休業前最後の長文記事です(数日後は挨拶記事のみアップ予定です)。

 

引越しの荷造りはこれからなのですが・・・はあ・・・面倒だ・・・。

来週引越し、来月にもまた別の所に引越しと、

二段階で引越しがあるのが老体にはきついところです。

 

 

 開業15年目での振り返り

 平成21年開業でして開業15年目です。来週から休業に入り、1年後の休業明けは無事修習が終われば汗うさぎ弁護士兼社労士となるので、これまでを振り返るには良いタイミングではないかと思い、

振り返ることにしました。

 

障害年金社労士業界の変化

平成23年頃に、某士業コンサルティングが、「社労士よ、障害年金で稼ごう」

(文言は違いますが、内容的にはこんな感じ)と大々的に打ち出し、様変わりしました。

 

その時期まで商売っ気たっぷりのギラついた人がおらず、

受給権獲得のために汗水流すのが通常で、

みんなそうしているのを知っているから同業者内では助け合いの精神、

と、割と平和な業界だったように思います。

 

しかし、障害年金社労士がそこから数年で10倍以上(←数字テキトーで感覚的)にどかんと増え、

それに伴い、ネット上の広告合戦となりました。

障害年金広告をたくさん打ち出す社労士が増えたことで、一般の方の障害年金制度の

認知度は上がった、また、障害年金社労士が増えたことで依頼する側も選択肢が増えた、

というプラスの側面もあります。

 

 

他方、マイナスの側面は以下2つ(もっとあるかも)だと考えます。

 

 

一つはネットで集客するために、

インパクト重視の倫理スレスレ(というかアウト?)の

ホームページが増えたことで、障害年金社労士の世間的地位が下落。

 

 

もう一つは、ネット集客中心の社労士は広告費をたくさん投じる必要があり、

報酬相場が従前に比べて十数万円~数十万円アップしたのです。

 

(ちなみに、私はホームページ作成費用も安いし、いわゆる

リスティング広告しておらず、メインは紹介経由です。)

 

また、以前は認定基準が整備されておらずここ10年で段階的に見直しがされて

整備されました。

たとえば発達障害は認定基準に明記がなく、

発達障害では障害年金がもらえない県がありました。

茨城県ももらえない県でした。

このように、以前は、不服申立てまで争う必要がある事案が多かったのです。

 

さらに、以前は障害年金社労士が少なく、他県のご依頼者も多く、そのため社労士が

他県まであちこち移動することも多かったです。

 

それに比べて、現在は、認定基準がそれなりに整備され、また電話やメールで完結する社労士も増え

彼らの社労士の負担(時間的拘束)は以前よりも減ったので、

それを加味すると、実質的な報酬の値上げは以前の2倍近いんじゃ・・・と思ったりします。

 

そのため、依頼する側の経済的負担が増えたというマイナスの側面があります。

 

 

自分の事務所について

廃業しないでなんとかここまで事務所維持できました。

 

人件費ゼロというのは大きいです。特に私はやりたいとこ(司法試験受験)があったので

従業員さんを雇っていたら、仕事を継続的に獲得しないといけないので、

合格が叶わなかった可能性もありえるかなと。

 

あと、夫が開業税理士というのももちろん大きいです。

私の顧問先はほぼ夫経由です。

 

障害年金は上述のとおり、紹介経由が多くなりました。

同業者は受任件数(年間の受任件数や累積受任件数)や受給率をカウントしているようですが

私はやっていません。

 

以前、証券アナリストという職業に就いていてひたすら数字を追うことばかりやっていまして

あれを自分の事業のことでやったらたまんないなと。

 

当然、件数を増やせば売り上げが伸びるし、

1件当たりにかかる時間を減らせばより多くの件数を受任できるし、

受給が困難なもの(不支給になりそうな案件)を受任しなければより売り上げが伸びるし。。

 

 

ってなにが楽しいんだ、これ!と思ったりするのです。

 

とりあえず、週休5日で暇すぎ~というのでなければ

売上げは年1度の確定申告の時だけの把握、件数は全く無視、の

マインドの方が、受任した1件1件集中できる、そう思って続けてきました。

 

 

受験の産物

司法試験予備校では、「失うものも大きい試験です」とは最初の頃言われましたが、

まあ、それはあってますよね・・・ネガティブ

 

失ったものは、相当に費やした勉強時間(障害年金受任の機会ロスともほぼ一致)、

あとは、予備校講義代と書籍代でしょうか(こっちはたいしたことない)。

受験期間にご依頼を相当数お断りしてしまい、本当にすみませんでした・・・。

 

 

ちなみに、試験の難易度ですが、予備試験を100とすると

あくまで私の私見(←これ大事)ですが

 

予備試験   100

司法試験   30

社労士試験  5

 

 

こんなところでしょうか。

向き不向きの問題も多大にあります。

予備と司法の間にここまでの差異がないと考える人の方が多いようにも・・・。

予備試験よりも司法試験の方が問題自体は難しいのですが、

予備試験の方が精度が求められ、司法試験の方が自由度が高い、

予備試験は問題数が少ないので大コケしがち、司法試験は他の設問で挽回可能、

そういう違いの感想を持ちました。

各人で感想は異なると思うのであくまで私見(←批判避けるため繰り返す)ね!!

