はじめに:そのレシート、現金と同じ価値があるかもしれません

こんにちは、税理士の正垣です。

2026年2月12日。いよいよ確定申告の受付開始(2月16日)が目前に迫ってきましたね。 書類の整理に追われている方も多いのではないでしょうか?

この時期、お客様からよく聞くのが「医療費控除なんて、うちは大病もしてないし関係ないよ」という言葉です。

でも、ちょっと待ってください。 もしあなたが、ドラッグストアのレシートや通院時の交通費メモを「ゴミ」だと思って捨ててしまっているなら……実は、税金を取り戻すチャンスを自ら捨てているのと同じかもしれません。

今日は、税理士の視点で「これ、実は医療費控除に入るんです」という、見落としがちな項目を整理してお伝えします。


そもそも「医療費控除」のボーダーラインは?

基本のおさらいですが、医療費控除を受けるための一般的な基準は以下の通りです。

  1. 1年間の医療費の合計が「10万円」を超えていること

    • ※総所得金額等が200万円未満の方は、総所得金額等の5%

  2. 生計を一にする家族全員分を合算できる

「10万円も病院に行ってないよ」と思うかもしれませんが、以下の項目を足していくと、意外と届くケースが多いのです。


意外と見落とす!医療費控除の対象になるものリスト

税理士の正垣が、現場でよくアドバイスする「もったいない項目」をピックアップしました。

1. ドラッグストアで買った「風邪薬・頭痛薬」

病院の処方箋だけでなく、ドラッグストアで購入した市販薬(治療目的のもの)も対象です。

  • 風邪薬

  • 胃腸薬

  • 鎮痛剤

  • 湿布薬

  • 目薬(治療用) ※ビタミン剤などの「予防・健康増進」目的のものはNGです。

2. 通院のための「交通費」

ここが最も見落としが多いポイントです。

  • 電車・バス代: OK(領収書がなくても、日付・経路・運賃をメモしておけば認められます)

  • タクシー代: 条件付きOK(急病や、深夜で公共交通機関がない場合など)

  • ガソリン代・駐車場代: NG(マイカー通院にかかる費用は残念ながら対象外です)

お子さんの通院に付き添った親御さんの交通費も対象になりますので、忘れずに集計してください。

3. 歯医者さんの「自由診療」の一部

  • 金歯・セラミック: OK(一般的な治療材料として認められます)

  • 歯列矯正: 条件付きOK(「美容」目的はNGですが、子供の成長阻害を防ぐなど「治療」が必要と診断されれば対象です)

  • インプラント: OK

4. その他、こんなものまで?

  • レーシック手術・オルソケラトロジー: OK

  • 不妊治療費: OK

  • マッサージ・鍼灸: 条件付きOK(国家資格者による施術で、治療目的である場合)


「セルフメディケーション税制」という選択肢も

「やっぱり集めてみたけど、家族合わせても10万円には届かなかった…」

そんな場合でも諦めないでください。 「セルフメディケーション税制」なら、対象の市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入額が年間1万2,000円を超えれば申告できる可能性があります。

  • ※通常の医療費控除との併用はできません。どちらか有利な方を選びます。

  • ※レシートに「★」マークなどがついている商品が対象です。


税理士 正垣からのアドバイス:今からでも間に合います!

「もうレシート捨てちゃったよ…」という方もいるかもしれません。

しかし、医療機関にかかった費用なら、病院の窓口で「領収書を再発行」してもらったり(有料の場合あり)、「領収額証明書」を出してもらうことで対応できる場合があります。交通費も、手帳やカレンダーを見返して、通院履歴と照らし合わせれば今からでも集計表(メモ)は作れます。

確定申告は、知っている人だけが得をする制度です。

「私のこのケースは対象になる?」 「医療費控除とセルフメディケーション、どっちが得か計算してほしい」

ご自身の判断に迷われたら、ぜひ私たち専門家を頼ってください。 面倒な計算や判定をプロに任せて、スッキリとした気持ちで春を迎えましょう。

はじめに:領収書の山を前に悩んでいませんか?

こんにちは、税理士の正垣です。

2026年2月12日、いよいよ確定申告シーズンの真っ只中ですね。 領収書の整理をしていると、ふと手が止まる瞬間がありませんか?

