はじめに:そのレシート、現金と同じ価値があるかもしれません
こんにちは、税理士の正垣です。
2026年2月12日。いよいよ確定申告の受付開始(2月16日)が目前に迫ってきましたね。 書類の整理に追われている方も多いのではないでしょうか?
この時期、お客様からよく聞くのが「医療費控除なんて、うちは大病もしてないし関係ないよ」という言葉です。
でも、ちょっと待ってください。 もしあなたが、ドラッグストアのレシートや通院時の交通費メモを「ゴミ」だと思って捨ててしまっているなら……実は、税金を取り戻すチャンスを自ら捨てているのと同じかもしれません。
今日は、税理士の視点で「これ、実は医療費控除に入るんです」という、見落としがちな項目を整理してお伝えします。
そもそも「医療費控除」のボーダーラインは?
基本のおさらいですが、医療費控除を受けるための一般的な基準は以下の通りです。
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1年間の医療費の合計が「10万円」を超えていること
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※総所得金額等が200万円未満の方は、総所得金額等の5%
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生計を一にする家族全員分を合算できる
「10万円も病院に行ってないよ」と思うかもしれませんが、以下の項目を足していくと、意外と届くケースが多いのです。
意外と見落とす!医療費控除の対象になるものリスト
税理士の正垣が、現場でよくアドバイスする「もったいない項目」をピックアップしました。
1. ドラッグストアで買った「風邪薬・頭痛薬」
病院の処方箋だけでなく、ドラッグストアで購入した市販薬(治療目的のもの)も対象です。
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風邪薬
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胃腸薬
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鎮痛剤
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湿布薬
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目薬(治療用) ※ビタミン剤などの「予防・健康増進」目的のものはNGです。
2. 通院のための「交通費」
ここが最も見落としが多いポイントです。
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電車・バス代: OK(領収書がなくても、日付・経路・運賃をメモしておけば認められます)
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タクシー代: 条件付きOK(急病や、深夜で公共交通機関がない場合など)
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ガソリン代・駐車場代: NG(マイカー通院にかかる費用は残念ながら対象外です)
お子さんの通院に付き添った親御さんの交通費も対象になりますので、忘れずに集計してください。
3. 歯医者さんの「自由診療」の一部
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金歯・セラミック: OK(一般的な治療材料として認められます)
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歯列矯正: 条件付きOK(「美容」目的はNGですが、子供の成長阻害を防ぐなど「治療」が必要と診断されれば対象です)
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インプラント: OK
4. その他、こんなものまで?
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レーシック手術・オルソケラトロジー: OK
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不妊治療費: OK
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マッサージ・鍼灸: 条件付きOK(国家資格者による施術で、治療目的である場合)
「セルフメディケーション税制」という選択肢も
「やっぱり集めてみたけど、家族合わせても10万円には届かなかった…」
そんな場合でも諦めないでください。 「セルフメディケーション税制」なら、対象の市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入額が年間1万2,000円を超えれば申告できる可能性があります。
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※通常の医療費控除との併用はできません。どちらか有利な方を選びます。
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※レシートに「★」マークなどがついている商品が対象です。
税理士 正垣からのアドバイス:今からでも間に合います!
「もうレシート捨てちゃったよ…」という方もいるかもしれません。
しかし、医療機関にかかった費用なら、病院の窓口で「領収書を再発行」してもらったり(有料の場合あり)、「領収額証明書」を出してもらうことで対応できる場合があります。交通費も、手帳やカレンダーを見返して、通院履歴と照らし合わせれば今からでも集計表(メモ)は作れます。
確定申告は、知っている人だけが得をする制度です。
「私のこのケースは対象になる?」 「医療費控除とセルフメディケーション、どっちが得か計算してほしい」
ご自身の判断に迷われたら、ぜひ私たち専門家を頼ってください。 面倒な計算や判定をプロに任せて、スッキリとした気持ちで春を迎えましょう。