「NPO法人かごしま焼酎マイスターズクラブ」ブログ

「NPO法人かごしま焼酎マイスターズクラブ」ブログ

鹿児島大学 焼酎マイスター養成コースの修了生で「かごしま焼酎マイスターズクラブ」を結成しました。焼酎文化の継承と発展を目指して地域貢献するために、2019年にNPO法人化しました。

日々の活動を、かごしま焼酎マイスターズクラブ事務局から発信いたします!

かごしま焼酎マイスターズクラブ「第9回セミナー」を2022年9月17日(土)鹿児島大学で開催しました。台風14号が接近する中当日キャンセル方も数名いらっしゃいましたが、36名が参加されました。また報道各社にも取材頂きました。MBC、KTS、KKB、南日本新聞、醸界タイムス。

 

今回も3コマ行われました。

=============================

①  「木樽蒸留器職人(たんこどん)の仕事」

  職人津留安郎氏と

  若潮酒造(株)研究室兼経営戦略室長 上村  曜介氏

 

②  「焼酎を美味しく飲むための腸活活用法」

  Armeria-鹿児島美腸&深化リメディアルサロン代表 

  焼酎マイスター8期生  宮原 梢恵氏

 

③  「ソムリエ脳から考察する、ワインと焼酎の勧め方」

  (株)オーリック営業企画課 課長

  焼酎マイスター8期生 橋元 健太郎氏

=============================

 

①セミナーは3部構成で行われ1限目に「木樽蒸留器職人(たんこどんの仕事)」を公演テーマとして、日本で唯一の木樽蒸留職人(たんこどん)である津留安郎氏を話し手としてお迎えし、若潮酒造株式会社研究室兼経営戦略室長の上村曜介氏との対談形式で行われました。

1.木樽職人たんこどんの仕事(津留安郎氏について)

木樽蒸留器は、津留氏のお祖父様の時代から作り始められその時代は、お風呂桶や漬物樽等、どの家でも桶が使われていたため、桶屋と並行して焼酎用の木樽蒸留器を作られていたそうです。

そして、二代目として、津留氏のお父様であられる辰矢氏が引き継がれるも時代とともにプラスチック製品が流行りだし、木樽の需要が無くなってきたため木桶を作ったり焼酎造りの手伝いを行っていたそうです。

しかし、昭和63年に山元酒造様から木樽の蒸留器を依頼されたそうですが、その当時二代目はもう約30年程作っていなったことや設計図もなく不安がありながらも作り始め、やってみると体が覚えていて作ることが出来たそうです。
そんな転機も影響したのか、複数の蔵から「木樽蒸留器」の依頼が届くようになり、また本格的に作り始めることになったと共に後に辰矢氏は、「現代の名工」および「黄綬褒章」も受賞されました。

津留氏は、そんな辰矢氏を見て家業継ぐため会社を辞めて三代目になられましたが、当時は辰矢氏が病気を患われていたこともあり、「この仕事は俺の代(辰矢氏の)で終わり、社会人を続けるべき」「この道で一人前になるまでには最低でも10年はかかる。それまでには、最低10年はかかる。それまでに俺が元気で居られて、お前を一人前にする自信はない」と反対されたそうですが、会社を辞めて教えてもらうことを決意されました。

約4年間の短い期間で辰矢氏から職人の技を習得されたそうですが、その秘訣は指導方法だと語られ「とにかく褒めて教えられた。させられるのではなく、褒めてやらせるという指導方法のおかげで出来るようになった。」そうです。

しかし、今の仕事が完璧だとは思っていない。二代目が生きていたら何か言われるかもしれないと苦笑されてました。その所以としては、依頼を受ける内容に寄っては、津留氏がやったこともない内容(辰矢氏との仕事時は、役割分担していたところもあり、作業すら見たことがない)だったことも含まれているからだそうです。

 