「この家族といった旅行、現地で仕事もしたけど経費に入れていいのかな?」 「カフェで仕事した時のコーヒー代とランチ代、どこまで落ちるんだっけ?」

YouTubeやインスタグラムでは「これらは全部経費です!」と断言するインフルエンサーもいますが、税理士の立場から言うと、その情報は半分正解で、半分は危険です。

今日は、税務調査で「これは経費と認めません(否認)」と言われないための、安全な経費の境界線について解説します。


1. 大原則:経費になるのは「売上につながるもの」だけ

まず、税金のルールにおける絶対的な基準をお伝えします。 経費にできるのは、「事業に関連し、売上を獲得するために必要な費用」だけです。

「プライベートな楽しみ」が混ざっている場合、そこには明確な線引きが必要です。


2. ケーススタディ①:家族旅行(ワーケーション)は経費になる?

例えば、家族で沖縄に行き、あなただけホテルでパソコンを開いて仕事をしたり、現地の取引先と打ち合わせをした場合。

× 全額経費 家族全員分の旅費や食事代を経費に入れるのは、完全にNGです。これは「家事費(プライベートな費用)」とみなされます。

△ 一部経費 あなたの「往復の交通費」や「宿泊費(ビジネスホテル相当分)」は、仕事の実態があれば経費にできる可能性があります。ただし、家族分の費用は完全に除外する必要があります。

【重要】税務署を納得させる「証拠」 単に領収書があるだけでは弱いです。以下のものを残してください。

  • 取引先とのアポイントメールの履歴

  • 現地で行った会議の議事録

  • 仕事をした成果物(その期間に作成したデータなど)

「ついでに仕事をした」程度では、否認されるリスクが高いので注意しましょう。


3. ケーススタディ②:食事代(ランチ・ディナー)の境界線

ここもよく質問されるポイントです。

① 一人でのランチ 基本的にNGです。 人間は仕事をしていなくても食事をするため、原則として「プライベートな支出」とみなされます。 ただし、「カフェで記事執筆の作業をするためのコーヒー代」であれば、場所代として会議費・雑費で認められるケースが多いです。

② 取引先との会食 これはOK(接待交際費)です。 ただし、高級すぎる店や、頻度が高すぎる場合はチェックの対象になります。

【重要】レシートに必ずメモすること レシートの裏、または会計ソフトの摘要欄に、必ず以下を記録してください。

  1. 誰と(相手の氏名・会社名)

  2. 何のために(商談、親睦、情報交換など)

これがないと、後から税務調査官に「誰といったんですか?」と聞かれて答えられず、経費から外される原因になります。


4. ネットの「裏ワザ」を鵜呑みにするリスク

最近SNSで「プライベートの食事も、仕事の話を少しでもすれば経費!」というような極端な情報を見かけます。

確かに理論上はそう主張できるかもしれませんが、税務署は「実態」を見ます。 売上規模に対して不自然に高い交際費や旅費交通費は、AIによる選定システムで異常値としてピックアップされやすくなっています。

数万円の税金を安くするために無理やり経費を計上し、数年後に税務調査で「過少申告加算税」や「延滞税」という罰金を払うことになっては、本末転倒です。


まとめ:迷ったら「第3者」に説明できるか?

経費の判断基準は、究極的には「税務調査官(第3者)に対して、これが事業に必要だったと堂々と説明できるか?」**に尽きます。

もし、「これはちょっと苦しいかな…」と後ろめたさを感じるなら、それは経費に入れないのが安全策です。

「自分のこのケースはどうなんだろう?」 「グレーゾーンの判断がつかないから、プロに仕訳をチェックしてほしい」

そのように迷われている方は、自己判断で申告書を提出してしまう前に、一度ご相談ください。 正しい節税で、気持ちよく2026年度のスタートを切りましょう!

はじめに

不動産を売却する際、税負担を大きく左右するのが「特例」の活用です。2026年現在、特に適用誤りが多い2つのポイントを解説します。

1. 空き家に係る譲渡所得の3,000万円控除

相続した空き家を売却する際、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。

  • 改正のポイント: 以前は「売主による耐震改修」が必須でしたが、現在は「買主が売却の翌年2月15日までに耐震改修または取壊し」をすれば適用可能になりました。

  • 期限の壁: 相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までという期限は厳守です。

2. 生前贈与の加算期間「7年」への延長

2024年(令和6年)から、生前贈与を相続財産に持ち戻す(加算する)期間が3年から7年へ段階的に延長されています。

  • 2026年時点では、まだ完全に7年遡るわけではありませんが、順次期間が延びています。

  • 「亡くなる直前に贈与して相続税を減らす」という手法は、以前よりもずっと早い段階から準備が必要になっています。

3. 住宅取得等資金の贈与

父母や祖父母から住宅購入資金を贈与してもらう際の非課税特例(最大1,000万円)は、2026年12月31日まで延長されています。こちらも「省エネ性能」によって非課税枠が変わるため、物件選びとセットで考える必要があります。


