
こちらが入手したばかりの状態ですが、くすみがひどくトゥは傷だらけです。
ケアせずにこのペアを履いて出かけるのは躊躇われるコンディションですね。
先ずは表面の埃をおとすためにブラッシングを行い、固く絞った雑巾で拭き上げた後、頑固な汚れはステインリムーバーで落としてやりました。
写真を撮るのを失念したのですが、雑巾は一瞬で染料のバーガンディと汚れの混じった濁った茶色に変色しました。
ステインリムーバーを染み込ませたコットンに関しては、雑巾がけをした後にも関わらず真っ黒に。

その結果がこちら(上写真)、当初の状態からは見違えるような変貌を遂げました。
ただ、写真ではご覧になれないかもしれませんが、擦れ傷が比較的目立つ状態でした。
水分で一度起毛させてから再度寝かしつけることで傷を目立たなくは出来ないかということで、当初の予定通り丸洗いを決行です。
ここで、
①うちではおしゃれ着は中性洗剤エマールで洗う
②コードバン靴はおしゃれ着
③コードバン靴はエマールで洗う
という無理のある三段論法のもと、革靴洗いで一般的に用いられるサドルソープではなく、エマールで洗うことにしました。
50度のお湯を用いたのも、なんとなくお湯のほうが汚れが落ちるのではないかという浅慮によるものです。
(給湯温度はもっと上げられましたが、60度で製靴の際の接着剤が溶出するとの情報を見た記憶があったため、この温度設定にしました)

こちらは前回の記事 でもご紹介した「コードバン水没する」の図です。
この後、浮き出た染料、汚れ、埃でお湯がウーロン茶のような状態に。
小一時間漬け置きした後、ダイソーで購入したソフトな靴洗いブラシで泡立てながら擦り洗い。

結果は、前回 も掲載した上写真の状態です。
汚れはすっきり落ちたような気はしますが、コードバンの繊維が起き上がり艶は皆無に。
ここから、半乾きの状態でデリケートクリーム、コードバン用クリームを入れていきます。
その後、馬毛ブラシで丁寧に磨き上げた状態が上写真です。
アビィレザースティックでハードに擦って繊維を寝かしつける必要があるかと思いきや、傷があった部分以外はブラッシングのみで輝きを取り戻してくれました。
パッと見では傷だらけだったことが分からない程度まで回復したように思います。
それでは、一連の流れをgifアニメーションでご覧ください。
如何でしょう。
後半に向かうにつれ光を反射している面積が増大していることが見て取れるでしょうか。
以上、今回のビフォアアフターの中間報告でしたが、このペアには課題が2つ残っています。
①左右の色味が大きく異なる。
②左足履き口にコードバンの裂けが見られる
という点です。
素人が対応するには荷が重いためプロにお願いすることも検討しています。
後日、続報をお知らせ致します。