2. 事件の発端
正圓寺と老人ホーム
「正圓寺」の元住職で代表役員でもあった「辻見氏」は、寺の土地を利用して特別養護老人ホームを建てようとしました。自身が理事長となって「社会福祉法人聖天福祉会」(以下「社会福祉法人」といいます)を設立した上、家賃収入を得て、寺の収益の改善を図ろうとしたのです。
「辻見氏」が理事長の「社会福祉法人」は、平成30年3月に建設会社と工事代金約12億円の工事請負契約を締結。当初の運営費用約1億円を含めた合計約13億円の資金調達について、「社会福祉法人」は大阪市からの補助金(約3億7千万円)や、他の金融機関等からの借入金を見込んでいました。
平成30年3月時点で大阪市の補助金が決定、4月に工事が始まり、5月に大阪市からの補助金がまず約371万「社会福祉法人」に振り込まれ、建設会社に支払われたようです。しかしその後、「辻見氏」の不正が発覚したのです。
「辻見氏」は大阪市からの補助金を受けるにあたり、信用金庫の「社会福祉法人」口座の残高証明を偽造しました。この不正が判明し、補助金交付の決定は取り消されてしまったのです。その後、建設会社に対する工事代金支払いはまったくなく、建設会社は平成30年11月に工事を中止。建設計画は頓挫しました。
建設会社に対して多額の未払いが発生し、後に建設会社と調停和解し確定した返済額は約4億4千万円だったそうです。「正圓寺」の財政状況は更にひっ迫し、「社会福祉法人」も補助金の返還を求められ、大変困った状況に陥ったようです。
「辻見氏」は、大阪市からの補助金申請の文書偽造の責任を追及され、補助金の返還を行わなければ告訴される状況に陥りました。令和元年2月には、「社会福祉法人」の口座が建設会社によって仮差押えを受けていました。
そのような状況の中、「辻見氏」は、自らの窮状を助けてもらう人物「中務稔也」(以下、「中務氏」といいます)を紹介してもらうことになります。
~つづく~
天下茶屋の聖天さんを守る会