 

 

2024年の改正以降、マンションの相続税評価は「時価の6割」が最低ラインとなりました。2026年現在の実務において、特に高層物件を扱う際に避けて通れない「評価乖離率(ひょうかかいりりつ)」について解説します。

1. なぜ評価額が跳ね上がるのか

従来の評価額(相続税評価額)と、実際の市場価格(時価)に大きな差がある場合、その差を埋めるための補正が行われるようになりました。これにより、極端な節税が難しくなっています。

2. 評価乖離率の計算式

以下の計算で算出された数値が「1.67」を超える場合、評価額が引き上げられます。

【計算式】 評価乖離率 = (築年数 × -0.033) + (総階数指数 × 0.239) + (所在階 × 0.018) + (敷地持分狭小度 × -1.195) + 3.220

※総階数指数:総階数 ÷ 33(1.0を超える場合は1.0) ※敷地持分狭小度:建物1平方メートルあたりの敷地面積

3. 実務への影響

特に「築浅」「高層階」「総階数が多い」マンションほど、相続税評価額が以前の2倍以上に跳ね上がるケースが出ています。購入時の節税シミュレーションが数年前のものである場合、見直しが急務です。

2026年(令和8年)現在、住宅購入を検討されている方にとって、住宅ローン控除のルールは以前よりも格段に複雑になっています。「知らなかった」では済まされない、現在の必須知識を整理します。

1. 「省エネ基準」を満たさない新築は控除額が「ゼロ」に

最も注意すべき点は、省エネ基準に適合しない新築住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外(借入限度額0円)となっていることです。

  • ZEH水準・省エネ基準適合: 必須条件です。

  • 証明書の重要性: 確定申告時に「建設住宅性能評価書」や「住宅省エネ基準適合証明書」などの写しが不可欠です。

2. 世帯構成による「借入限度額」の格差

子育て世帯や若年夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下)への優遇措置が継続されています。

住宅の区分 子育て・若年夫婦 一般世帯
認定住宅(長期優良・低炭素) 5,000万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円

3. 年収制限の引き下げに注意

合計所得金額が2,000万円を超える年は、住宅ローン控除を受けることができません。以前の3,000万円から引き下げられた状態が続いています。高所得層の方は、繰り上げ返済のタイミングなど慎重な資金計画が求められます。

【ワンポイント】床面積の数え方

控除対象となる床面積は「50㎡以上」が原則ですが、所得1,000万円以下の世帯に限り「40㎡以上」に緩和されています。ただし、この面積は「登記簿面積(壁の内側で計算)」です。パンフレットに載っている「専有面積(壁の中心で計算)」より狭くなるため、境界線上の物件は特に注意が必要です。

 

こんにちは、税理士の正垣です。 全5回にわたってお届けしてきたスマホ申告ガイドも、今回でいよいよフィナーレです。

最後は、入力したデータを税務署に飛ばす「送信」のステップと、その後の大切な「保存」についてお話しします。ここを疎かにすると、せっかくの努力が台無しになりかねませんので、最後まで気を引き締めていきましょう!

1. 送信時の最大の壁:英数字の「長いパスワード」

入力がすべて終わり、「送信」ボタンを押すと、最後にマイナンバーカードを読み取ります。ここで必要になるのが「署名用電子証明書」のパスワード(英数字6文字〜16文字)です。

  • 注意点:5回連続で間違えるとロックがかかります。

  • 正垣のアドバイス:もし「絶対に思い出せない…」という場合は、無理に試行せず、その日は送信を諦めて「一時保存」を行い、役所でパスワードを再設定してから後日自宅で送信するよう案内しましょう。

2. 送信完了画面で「受信通知」を必ず確認

送信ボタンを押した後、「送信が完了しました」という画面が出れば一安心……ですが、まだ終わりではありません。

  • 画面上の「受信通知(納付区分番号通知)」を確認してください。

  • ここに「受付番号」が表示されていれば、無事に税務署に届いた証拠です。

3. 「控え」の保存を忘れずに!(PDFとデータの二刀流)