私の出身大学は横浜国立大学経済学部で、大学受験は大昔なので忘れてしまいましたが

難易度は司法試験の上、予備試験の下、でしょうか。。。

 

 

得た物は、いまのところ、まだ何もないのですが

(しいていうならば、周囲に合格を祝ってもらったことでしょうか)

弁護士になって、社労士ではできなかった障害年金訴訟代理で、受給権獲得に努めたいと思います。

 

 

また他に得た物としてひねり出すとすれば、多少なりのバランス感覚でしょうか。

司法試験勉強開始すると、憲法や行政法の科目で

行政側を勝たす論文を書くこともあるので、

当然にやみくもに「行政は悪だ!!」といった考えにもならず

(以前だって、障害年金行政以外はそう思ってはいなかったのですが昇天

以前より、よりバランスのとれた考えができるようになった気がします。

一応、司法試験予備校塾長によると

「バランス感覚がない人はいつまでも司法試験合格しない」とのことでそれも根拠に。

 

 

合格後のここ数ヶ月

合格後に会いたい人にはほぼ会えたかな、と思っています。

受験期間、コロナも相まって、いかにお客様や夫・夫の従業員さん以外、

ほぼ人と会っていない生活だったか。。。

特に労務系社労士の方々と多く会えたのが良かったです。

地元の社労士の人・・・みんな良いひとばかりなんだが・・・と思いました。

社労士の資格はずっと残す予定なので(会費払うのが辛くなったら検討しますが・・・)

労務系の社労士の研修も今後も参加したいと思いました。

ちなみに弁護士になって、労務・労働問題はやらない予定です。

じゃ、障害年金のためだけに弁護士目指した?と同業者の方には驚かれたりします(笑)

 

 1年後以降

あと仕事は15年~20年くらいやるのかなと。

社労士開業のときに国民年金基金に加入したのですが、

そのときにいろいろなプランがあり基金担当者に相談したら、

社労士は女性の方が男性より引退が早いとのことでした。

まあわからなくもないけれど、私自身は趣味がないので

引退したら何して過ごせば良いのか分からないから、

せめて仕事で世の中の役に立てばいいなと、頭と体が動ければ

20年以上やるかもしれません。

 

 

以前も書いたけれども、

障害年金社労士から弁護士になるのはおそらく私が日本初かなと。

(すでにいらっしゃったら訂正します)

 

 

上述の障害年金ブームもあり、社労士のみならず、弁護士でも

障害年金裁定請求に参入する方もホームページで散見されますが、

おそらく、その弁護士さんは障害年金が主力業務ではないだろうと思います。

障害年金は認定基準やら通知やらたくさんあり、主力業務にしないと、

一件につき時間ばかりかかってしまい

そうなると弁護士さんの他の業務(相続、離婚、企業法務、債務整理等々)が

おぼつかなくなるからです。

 

なので、障害年金弁護士としても私ほど裁定請求の件数をこなした人はいないのではないかと思います。

裁定請求を多くやると、相場観しかり、認定基準や通知・通達自体の問題点や

運用の問題点、そういったことも多く感じることができるのではないかと思います。

そういった利点をいかし、障害年金裁定請求のみならず、障害年金訴訟代理をやっていきたいと思います。

 

 

 障害年金制度の今後

 

2025年法改正(法案成立で施行はさらに先?)について。

障害厚生年金初診日加入要件の緩和が議題に上がっていますが、

この時期にこれを急いで改正せず、

そもそもの障害基礎年金と厚生年金との差異の問題や

他、障害ごとの差異(目的条項との関係においても)と激変緩和措置、

そういったものを一切合切、年単位で見直ししてほしいなと思ったりします。

 

 

「私が生きている間に障害年金の地域差が変わることはない」と思っていたのに

それが変わったのだから、大がかりな改正についても、諦めずに

今後も変わっていくのではないか、そういう期待も持っています。

障害年金訴訟活動を通じて、現行の問題点を投げかけることもしていきたいです。