こんにちは、書の佑嘉です!
今回のテーマは「仮名の魅力」です。
小森が思う書の魅力を用語解説と一緒にお届けします。
まずは基本情報です
↓
【仮名とは】
一般的には漢字を基にして日本で作られた文字のことを指しますが
書で言う仮名とは、「変体仮名と呼ばれる文字と平仮名が混ざっている日本語を題材にした作品」を指します。
【変体仮名について】
仮名作品が読めない主な原因である「変体仮名」を一言で言い表すならば
「学校で習わない仮名」といったところでしょうか。
そもそも、明治初期までは「仮名」は一音一字ではありませんでした。
つまり、「あ」と読む仮名が何種類もあったのです。勿論他の仮名も同様です。
ですが、明治33年に当時の政府が「学校で教える仮名は一音一字にする」と決めて、
学校で習うことが決まった仮名を「平仮名」、学校では教えないことになった仮名を「変体仮名」と区別するようになりました。
学校で習わないことは、自主的に学ぼうとしない限り勉強する機会はなかなかありませんよね。
なので、現代では仮名を嗜む人以外の方には読める方が少ないのです。
では、ここから本題に入ろうと思います。
小森が思う仮名の魅力①
自由度が高い
【文字変換が自由】
例えば、百人一首の歌を例にあげますね。
奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の
声きく時ぞ秋は悲しき (猿丸太夫)
この歌を
おくやまに紅葉ふみわけなくしかの
声きくときそ秋はかなしき
という風に「漢字」と「ひらがな」で文字変換してもいいですし、
お ち み な
(於)く山にもみ(遅)ふ(三)わけ(那)くしかの
あ き
声きく時そ(阿)(支)はかなしき
という風に「変体仮名」と「ひらがな」と「漢字」で文字変換してもOKなんです。
※()内は変体仮名です。
【構成が自由】
更に、出品規定等の特別なルールがない限り
↑このように天地を揃えた「行書き」にしたり
↑このように天地や行間を揃えない「散らし書き」にしてもOKなんです。
※両方とも「奥山に〜」の歌を書いています。
同じ歌なのに、使う文字と構成を変えると全く別の作品になります。
「読める」ことと「美しくある」ことさえ守れば割とフリーなジャンルなんです。
自由度が高い分、書き手の技量と感性がモロに出ます。
創意工夫するのがお好きな方、
研究するのがお好きな方はハマると思いますよ!
小森が思う仮名の魅力②
・華やか!
前の記事でも軽く触れましたが
どのジャンルよりも紙が華やかです。
お金に糸目をつけなければ金銀砂子でキラッキラな紙にも書けます(笑)
表装する時のデザインやマットと紙の色合わせ、作品構成も全部あわせて考えるのも醍醐味です。
他のジャンルも華やかにしようと思えば出来ますが、
作品本体と華やかな紙、雅な表装がケンカしないのは仮名ならでは、です!
とっても優雅で心豊かな時間を過ごせますよ
小森が思う仮名の魅力③
・実は覚えるべき文字が限られている
仮名は入門が一番難しいですし、
一番つまずきやすいのが「変体仮名」なのかな、と思うのですが…
この厄介な変体仮名、無限にあるわけではありません。
例えば、「あ」と読む変体仮名は
「安、阿、愛、悪、亜」の5種類です。
※他の音はこれより多かったり、少なかったりと文字によって様々です。
これを多いと取るか少ないと取るかはその方次第ですが、
漢字やだと無数に覚える字はあるし、書体は大きくわけても5種類あるのでもっと大変です💦
篆刻も「篆書」だけで細かい分類の書体があるので…以下略。
仮名なら数が限られている変体仮名を覚えてしまえば
おおよそ読めるようになります。
多くの方が「自分でも覚えられるかな?」と仰いますが、書いていれば覚えます。
大変な入門の時期をクリアすれば続けやすいのではないかな、と思いますよ。
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