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当ブログでもなんどもご紹介している我が師匠白石念舟先生がお亡くなりになりました。享年73歳。先週土曜日もお会いしたばかりで、体調悪そうではなかったので、本当にびっくりしています。

白石先生は、お茶会の指導、茶道のお道具商として50年活動されてきました。茶道には、日本文化のいろはが全て詰まっていると言われていますが、白石先生は日本文化を知り尽くしたような方でした。

昨日、一昨日のことのように、年号、日付まで明確に幕末史や日本史のことをスラスラ教えてく下さるにも関わらず、奥様との馴れ初めを聞くと、『そんな昔のことは忘れました^ ^』と笑顔で答えられるお茶目な方でもありました。

白石先生の師匠は、国宝鑑査官で禅僧の墨蹟研究の第一人者田山方南先生。田山先生から「一時資料に触れよ」と言う教えを守り、幕末(勤皇)の志士の原書書軸を40年かけて200本程収集されました。50年書軸を見てきたので、ヤフオクに出品されている歴史的書軸も一目で真贋がわかると言います。

お陰様で、幕末の志士の魂込められた書軸を間近で拝見することができました。

また、白石先生と初めてお会いした2年前。自己紹介させて頂いた時、『白川文字学は勉強されていますか?』と聞かれ、本は持っているものの勉強不足だった僕に『書家なら白川文字学を研究しないと!」と諭され、5冊ほど本を借りて、改めて、読むようになりました。最初は難しいと喰わず嫌いしていた白川文字学ですが、複数本を読み、又、長年白川文字学を研究されている白石先生から教わったこともあり、
漢字の世界観、バックボーンを知ることができ、白川文字学の凄さを体感し、それまでとは書に向かう意味、姿勢が変わりました。

白川文字学に対し、諸説言われていますが、文化勲章を受賞されているということで、日本は白川文字学を国を挙げて認めているという事になります。

我が師匠白石先生は、白川静氏にちなんだご自身のコレクションを立命館大学にある白川静研究所に多数寄付されています。白石先生からは、書家である僕が、白川文字学を広める意義は大きいと以前から言って頂いていたので、その遺志を継ぎたいと思います。でも奥深すぎるんだよなー白川文字学(苦笑)
できる事をと思い、先日のローマでもドバイでも、作風紹介時に、白川文字学について触れました。

話を元に戻して、幕末志士書軸コレクションですが、先生は近年ご病気されていた事もあり、自身の鑑賞のためでなく、日本のために書軸を公開してくれる事を条件に、売却を検討し、ソフトバンクの孫正義さんに売却されました。孫さんは白石先生の圧倒的な叡智に感銘を受け、『是非是非ご教授お願いします』と依頼されていたと同席者から聴きました。

びっくりしたのが、売却されたのが3-4月頃。お会いするたびに、『私はそんなに長くない』『人間にはバイオリズムがある。長く生きればいいものではない!死に際が肝心』と言われていましたが、コレクションの売却時期や先生の発言に本当に死期を悟っていたんだなーと感じます。

白石先生からは先日の海外渡航でも大変ご支援頂きました。人生でこれほどまでに我が師匠と思わせていただいた方はいません。2年間という短い期間でしたが、色々勉強させて頂いて大変光栄であり、誇りです。先生との出会いで、僕の作品は深化出来ました。その誇りを胸に、現代のサムライとして、日本文化を世界に発信します!
白石先生お疲れ様でした。
ご冥福をお祈りいたします!

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我が師匠白石念舟先生と坂本龍馬の書と記念撮影