スマホ申告で最も多い失敗は、送信して満足してしまい、手元に控えを残さないことです。以下の2種類を必ずスマホに保存しましょう。

  1. 申告書控え(PDFファイル)

    • 銀行のローン審査や保育園の手続きなどで必要になります。その場で「ファイル」アプリや「ブック」アプリに保存するよう案内してください。

  2. 申告書データ(.dataファイル)

    • 来年の申告でこのファイルを読み込むと、住所や氏名、住宅ローンの情報などが自動で引き継がれます。「来年の自分のために保存しておきましょう」と伝えると、相談者の方に非常に喜ばれます。

4. 相談現場でよくあるFAQ

相談会で正垣がよく受ける質問をまとめました。

  • Q. 還付金はいつ振り込まれる?

    • A. e-Taxの場合、概ね3週間程度です。ハガキの代わりにマイナポータルに通知が届く設定も可能です。

  • Q. 納税はどうすればいい?

    • A. スマホ上で「スマホアプリ納付(PayPayやd払いなど)」や「クレジットカード納付」が選択できます。振替納税(引き落とし)を希望する場合は、別途振替依頼書の提出(またはオンライン提出)が必要です。

  • Q. 間違いに気づいたら?

    • A. 法定期限内であれば、正しい内容でもう一度送信すればOKです。最後に送ったデータが有効な申告書として扱われます。


最後に

全5回、お付き合いいただきありがとうございました。 スマホ申告は「習うより慣れろ」です。最初は画面の遷移に戸惑うかもしれませんが、一度マスターしてしまえば、これほど便利な道具はありません。

 

こんにちは、税理士の正垣です。 確定申告の目玉ともいえる「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」。税金が大きな金額で戻ってくる可能性があるため、非常に相談が多い項目です。

しかし、スマホ申告においても「入力する数字が多すぎて、どこを見ればいいかわからない」と立ち止まってしまう方が少なくありません。今回は、1年目の初年度申告と、2年目以降の手続きの違いを整理して解説します。

1. 【初年度】最大の難関は「書類の準備」

住宅を購入した最初の年は、スマホで入力する前に、手元に以下の書類が揃っているか確認しましょう。

  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書(銀行から届くもの)

  • 工事請負契約書 または 売買契約書(購入価格を確認します)

  • 登記事項証明書(床面積や居住開始日を確認します)

  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)

【正垣のアドバイス】 最近は、これらの書類をマイナポータル連携でデータ取得したり、スマホのカメラで撮影してPDFで送信したりすることが可能です。紙の書類を何枚も郵送する手間が省けるので、スマホ申告の強みが最も活きる部分です。

2. スマホ画面での入力フロー(1年目)

「控除の入力」画面から「住宅借入金等特別控除」を選択します。

  1. 居住形態の選択:新築、中古、増改築などを選択します。

  2. 土地・建物の入力:契約書や登記簿を見ながら、取得価格や床面積を入力します。

  3. 借入金残高の入力:銀行からの「残高証明書」にある年末残高を入力します。

  4. 特例の選択:ZEH住宅や省エネ住宅など、環境性能に応じた区分を選択します(ここが少し複雑ですので、証明書をよく確認しましょう)。

3. 【2年目以降】スマホなら一瞬で終わります

2年目以降の方は、会社員であれば年末調整で済んでいることが多いですが、他の理由(医療費控除など)で確定申告をする場合は、改めて入力が必要です。

  • 税務署から送られてくる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」

  • 銀行からの「残高証明書」

この2つがあれば、スマホ画面の指示に従って「現在の借入金残高」を入力するだけで完了します。

4. 住宅ローン控除の「落とし穴」

相談現場でよくあるミスが、「床面積」の勘違いです。

  • 壁芯面積(チラシの面積) ではなく、公法上の面積(登記簿上の面積) を入力する必要があります。

  • マンション等の場合、登記簿上の面積が「50平米以上」という要件をギリギリ満たさないケースがあるため、必ず登記簿謄本を確認しましょう。


次回予告:【送信・保存編】 いよいよ最終回です。e-Taxでデータを送信する際の最終チェックと、送信後の「控え」の保存方法、そして相談現場でよく受けるFAQについてまとめます。

 

