはずもないのだが、
3氏は天才である、という印象だけが強く残っている。
大海を思わせるようなスケールを感じる中原将棋。
勝負における嗅覚が異様に優れている米長将棋。
いずれも、現役を退いてなお、現在も輝きを放っている。
二人の将棋を心から理解し現役を続けている、
真理と美を追究する加藤将棋の活躍に期待したい。
ご冥福を祈ります。