さてさて宣言通り今日から月に1回、こちらで色々なテーマでコラムを書いていきたいと思います。

 

というわけで、まずは下の記事をご一読くださいませ。

 

 

 

上記添付の記事は2017年10月26日、朝日新聞夕刊にて当時の演芸担当の山崎記者が書いてくださった記事です(ご本人様に掲載許可いただきました)

 

生寿の会という明記はありませんが、2017年6月に繁昌亭夜席で10周年の会で「ねずみ」をかけたのは世界中で私だけですので、この記事は私の事でいいと思います(笑)

(ちゃんと山崎さんに確認とりました)

 

本当に素晴らしい記事を書いてくださいました。多くの先輩噺家さんからも「良い記事書いてもらったなぁ」とお声掛けいただきました。山崎さんありがとうございます。

 

これは明確に覚えております。

 

鳴った時に最初に思ったのは「よりによってここかい!」でした。

 

前後30秒どちらかにズレていればさしたる影響はなかったです。一番ネタの中で静かなところだったので目立ってしまいました。

 

ただこのぐらいの事でへこたれる私ではありません、そんなやわではありません。

 

10年間でネタの最中に携帯が鳴った事は数知れず、酔っ払いが喧嘩しだした事もあれば、お客様が椅子から転げ落ちた事もありましたし、途中退席、急病、高座の崩壊(これが1番ビックリした)、様々な経験を積んできました。その中で演者がそれでとまどってはいけない、堂々と話していればお客様は自然にこちらに戻ってきてくれる、という事を学びました。ですので私自身は気にせずにお話しをしておりました。

 

しかしこの時、驚き嬉しかったのがお客様が「携帯が鳴った事で雰囲気が潰れちゃダメだ!私達が気にせずにネタを聞くぞ!」という空気を出してくださった事です。

 

これは大感激でした。

 

私は何と素晴らしいお客様に恵まれたのだろう、と喜びを噛み締めながらオチまでお話しさせていただいたのを覚えております。

 

落語会はお客様と噺家の双方の落語を楽しみたい!という気持ちがガチっと合った時に良いものになると思っております。

 

終演後に多くの方から「携帯なったけど気にせずに話してくれて良かった」とお声かけいただきましたが、いえいえ、それは私が皆様にお伝えしたかったです。

 

もちろん携帯が鳴らない方が良いのは当たり前ですが、鳴ったとしても双方の気持ち次第で何とかなるとも思いました。

 

落語会によくいらしている人でも携帯を鳴らしてしまった事がある方もいらっしゃると思います。

 

携帯電話というものがある以上、人間誰しもうっかりはありますのである程度は仕方がないとも考えています。

 

ひょっとしたら携帯が鳴ってしまって気まずくなり、落語会に行きにくくなった、みたいな方もおられるかもしれませんがそこまで気にしていただくても大丈夫です(これは個人により差異がありますが…)


ただ、終演後でも後日でも機会があれば噺家に直接「鳴ってごめんなさい」と言っていただければ有り難いです。少なくとも私は「いえいえ、気になさらないで下さいね」とお伝えしますし、その方が双方スッキリする様に思います。そして次回以降、より確認をしてもらえれば良いだけです。


記事の最後に書いてくださっている、


『自らの全存在を賭けて舞台に上がる噺家たちは少なくとも、観客を信じているはずなのだから』


は、まさにその通りです。


私はお客様を信じています。


もし私が落語をしている時に携帯が鳴ったとしても皆さまが支えてくださる、と信じています。


これからもより良い信頼関係を築き素晴らしい落語会が出来れば幸せであります。


皆さま今後ともよろしくお願いします。


でも「たちぎれ線香」やっててサゲ前で携帯鳴ったら心折れるかも。


………。


……。


…。




「たちぎれ線香」しないけど。



…皆さま、携帯電話の電源はOFFでお願いします。