10円玉の価値 | もしもショッカーが販売促進に目覚めたら…

もしもショッカーが販売促進に目覚めたら…

「おのれライダーめ!」といつも失敗ばかり
アイデアも行動力もあるのに、何かが足りない…。
ある人に「マーケティングを学べば世界征服できるかも?」と言われ、
販売促進勉強中の戦闘員の日々です。

イーッ!
ショッカー販促部係長ゴロウです。

アジトの近くにある美容室には
素敵なサービスがありました。

「これ…ご予約いただいたお電話代です。」

帰り間際の受付で
カット代のおつりと合わせて差し出す10円玉。

ゴロウは、
そんな細かいところに気配りができる美容室が好きだった。

その美容室は、やがて賑わい始め手狭になったのか
駅前の大きな店に移転したのである。


変わったのは、
お店の広さ、雰囲気、スタッフだけでなく…あの10円玉までも。

いつの間にか廃止されていたのである。

オーナーに聞くと

「10円玉?あぁ…アレ辞めました。
 前に勤めてた女の子のアイデアでやり始めたんですけど、
 ボクは個人的に嫌いなんですよね…
 わざとらしいというか、なんていうか、
 うれしいですか?10円なんてもらって。」

…わざとらしい?
…10円なんて?

耳を疑ったが、
以前いた女の子が始めたと聞いて納得。

その子が辞めるまでは
毎月のように手書きのハガキが届けられていたのだが、
移転してからサッパリと届かなくなっていたのだ。

恐らくこれが、
10円玉のサービスを心配りで始めた女の子と
施策と捉えていたオーナーとの違いだろう。

それからというもの、もう何年も
その店に足を運んでない。

その後…

その店は、あいも変わらず営業を続けているが、

そんな店の行方より
働いていた女の子の行方が気になるのは
スケベ心からではないことだけ、付け加えておこう。

イーッ!