解析に導入した新兵器と今月の将棋俱楽部24の結果 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

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主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんばんは。月一でInstagramに投稿するイラストは常に悩む雁木師でございます。今日は今月から本格的に導入した解析の新兵器と今月の将棋俱楽部24の結果報告を行いたいと思います。長文となりますが、最後までお読みいただけると幸いです。

 

まずは解析に導入した新兵器について。今月から自分の将棋を解析するにあたりPCにて「ShogiGUI」というソフトウェアを導入しました。

ShogiGUI

このソフトのダウンロードやインストール方法については下記リンクの記事が詳しく書かれていますのでやってみたい方はそちらをご参照いただければと思います。

右玉NOW|将棋ソフト「ShogiGUI」をインストールする

このソフトウェアを導入するきっかけになったのは、「水匠3」という思考エンジンが公開されたという話題を知ったからです。「水匠」とは「たややん」さんこと杉村達也さん(弁護士)が開発された将棋ソフトのシリーズで、「水匠3」は世界コンピュータ将棋オンライン大会2020で優勝された「水匠2」の後継ソフトとして開発されました。

「水匠3」の性能や導入方法ついては前述の右玉NOWさんのサイトが詳しく解説されています。下記リンクに記事を掲載いたしますのでやってみたい方はご参照いただければと思います。

右玉NOW|2021年の最強将棋ソフト「水匠3」を導入する(水匠3改追記あり)

私はこの記事を読んで取り入れてみたのですが、まだ使いこなせていないという感じです。私の場合は、タブレットに解析アプリ「ShogiDroid(思考エンジンは『水匠2』)」を導入しており、PCでの「水匠3」を取り入れた「ShogiGUI」は補助的活用でした。しかし今では立場が逆転し、PCでの解析がメインとなり、「ShogiDroid」は補助的活用になりました。どこかのタイミングでPCでの解析に一本化することも視野に入れてます。

私はコンピュータ将棋の知識はそんなに詳しくはないですが、現代将棋の進化はソフトの進歩があってこそだとも言われています。強くなりたい方は将棋ソフトを活用した勉強法を取り入れてみるのも一考かもしれません。

 

では今月の将棋倶楽部24の結果報告に入ります。私は24にいくつかのルールを設けて指しています。詳細はこちら。解析は「ShogiDroid」では先週8局、今週8局解析。前述の「ShogiGUI」では全局解析しています。では結果報告に入ります。

総合成績:43勝37敗。勝率.538
手番別の勝敗は以下の通りです。
手番別勝率:先手番勝率.640 後手番勝率.366
今月は勝ち越しで終えました。星の流れを見ると、先週は6連敗でスタートし、4連勝3連敗5連勝と連敗と連勝を繰り返し結局指し分け。今週は勝ち負けが交互に続く展開から3連勝。その後5連勝から再び勝ち負けが交互に続いて結局勝ち越しでした。内容は先週は勝った時と負けた時の差がとても激しく不得手の戦型に持ち込まれると苦戦が目立ちました。今週は、負け将棋を粘るなどで勝ち星を拾ってきた将棋が多かったです。では戦型別の勝敗を見ていきます。
まずは自分から見た戦型から。今月は左美濃とelmo囲いが最も多かったです。左美濃は相居飛車の将棋に用いています。とりわけ、矢倉相手の採用が多いです。ただし、矢倉は矢倉でも急戦矢倉ではなく、昔ながらのがっちり囲う矢倉の駒組みの段階で左美濃を狙うのがポイントです。また、私の実戦では態度を保留にして雁木や右玉相手にも左美濃を使用することもありました。ここでいう左美濃は高美濃狙いではなく、居角のままで囲う低い左美濃です。囲いの完成までに手数を要さず攻撃の陣形を整備しやすいことが魅力です。
elmo囲いは振り飛車相手の囲いです。最近は相手がノーマル振り飛車をしてくれないことが多く、数を減らした格好です。角交換振り飛車にはミレニアム囲い、ゴキゲン中飛車には超速で対抗しています。次に相手から見た戦型を見ていきます。
相手から見た戦型は居飛車は矢倉、振り飛車は中飛車が最も多かったです。矢倉は前述の左美濃で対抗する場合もあれば、急戦矢倉で対抗することもあります。最近は初手は先手なら☗7六歩、後手なら☖8四歩で指すことにしていることも矢倉が増えた要因でしょうか。
中飛車はゴキゲン中飛車とノーマル中飛車の比率はほぼ半分です。あとは先手中飛車の場合、私が後手の初手に☖8四歩と指していることで増えたというのも影響があります。代えて☖3四歩なら三間飛車が増えていたと思います。ケースバイケースでなんとも言えないですが、こうした初手の方針も自分と相手の戦型選択に少しながら影響を与えているのも事実です。
 
