盤と駒、届く | 初段になるための将棋勉強法

盤と駒、届く

午前中に待望の盤と駒が届く。
駒は晴月作彫駒・錦旗書、盤はヒバ(米ヒバ)卓上一寸盤。

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駒は3つか4つずつ丁寧にラッピングされている。
これを一つずつほどくたびに
「おお、ちゃんとした駒を買ったんだな」と実感。

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見てのとおり、一応ちゃんとした彫駒。
ただ、値段は彫駒の中でも最も手頃な部類に入る15750円
(それでも私の実力にしては分不相応だというのは分かりすぎるくらい分かっている。
 分かっているんだって!)。
ちなみに将棋にあまり詳しくない人のために説明すると、
駒には「書き駒」「彫駒」「彫埋駒」「盛駒」と4種類あって、
書き駒は文字通り木に文字を書いただけの駒。
彫駒は文字の部分をを彫って、そこに漆を塗り込んだ駒。
彫埋は彫った部分に漆を重ねて、彫った部分が平らになるまで埋めた駒。
盛駒はさらに漆を塗り重ねて、文字通り、
彫る前より文字の部分が盛り上がっている駒。
そこまですると
「これはいくら何でも塗り過ぎではあるまいか」
というくらい、もりもりと漆が塗られている(はず。実物を見たことないので)。
当然、手間暇掛かっている分、値段は後者ほど高くなり、
おおざっぱにいえば、ランクが一つ上がるたびに
値段の桁が一つ上がることになる。

盤は米ヒバの卓上一寸盤。一寸(3cm)といっても、
実際手に取るとかなりの厚みがある。
実際に駒を置いてみるとこんな感じ。

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王と玉の縁に、制作者名と書体が書かれているのが嬉しい。
盤から匂いたつ木の香りも清々しい感じ。
やっぱり道具は大事である。
さぁ、これでいよいよ棋譜並べができるってもんだ。

しかし…、その前に…
一緒に注文した「どうぶつ将棋」もひとまず開けてみることにする。

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か、かわいい…。
思わず一人どうぶつ将棋を開始。
双方死力を尽くしたが、後手番(の私)が勝った。

その後、いよいよ棋譜並べ。
しかし、いざ始めようと思って困ったことが一つ。
誰の棋譜を並べたらいいんだろう?

棋譜自体は、順位戦の速報を月間契約(500円)しているので
いくらでも手に入るのだが、今の自分に一番役に立つ棋譜と言うと……??
A級で活躍している人の棋譜を並べるのが良さそうな気がするが、
都合良くゴキゲン中飛車の会心譜がそうそうあるわけもなく、
さりとてゴキゲン中飛車創始者の近藤正和六段の棋譜ばかり
延々と並べるのもどうなんだろう?

棋譜を斜め読みしながら考えても結論が出なかったので、
ひとまず「NHK将棋講座」のゴキゲン中飛車編を
駒を並べながら再読してみることにする。

やってみて、すぐに感じたことが一つ。
盤面図が掲載されていない枝分かれの手順なんかも
自分で並べて見られるので、視覚的・直感的に手順が入ってきやすい。
また、一度目は本を見ながら並べてみて、
その後すぐに本を見ないでもう一度並べてみる、
っていう流れで読み進めていくと、
自分がちゃんと理解しているのかどうかの判断が簡単にできる。
本を見ないで再現できなければ、それはきちんと覚えていないってことで、
覚えるまで何度も本を見ながら繰り返せばいいわけだ。

そんなこんなで2回目の講座まで並べ終える。
単純に本を読むだけの時より、5割増くらい疲れた気がする。
その分ちゃんと脳にシワが刻まれていればいいのだが。

その後、ふと思いついて、2年前の順位戦B2級の中からとある一局を選び、
棋譜並べにチャレンジしてみる。
後手の腰掛け銀に対して先手が▲5七銀型四間飛車に振った一局で、
序盤から中盤に掛けて小さなポイントを稼ぐための渋い応酬が続く、
まさに「プロらしい」将棋。
66手目、やっと今から駒のぶつかり合いが始まるというところで、
なんと後手の残り時間は10分(先手は残り2時間弱)。
順位戦はそれぞれ持ち時間が6時間なので、
駒組みから中盤にかけて、後手は5時間50分使ったことになる。
それだけ残り時間に差があればその後は先手が圧倒しそうなものだが、
そこはやはりプロの将棋。
そこから12手進んだ所で、考慮中に先手が
「『んーっ』と声を上げた。」
という解説がある。しかも、その12手が進む間、
後手は1分も考慮時間を使っていない。
その後、一旦は後手の守りがガチガチに固まっていて
これは容易に攻めきれないのでは、と(素人目に)見える局面が続いたが、
先手が軽い攻めをうまく繋ぎ、押し切る様な形で勝利。

人生初の棋譜並べ、自分なりに考えながら手を進めたのだが、
次の一手が当たることは殆どなし。
ただただ
「生活の全精力を注ぎ込むと、こういうジンジンとくる戦いになるんだよなぁ」
と唸るばかり。
その対局は2008年に1月11日に行われた▲先崎学八段-△浦野真彦七段戦なのであった。
棋譜並べは、好きな棋士の棋譜を並べるのが一番いいのかもしれない。