何十人かに合格のご報告したのですが、

 

「司法試験」というとピンとこない人もいて、

弁護士になるための試験というと、あ、そうなの!となる方もいました。

 

司法試験に合格⇒司法修習終了⇒法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)になることができます。

 

 

 

さて、11月20日のブログで、弁護士目指した動機を書いていきました。

 

障害年金不服申立ての内容に疑問があるから、

弁護士になって、障害年金訴訟代理をやりたいと。

 

 

ただ、さらに根底の部分として、弁護士を目指した動機というのが

以前の障害年金認定の地域差の不満にあると自分では考えています。

 

以前は、障害基礎年金は都道府県単位で審査されており

地域差があると多数の社労士間では認識されていました。

平成27年マスコミで報道で地域差がある実態が公にされ、

その後、厚労省内での複数回の会合を経て、

現在の、全国全ての請求が東京での一括審査へ変更となり、

地域差は解消されています。

 

その、以前の都道府県単位の審査において、

私の業務エリアである茨城県は、実に全国2位の不支給率だったのです。

 

厚労省の資料によりますと↓

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12501000-Nenkinkyoku-Soumuka/0000075332.pdf

 

たとえば、ここの16ページ(資料としては14ページ目)、

茨城県・精神障害・知的障害の平成22年の不支給率は、35.5%です。

他方、全国平均は、10.7%です。

不支給率0.0%の県もいくつかあります。

 

このような大量の不支給の処分が、当時の茨城県でなされていたのです。

あまりにおかしい、毎日毎日怒りをおさめるのが大変でした。

 

 

私が裁定請求から受任した案件については、

最初の契約時に、

「茨城県の審査がおかしいからおそらく不支給決定になるけれども、

不服申立てで覆ることが多いし、

追加の着手金なく私は不服申立てをやるから、ついてきてほしい」

とご説明していました。

なので、依頼者(年金請求者)の

不支給決定になった場合のある程度の絶望を軽減させることができたように思います。

 

 

しかし、ご自身で裁定請求した方々にとっては、

もう何年も寝たきりの状態なのに、

それでも障害の程度が軽い(として不支給)と国に扱われるのかと、

絶望の淵に立たされてしまいます。

不支給処分に対する不服申立てのご依頼があった方々の悲痛な面持ちをみると、

いったい、日本年金機構はなんてことをしてくれるんだと、

怒りの持っていきようがありませんでした。

 

 

そのとき、弁護士を目指そうかと考えました。

 

 

不服申立てで覆って、障害年金が受給できた方が多数だったのですが、

覆らないこともあるにはありました。

この案件、他県だったら裁定請求から受給できているのに・・・

このような住んでいる地域によって受給か否かが分かれるような制度、

行政でなんとかならないのであれば、司法で訴えるしかないと。

 

以前読んだ本↓で、行政の制度変えるには、

政治、マスコミ、裁判だと感じ、

消去法で自分ができることとして、最後の裁判が残りました。

 

 

当時、弁護になるための試験、つまり司法試験受験資格を得るルートとして

法科大学院(ロースクール)と、予備試験がある、ことがわかり、

 

ただ、仕事しながら行ける夜間ロースクールだとどこも家から通うのが難しい。。。

筑波大ロー(@大塚)や日大ロー(@水道橋)だと、

通えなくないのかもしれない、と思ったりするけれど

乗り物酔いが激しい私は都内通学週2日が限度で週5日も行くなんて

無理すぎる・・・・。

 

では、もう一つの予備試験。これは、というとめちゃくちゃむずかしいらしい。

この一般教養問題なに?

 

↓たとえば、私が合格した令和4年予備試験一般教養短答です。文系社会人はビビります。

 

ということで、

断念してしまったのです。

そうこうしているうちに、前述の通り、地域差解消となりました。

 

 

茨城県のおかしな認定に不服申立てで戦ってやるぜ~ムキーッ

として、何年も過ごしていた私は、安堵する一方、燃え尽き症候群的な感じにもなり・・・。

他方、まだまだエネルギーが余っているかもしれない、

このさき、おそらくあと20~30年近く仕事するだろうから、

さてどうしたもんかな・・・と思っていました。

 

 

ふと、障害年金を振り返ると、おかしいと感じるものがまだ残されており、

そのなかで自分で解決可能性があるのは、不服申立てではないかと。

特におかしいのは、最近の第二審(再審査請求)の結果(社会保険審査会による裁決)。

裁決の内容を私が社会保険審査会に対して改善させるというのはできないけれど、

おかしな裁決に対して、訴訟で争うことはできる、

そして、補佐人ではなく、代理人として争いたい。というのが

ずっと胸にくすぶっていました。

 

