新日本プロレスというプロレス団体の恒例の一大イベント「1.4 東京ドーム大会」が来年年明けも例年通り開催されるようで、集客のためにテレビでそれに関するCMを流したり特番を幾つか組んでいて、今年は熱の入り方が例年以上じゃないかと思える。で、次回の大会の目玉は、長らく団体のエースを務めてきた棚橋弘至の引退試合と元柔道家ウルフアロンのデビュー戦のようだ。
ウルフアロンは、これまで柔道家として大活躍し、オリンピックでも金メダルを獲得するなど、輝かしい経歴を持つ。それが、柔道を引退し、その後プロレスに転向する事になり、1.4の大会でデビューする事になった。1.4 東京ドーム大会は一大イベントなので、団体所属選手全員が出たいと思っている。でも枠数は決まっているので、全員の夢は到底しっかりとは叶わない。なので、そこに新人のために貴重な枠を割いて試合を組むなんて、まずあり得ない。なのに、デビュー戦が組まれる。いかに団体から期待されているかという証左と言えよう。
で、デビュー戦の相手は、「キング・オブ・ダークネス」というキャッツコピーを持つEVILというヒールレスラーで、現在新日マット上で反則を駆使して暴れまくっている。EVILは、そのファイトスタイルは眉をしかめられる事が多いけど、基本的に技術も実力もある中堅選手で、現在「NEVER無差別級王座」についている。そんな彼となぜ試合する事になったのかというと、ある日、そのダーティファイトっぷりがリングサイドで他の練習生同様下働きをしていたウルフアロンの目に余って、思わす体が動いてしまい、EVILに立ち向かった。これがきっかけだ。
そんな過程の中、ちょこっと気になるのが、この次の大会でのウルフアロンの試合結果がどうなるかなんだけど、筆者は、何であれ相当美味しい試合だと思えるのだ。というのも、ウルフアロンは次の試合、勝っても負けても、どちらでも良いと思えるのだ。次回の試合では、NEVER無差別級王座をかけた王座戦となっていて、当然勝つに越した事はない。勝てば、賛辞だけじゃなくベルトまで手に入る。でも、実力的に負けても普通だし、試合中にしっかり良い動きを見せて、EVILを幾らか追い詰めて、EVILお得意の所属ユニット選手達の乱入とかの反則攻撃を受けて、攻勢だったのがひっくり返されて負けたなら、ウルフアロンの評価は下がらない。負けても、「一対多を新人にやる卑怯さはないわー」と同情されるだろうし、それを引き出すまでに至ったウルフアロンの実力は多くの人に認められ、今後の活躍が期待されるだろう。
欲を言えば、いきなり自分のオリジナル必殺技を繰り出して勝つって事だ。それは絞め技なんていかがだろうか?『一本締め』って名前の。それがどんな形かは、分からないけど。あとは、『STU』という、大外刈りっぽい技で勝つのも良いかも知れない。EVILもそういう必殺技を持っているから意趣返しにもなるし、それに、昔実績を積んだ柔道家からプロレスへ転身して活躍した小川直也が必殺技にSTO(スペース・トルネード・オガワ)を使っていた事のオマージュになるし。
で、逆に考えると、ろくに動けず、ずっと守勢で、反則がないまま負ける・・・ってのだけは避けなきゃいけない所だろう。EVIL的にも、反則を一切使わず、ウルフアロンを力でねじ伏せたなら、期待されたウルフアロンを潰す、ヒールとしての一番のやり方となるであろう。あ、大ケガさせるのは、違うと思う。ま、それが現実とならないよう、ウルフアロンは今日も練習に励んでいるんじゃないだろうか。
というわけで、1.4の大会でウルフアロンがどんな試合をできるのかが楽しみで、今日から心ワクワクで寝られなくなりそうなのだ。