こんにちは、税理士の正垣です。 確定申告の中でも「ちょっと難しそう…」と敬遠されがちなのが、株の売買や配当金に関する申告です。

最近は新NISAの影響もあり、特定口座での運用について相談を受ける機会が増えています。スマホ申告なら、お手元の「特定口座年間取引報告書」を見ながら、パズルを埋めるように進めるだけで完了します。

1. 準備するのは「特定口座年間取引報告書」

まずは証券会社から届く(または電子交付された)「特定口座年間取引報告書」を手元に用意しましょう。スマホ申告の「分離課税の所得」欄から入力していきます。

【相談現場の勘所】 「源泉徴収あり」の口座の場合、原則として申告は不要ですが、「他社との損益通算」や「損失の繰越控除」を受けるために申告する方が多いです。申告した方が得か、扶養から外れるリスクはないか、といった視点が税理士としての腕の見せ所です。

2. スマホ画面での入力フロー

「収入・所得の入力」画面の下の方にある「分離課税の所得」から、「上場株式等の配当所得・譲渡所得」を選択します。

  1. 口座情報の入力: 「特定口座年間取引報告書」の内容を入力する画面で、「源泉徴収あり・なし」を選択します。

  2. 配当と譲渡の紐付け: 「配当等を受け取っていますか?」「譲渡(売却)がありますか?」の問いにハイ/イエで答えます。

  3. 数字の転記: 報告書にある「譲渡損益」や「配当金の額」「所得税・住民税の源泉徴収額」を、スマホ画面の指示に従って入力します。

3. どっちがお得?「総合課税」vs「分離課税」

配当金については、スマホ画面で「総合課税」か「分離課税」を選択する場面が出てきます。

  • 総合課税(配当控除):所得が一定以下なら、配当控除を適用して税金が戻る可能性があります。

  • 分離課税(申告分離):株の売却損(譲渡損失)と相殺したい場合に選択します。

【正垣のアドバイス】 スマホのシミュレーション機能を使えば、どちらを選択した方が税額が安くなるか、その場ですぐに試算できます。相談者と一緒に数字の変化を見ながら、「こちらの方がお得ですね」と提案すると非常に喜ばれます。

4. 忘れちゃいけない「損失の繰越控除」

「去年は大損した…」という方は、過去3年分の損失を今年の利益から差し引くことができます。

  • 画面の指示に従って「前年分からの繰越損失」の項目に、去年の申告書控えにある数字を入力してください。

  • これを忘れると、せっかくの節税チャンスを逃してしまいます。


次回予告:【控除編】 次回は、これまた相談の多い「住宅ローン控除」です。1年目の初年度申告と、2年目以降の手続きの違い、スマホでのスムーズな入力方法を詳しく解説します。

こんにちは、税理士の正垣です。 前回は「準備」についてお話ししましたが、今回は実際にスマホ画面を操作する際のコツを解説します。

スマホ申告は非常に便利ですが、独特の「作法」があります。これを知っているだけで、入力時間が半分になり、イライラも激減します。相談現場でよくあるトラブル回避術も併せてお伝えします。

1. 鉄則:スマホ自体の「戻る」操作は厳禁!

スマホ申告で最も多いトラブルが、「入力したデータが消えてしまった」というもの。 その原因のほとんどは、ブラウザの「戻る(←)」ボタンや、スマホの画面端をスワイプして「戻る」操作をしてしまうことにあります。

