衣替えもそろそろ終わりに近づいてきましたね。
今年からセールを控えさせて頂いてます。
・お客様の大切な衣類を預かる責任
・今まで以上に品質で判断して頂きたい想い
・クリーニングの価値
で、そうさせて頂きました。
例えば、飛行機だとお盆と正月など需要があるシーズンには値上げするのにクリーニングは値下げする。
現場は凄く大変です。
大きなクリーニング工場での勤務経験がありますが、肉体的、精神的にも疲労困憊です。
キレイにする事より捌く事を優先せざる得ません。安くした上に捌くには何かを抜くしかありません。
本題に戻りますが、
「セールしないなら、大切な衣類だけを御宅に。そうじゃないのは近所の安いクリーニング店に出す」
とお客様から言われました。
仕方ないと思いましたが、衣替えだからこそ全て当店にお任せして欲しい。
次着るのは半年後。
半年間クローゼットで放置です。
先日のブログ記事でも書きましたが、不衛生なドライ溶剤で洗われた衣類は、逆汚染といって様々な悪影響を引き起こします。
これから梅雨入りします。
問題になってくるのが「カビ」です。
カビが生える条件は、温度・湿度・汚れ・酸素です。
そのなかでも湿度と汚れに注目します。
「クリーニングしたのにカビが生えた」
カビが生えやすい場所など保管している状況にもよりますが、
不衛生なドライ溶剤で洗った事が原因で、カビが繁殖してしまう事もあります。
ドライ溶剤は繰り返し使用するので、
・溶剤中にカビ菌が蓄積し衣類に付着
・湿気を吸いやすい材料
・汚れの残留
によるものです。
カビが生えた商品の多くは、スーツや礼服などのウール素材で、ドライクリーニングしたものではないでしょうか?
ドライ溶剤の品質は、クリーニング店によって様々ですし、ここまで知ってるクリーニング店は少ないので気付いてない事も大いにあります。
カビは目に見えても菌は見えません。
当店は毎回蒸留(煮沸消毒)するので、カビ菌も死滅し不純物も除去できるのでカビの原因を解決できます。
15回蒸留したら、蒸留釜に溜まった汚れを排出します。
汚いでしょ?
全て衣類から出たものですよ。
それだけキレイになったという事でもあります。
衣類に含まれる湿気も除去するので、サラッと軽くなります!
水洗い出来ない衣類は全てこの機械で洗えるといいのですが、合成皮革やポリウレタン、接着剤、塗料、染色の悪いものは洗えないので、アパレルメーカーの協力がないとクリーニング業界だけでは解決出来ません。
夏の西日が当たる部屋は気温差により結露するのでカビが生える条件になります。
保管場所としては「北東」の部屋がお勧めです。
師匠の話
「外食して安くても不味かったら二度と行かないけど、美味しくて満足したら高くても行く」
「クリーニングに出したから」
「クリーニングはどこも同じ」
食べ物屋さんと一緒でそれぞれ違います。
最近考えてるのは、飲食店のように地域のお勧めクリーニング店ランキング特集があったら、クリーニング業界のレベルも必ず上がるし、消費者も参考になるのではと思っています。