さて、今度は「L」を題材としたエッセイを書かねばならない。
このことが決まってから、すでに3週間が過ぎた。
前回のキリリクエッセイ「G」のように、Gを頭文字とした単語を並べて書くのは簡単である。
しかし、3か月に一度ほどしか出ない貴重なキリリクに対してそれをするのは礼儀を欠いたことのように思える。
そうしてグダグダしながら時間だけが過ぎていったのであった。
「そろそろUPしないと悪いな~」
使命感を急に感じた私は、シルバーウィーク初日の朝、この日のうちにエッセイ「L」を仕上げてしまおうと机に向かった。
L、L、L、L・・・。
思い浮かぶのはL字型の応接セットやL型定規など、夢を感じられないものばかり。
「りりむしってL型定規みたいにきちっとした人だね」
などと、思いもしないことをテーマにしてもしょうがないし、どうしたものだろう。
文章に詰まった私は、机に置いてあるPCでとうとう遊び始めた。
そして昼になった。
お腹がすいてきた。
人間の3大欲は、食欲・性欲・睡眠欲。
胃に物を入れると頭が働かなくなることがわかっているのに、生き物の性なのか、ランチの欲求にあっさりと負けてしまい、とりあえずリビングに移動した。
一度、決めた目標から脱線するととことん堕落する私。
「もういいや。ここにあるLがつく単語を使って適当に書こう」
と、礼儀はどこへ行ったのか、そこにある新聞のテレビ欄を開いた。
ランチの前に、エッセイ内容の目星だけはつけておきたかったのだ。
ところが、じっくりとテレビ欄をたどっていってもLの文字がひとつもないではないか。
Lの役立たず~!
呆れて新聞を畳みかけたが、せっかく思いついた作戦なのでもう一度見てみることにした。
けれども、やはりLはいない。
代わりにRの文字が目に付いた。
ZEROやDRESSはあるのだ。
日本語で発音すると、ゼロにドレス。
LもRも同じラ行である。
違いのないふたつなのに、テレビ欄にいるのはRばかり。
Lが不憫になってきた。
けれど、どうして英語ではZELOやDLESSと表記しないのだろう?
疑問に感じた私は、早速辞書を出して調べはじめた。
答えは簡単だった。
それは発音の差である。
英語と日本語の発音は違うのだから、よくよく考えてみれば当たり前のこと。
ハリウッド版忠犬ハチ公の宣伝で、リチャードギアがハチのことを「ハァチィ」と呼ぶのに似て、英語でRを発音するときは、すぐ前に小さな「ゥ」がつくのだ。
つまり、RARIRUREROはラリルレロではなく、ゥラゥリゥルゥレゥロが正しい発音なのである。
ゼゥロ、ドゥレスなのでZEROにDRESSと書くのであった。
あれ?
ということは、HIKARUも正しくはヒカゥルなのか・・・。
復帰を望み、「ヒカル、ヒカル」と叫び続けてきたヒカルファン。
HIKARUの真実がヒカゥルだったなんて、ヒカルファンは死んでも浮かばれない。
COATはヒカルファンの魂を救済するため、日本語の発音に則した「HIKALU」に改めるべきなのである。
譲れない、ヒカルの話題を持ち出して、LがRに取って代わった。
L、強し!
サヨナラ逆転満塁ホームラン。
「HIKARUはヒカゥルやない。ヒカルなんやからHIKALUが正しいんやっ!」
L、論破完了。
さすが・・・。
私はもう決してLに逆らうまい。
(完)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8月30日にお茶会チャットで出たキリ番リクエストのエッセイ「L」です。
考えてみると、これ、本人ではなく周りにリクエストされたような気もします。
ご本人の了承得ましたので公開いたします。
どうかな~?
私は好きなんだけど・・。