  • ルール:必ず画面内にある「戻る」ボタンをタップして移動する。

  • 理由:ブラウザ自体の戻る機能を使うと、システム上のセッションが切れてしまい、入力内容が保持されないケースがあるためです。

相談者の横で「画面の中にあるボタンを使ってくださいね」と一言添えるのが、プロの技です。

2. 驚くほど正確!「源泉徴収票」はカメラで撮るだけ

今回のスマホ申告の目玉が、「給与所得の源泉徴収票」のカメラ読み取りです。手入力の手間が省けるだけでなく、数字の打ち間違いも防げます。

【操作の流れ】

  1. 収入・所得の入力画面で「給与所得」を選択。

  2. 「カメラで読み取る」ボタンをタップ。

  3. 源泉徴収票の全体が写るように撮影(またはフォルダから選択)。

【きれいに読み取るコツ】

  • 平らな場所に置く:手に持って撮影すると歪みが出てエラーになりやすいです。

  • 影を入れない:照明の真下だとスマホの影が入りがち。少し斜めから光を当てるときれいに撮れます。

  • 赤枠に合わせる:画面に表示されるガイドの枠に合わせてシャッターを切ります。

もし読み取りエラーが出ても、そのまま「直接入力」に切り替えられるので、まずは一度試してもらう価値ありです。

3. 入力漏れを即座に知らせる「エラー表示」

画面を進める際、「次へ」を押しても進まないことがあります。その時は画面上部を見てください。

  • 赤い帯が表示されたら:入力に不備があるサインです。

  • 自動スクロール:エラー箇所まで自動的に移動してくれるので、赤枠で囲まれた部分を修正すればOKです。

4. 命綱!「ここまでの入力内容を保存」

スマホは、電話がかかってきたり他のアプリを開いたりすると、ブラウザがリセットされることがあります。

  • 対策:画面下部にある「ここまでの入力内容を保存」ボタンをこまめに押しましょう。

  • メリット:万が一画面が消えても、保存したデータ(.dataファイル)から、前回の続きから再開できます。


次回予告:【投資編】 次回は、いよいよ複雑な「上場株式の配当・譲渡所得」の入力手順です。特定口座年間取引報告書のどこを見て、スマホのどの項目に入力すればいいのか、正垣が分かりやすく紐解きます。

 

こんにちは、税理士の正垣です。いよいよ確定申告の季節ですね。 「スマホで確定申告ができる」と聞いて、いざ挑戦しようとしたものの、最初の設定でつまずいてしまう方は少なくありません。

実は、スマホ申告をスムーズに終わらせるコツは「入力」ではなく「準備」にあります。今回は、相談会でも真っ先に確認する「スマホ申告の土台」を解説します。

1. 申告ができるスマホの環境をチェック!

スマホ申告は、どのブラウザでも良いわけではありません。以下の推奨環境でないと、エラーが発生して進めないことがあります。

  • iPhoneの方

    • OS:iOS 17.7 / 18.2 以上

    • ブラウザ:Safari (最新版)

  • Androidの方

    • OS:Android 13 / 14 / 15 / 16

    • ブラウザ:Google Chrome (最新版)

【アドバイス】 アプリ内ブラウザ(LINEやYahoo!アプリから開いた画面)では正しく動作しません。必ずSafariかChromeの「ブラウザアプリ」を直接開いてアクセスしてください。

2. マイナンバーカードと「2つの暗証番号」

スマホ申告(マイナンバーカード方式)には、カード本体に加えて、設定した暗証番号が必要です。

  1. 利用者証明用電子証明書(数字4桁)

    • マイナポータルへのログインや、カードの読み取り時に使用します。

  2. 署名用電子証明書(英数字6文字〜16文字)

    • 申告書を最後に「送信」する際、本人確認として必要です。

【注意点】 数字4桁は3回、英数字の長い方は5回連続で間違えるとロックがかかります。ロック解除には市区町村の窓口へ行く必要があるため、事前に確認しておきましょう。

3. 「マイナポータル連携」で入力を自動化する

「スマホ申告は大変そう」というイメージを変えるのが、この自動入力機能です。マイナポータルと連携させることで、以下のデータが申告書に自動で反映されます。

  • 給与所得の源泉徴収票

  • 公的年金等の源泉徴収票

  • 医療費通知情報

  • ふるさと納税(寄附金受領証明書)

  • 生命保険・地震保険の控除証明書

  • 上場株式等の配当・譲渡所得(特定口座年間取引報告書)

  • 住宅ローン控除関係書類

これらを1つずつ手入力する必要がなくなるため、入力ミスを大幅に減らし、時間を短縮できます。

4. 途中でデータを消さないための「操作の掟」

スマホ操作に慣れている人ほど陥りやすい罠が「ブラウザの戻るボタン」です。

  • 画面内の「戻る」ボタンを使う:スマホ本体のバック操作やブラウザの「←」ボタンで戻ると、入力内容が消えてしまうことがあります。必ず画面下部のボタンをタップしましょう。

  • こまめに「保存」する:操作中に電話がかかってきたり、中断したりする場合に備え、画面下部の「ここまでの入力内容を保存」から、こまめにデータを保存する習慣をつけましょう。


次回予告:【基本操作編】 次回は、源泉徴収票をカメラで撮るだけで入力が終わる「カメラ読み取り機能」のコツと、実際の入力画面の進め方について詳しくお伝えします。