 

 

そんなある日、本屋さんでぶらぶらしていたところ、

司法試験予備校塾長の、弁護士伊藤真先生の本が表紙を見せた陳列で並んでいたのですが、

その1冊が光り輝いて浮いていたように思い、手に取り購入。

 

 

 

そこからまもなく東京の伊藤塾校舎近くで仕事の用事があり、

先日の、本が光り輝いていたのは何か運命かもしれないから、

講座の案内の説明を聞きに行ってみるか、と伊藤塾に立ち寄ることにしました。

 

司法試験対策講座についてお聞きしたいのですが、

と、伊藤塾でスタッフの方に話をかけ・・・

そこから、なぜ私が弁護士になりたいかを一方的にしゃべってしまいました。

 

そうしたら、対応して頂いた女性スタッフの方が

「え・・だったら、弁護士目指した方が?」と仰り

それに対し、私が「いやでも年齢的にいまさら・・・」と返したら

女性スタッフの方が「いやそんなことは・・・?」と首をかしげてました。

その態度ももしかしたら講義を申込みさせるための営業なのかもしれませんが

あまりに自然な反応であるため、

え・・・そうなの?と動揺してしまいました。

 

 

年齢的に無理だ、仕事しているから勉強時間がとれないのに難関資格なんて、といった

司法試験を目指さない言い訳をあれこれこしらえて、

結局、自分で自分の限界を決めていて、

楽な方に逃げていたのだと感じました。

それなのに国に対して文句ばかり言うって、ダサすぎるだろ、自分。

 

 

 

それに気づいた一瞬で、弁護士を目指すことを決意しました。

複数ある司法試験対策講座の中のどの講座にするかについて

検討するためにその場では申込みしませんでしたが、

えい、もういいや、仮に一生合格できなかったとしても

弁護士目指さないという選択をした人生のほうが、晩年後悔しそうだから、目指すんだ、と。

そして数日後に司法試験受験通信講座申し込みました。

 

 

 

以降、受験時代はとても苦労しました。。。

仕事最優先、勉強二の次なので、

多忙な仕事のため1週間全く勉強できないときもあり、

そうすると「完全に全て忘れてる!」と焦りました。

受験歴なども踏まえ、また、機会あれば追々書くかもしれません。

辛い思い出が多く、受験終了から日が経ってない今の段階では

まだ、思い出したくない、そんな気持ちです。

 

法律の勉強が楽しかったから合格するまで続けられたようなもので、

前述の意気込みはどこ行ったと思われるかもしれませんが、

障害年金訴訟やりたいの動機だけでは続かなかったように思います。

 

だれかのためにならば頑張れるかもしれないですが

自分のため、というのがあまり頑張れない性格なのかもしれないと思いました。

弁護士になるというのも究極的には将来の依頼人のためなのですが、

具体的な顔が見えない誰かのためというのは、踏ん張りがきかず・・・

受験期間は、悪戦苦闘の日々だったのでした。

 

 

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以上が、弁護士目指した経緯です。

そして、以下は受験にまつわる余談です。

 

昨年、令和4年予備試験論文試験の5日後に、14年4ヶ月飼っていたうさぎうさぎ

体調が急変し、さらにその5日後になくなりました。。。

うさぎの平均寿命7~8年のところ、倍近い14年も生きたので

亡くなって悲しいというよりも、

今まで長い間、癒やしの存在になってくれてありがとうという気持ちでした。

ですが、うさぎ自身が、私の受験勉強の邪魔にならないように気を遣って

試験前には体調が悪くならないようにして、試験が終わってから体調急変したのかな、

と思い、そこに関して感傷的な気持ちになりました。。。

 

 

 

さらに余談(というか今、思っていること)です。

 

 

おそらく、私が日本初?の障害年金社労士からの弁護士、になるのではないかと

思っています(私調べ。違っていたら訂正します)。

ちなみに、私は顧問業務もやっているのですが、顧問数は少なく、

業務時間や売り上げ比率は障害年金の方が圧倒的に上なので、

障害年金社労士、といわせていただいております。

 

日本初、といえどプレッシャー感じることなく、

自分がやりたい道を進みますが、

多少は、職業的責任を果たすようなことをしたいと思っています。

 

障害年金訴訟代理を経験したら、勝訴敗訴にかかわらず、

障害年金社労士に還元したいと思っており、

数年先のいずれかのタイミングで裁判例検討会を開催したいと思います。

都内で、無料または低額で。

ただ、このことを忘れていたり、急に面倒になったり、

他のことで精一杯だったりの場合、開催がないかもしれませんことご了承ください。

そのときは、開催してよ~と、お声を頂けたら動けるタイプの人間です。