いつも応援有り難うございます。
靴のソムリエ ヤナギハラユミコです。

靴を履いているときに、つい傷つけてしまうつま先。
以前ご紹介したリーガルの傷修理例を見て、修理のお問い合わせをいただくことも多いです。

〈1〉リーガル引っ掻き傷・傷修理

〈2〉手入れの難しさNo1はコードバンかも

〈3〉リーガル つま先の傷の修復

リーガルを始め、この手のガラスと呼ばれる革の場合、傷に強いのがメリットではある反面、傷がついた時にそれを直すのが意外と難しい素材。

修理で一般的なのは、革と同色の塗料を調合して、上からコーティングしてしまうことなのですが、私はあまりその方法が好きではありませんでした。

と言うのは、革本来の持ち味が無くなってしまうことや、以降クリームなどを入れてもエイジングしなくなってしまうからです。

もっと自然に直す方法は無いかと、今現在もベストな手法を模索しているところであり、今後も手法はどんどん変わっていくことになると思います。

私の靴磨きや直しは、直感的・感覚的。
今回ご紹介した〈1〉〈2〉〈3〉もこれからご紹介する〈4〉も全て違う方法で直しています。
毎回革の質感や傷の状態を見ながら、処理を進めて行きます。

革を触っていると、「あ、この方法が有効かも?」とヒントが降ってくるのですが、一件一件傷や革の状態が違うために、体系立ててマニュアルに出来ないあせることが難しさでもあります。

まだまだ進化の途中です。
たかが傷、たかがシミなんですが、ほんとに奥が深いんですよねぇ。



〈4〉今回のご依頼いただいたお悩みはこんなスレ傷でした。
ご依頼主様のご了解をいただきブログで公開させていただいております。

つま先に広い面でスレ傷が広がっています。
$クツゴト・心が豊かになる靴選びの流儀
つま先のアップ
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かかと内側にも無数のスレが目立ちます。
$クツゴト・心が豊かになる靴選びの流儀

拝見したとき、これはキビシい…と思いました。
単純にクリームを入れるだけでは、広い面のスレを改善できないと判断したからです。
そこで革と格闘すること1時間。

修理後はこちら
$クツゴト・心が豊かになる靴選びの流儀
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肉眼で見ると多少の傷跡が見て取れますが、革のためにはこの方法がベストと判断しました。

この方法であれば、今後ご自身がクリームの色などを調整しながら、好みの色にエイジングさせて行くことが出来ます。
$クツゴト・心が豊かになる靴選びの流儀
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今日ご依頼主様のお手元に旅だって行きました。
気に入っていただけたら嬉しく思います。


最後までお読みいただき有難うございましたゆみちゃんへ印鑑