 
ではここからは自戦譜を見ていきます。今回も横歩取りの自戦譜検証を行います。前回は後手が☖3三角型に代えて☖4二玉型で対抗した将棋を検証してきました。今回も☖4二玉型の将棋を見ていきます。題材は先月の私の24の実戦から。後手番の☖4二玉型を持って指しているのが私です(持ち時間設定は「早指2」、ShogiGUIにて解析)。まずは問題の局面から。
前回は☖4二玉型を最新型と紹介しましたが、☖3三角型が先攻されやすいので代替案として模索されていると述べてきました。本譜はここから
☗5八玉 ☖7六飛
☗7七角 ☖1四歩
☗1六歩 ☖7二金
☗3六歩 ☖3三桂
☗3七桂 ☖7四歩
と進行しました。
相手は☗5八玉~☗3七桂と青野流狙いでの進行。私も☖7四歩と右の桂馬の活用を図ります。上図から本譜は
☗6六角 ☖7三桂
☗7七桂 ☖6六飛
☗同歩 ☖3五歩
と進行します。
☖3五歩では☖2六歩が勝るのがソフトの評価。この局面では先手が優勢との評。後手の角が全く働いていないことを評価しての判断だと思われます。☖3五歩は☗同歩なら☖3六歩で桂馬を入手。☗同飛は☖1三角で飛車狙いという目的でしたが、放置されると意外と継続手が難しいです。本譜も相手の次の一手は☖3五歩を放置して踏み込んでいきました。
上図以下の指し手
☗6五桂 ☖同桂
☗同歩 ☖6六桂
☗4八玉
と進行して問題の局面です。
☖6六桂は桂交換なら狙いの王手金取りですがやや時期尚早というのがソフトの評価。飛車を手放している後手は攻めが息切れ気味の予感ですが…。
本譜は☖7八桂成と金を取りました。以下
☗7八同銀 ☖3六歩
☗同飛 ☖3五歩
☗8六飛
と進行しました。
ここでのソフトの評価は互角。私の☖3五歩に対し、相手は☗8六飛と飛車を転回してきましたが、転回するにも☗7六飛が勝ったようです。さて相手に飛車を転回された私の次の一手は?
 
☖8二銀
 
しかしこの一手は悪手でした。次に☗7三歩と打たれるとどう応じても後手が苦しくなってしまいます。銀でとっても金でとっても飛車が成りこみ、☖7一金と逃げれば☗8四歩が厳しい垂れ歩です。
本譜は☗7三歩ではなく☗3四桂の王手角取りを選択。こちらも厳しい一着です。その後は角桂交換となってから私が3五の歩を拠点に反撃。相手の飛車をいじめながら反撃のチャンスをうかがいます。そして迎えたこの局面。相手の次の一手は?
本譜、相手はここから☗6五桂と桂馬を中央突破に活用する手順を選びました。しかしここから形勢が目まぐるしく変わります。上図から
☗6五桂 ☖5四金
☗2四飛 ☖6五金
この攻防で形勢は逆転します。まず、☗6五桂の一手で形勢が接近。ソフトの正解は同じ桂馬を活用するにしても☗7六桂が正着で、角をアタリにすることで揺さぶり、後手陣を崩す狙いです。しかし私も対する☖5四金が疑問手の評価の一手。代えて☖5五金と飛車桂両取りにして攻めを封じ込めるのがよかったということです。これで相手にチャンスが回ってきましたが☗2四飛で☖5四金を払おうとしたのが失敗。手順で☖6五金と桂馬を払った後手が優勢に転じた格好です。この局面以降、相手は2四の飛車を切って強引に龍を作りましたが、節約の受けでしのいだ私は下図の局面で勝ちに持っていきました。
ここから☖9四角が攻防に利いた好手でした。
龍取りと☖5八角成からの攻めの両狙いです。相手が☗6三歩と打ってしまったことで☗6八歩と打てないのが痛いところです。本譜は☖9四角に対して相手は☗8一龍と逃げましたが、☖5八角成と金をはがしたところで相手が投了。76手で私の勝ちとなりました。
投了図以下は次に☖4九馬以下詰みですが適当な受けがなく、先手の持ち駒が歩しかないので後手玉に迫る手もないので投了もやむなしというところでしょうか。
 
この一局を振り返ってみると、相変わらず横歩取りならではの難解な将棋でした。☖4二玉型はあまり生かされてないような将棋だったような気がします。事実、本譜の進行をみても手順で自分から角の利きを遮ってしまった格好で、結局王手角取りを食らってしまいました。中終盤での疑問手の応酬でお互いにチャンスボールを渡す形の状態でしたが、ミスを咎めた私に軍配が上がった形です。横歩取りの後手番は、角をさばくタイミングが大事ということが分かりました。まだまだ☖4二玉型の自戦譜検証は続けていきたいと思います。
 
 
 
 
 

以上が今月の将棋俱楽部24の結果です。現在のレートは1,025点、最高レートは1,106点です。先週は指し分けも今週の勝ち越しでレートは目標の4桁に到達しました。しかしこれで終わらずに最高点の更新を目指していきたいと思います。

 

今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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