2.木樽蒸留器について

続いて対談形式のやり取りが続き以下の木樽蒸留器に関するお話が行われていきました。

<桶と蒸留器の違い>

・普通の桶は蓋(鏡割り)が無いが木樽蒸留はあるとのこと。また、もろ味を熱して、密閉性が高くないといけないがそれを木で行っていることが凄い点である。

<蔵によってサイズが違う>

・三種類ぐらい(12蔵が使用)あり、二代目が提供したものを使っているところもまだあるそうですが、三代目が作ったのは12蔵で大隅半島では2蔵だそうです。

<味わいについて>
・味わいは濃ゆうなる。木だと金属よりも保温性が高いことや、純粋なアルコール成分以外も含まれることから甘味やうまみにもつながっているのではないか。

<木樽の保管等について>
・木樽は満杯に入れると爆発してしまう。もろみが6~7割で3割を空洞にしないといけない(鍋と同じ原理)

・どのくらい木樽はもつのかという点について、各蔵で仕込み日数が違うため蔵で異なる。なお、木の香りが強いところと香りが落ち着いた方が良いところは使用が長く、西酒造さんでは10年ぐらい使用していたが早いところは4年程度しか使えない。

<木樽の作成について>

・木の入手は、津留氏の地元である鹿児島県曽於の森林組合等や都城で入手しており、めあさ(木の種類)樹齢80年 (成長が遅い分年輪が詰まっている)を選んでいる。

・一つ作るのに約2か月半かかるため、1年間で多くて4個までしか作れない。しかし、年によって依頼件数が異なるため、全く無い年もあれば依頼が重なる年もある。

・作成の依頼は、酒蔵以外からもあり、米のこし器や指宿の家族温泉「野の香」さんや郡山町の「ゆるりの湯」に桶を提供したこともある。

・洋樽では隙間にガマの葉(パッキンのうように)を使用しているが木樽は竹串で仮止めしているだけ。ちなみにビフォーアフターという番組で白金酒造の樽をあげた。縦割りをしたらどうなるか聞かれたが当然壊れるという話になったそうです。

<たんこどんの意味>

・木樽蒸留器に限らず樽・桶を作るかた全般を指す呼び方であり、若潮酒造さんが「たんこどん」という名の焼酎を出す際には、使用の許可をもらわれに来た。

 

<木樽蒸留職人としての、一番のやりがい>

・同じことをずっと繰り返しているため、飽きてくるが竹串を通して形が見えてきた(目標が見えてきた)ときに感じる。しかし、実は黙々と作業をやることは好きではないそうです。

 

<後継者について>

・最近、いろんな蔵で後継者のことを聞かれるそうで、若潮酒造さんからも弟子希望の打診を受けているが、木樽を作る際に若潮酒造を通さないといけなくなってしまているため断っているそうです。なお、小豆島では、ヤマロク醤油さんの山本康夫氏の呼びかけから「木樽職人復活プロジェクト」というものが行われており、日本各地え木桶の需要を増やし、桶職人が増えていく循環作りを目指すプロジェクトも行われているそうです。

 

対談形式ということもあり、普段聞くことがなかなか出来ない木樽職人(たんこどん)について、隅から隅までお話を聞くことができ私自身もとても貴重な時間になりました。最後に上村氏から津軽氏の工房行くと面白いお話しが聞けるので是非行ってみてくださいとのご紹介がありました。(今年はお忙しいそうなので、来年以降が良いそうです)本内容でご興味を持たれた方は是非行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

(文責:広報部 川内 祥平)

 

②今回の講師は、コロナが猛威を振るう前、まだ焼酎のイベントが普通に実施出来ていた頃、鹿児島県酒造組合所属のミス薩摩焼酎としてたくさん焼酎イベントに参加されていた宮原さんが専門分野である腸について、講演されました。

 

最初に、日本人にとって最も脅威となるがんの1つとしては、日本人の約2人に1人が発症しており、また約3人に1人は死亡しているというのが、大腸がん。その原因は、お腹の悩みと心の悩みの場合があるらしいです。

消化管について。口から肛門まで1本の管となっている。小腸は手のひら1個分の大きさで内臓が浮いていますが、広げた表面積はなんとテニスコート1面分にもなるそうです。

食べ物の消化吸収機能がありますが、突起物の尖端が汚れたら養分や幸せホルモンを吸収できなくなるので注意が必要。そうならないためいは、食品添加物が多く含まれる食べ物を避けることや食物繊維をたくさん含む食材を使った料理などを食べることがよいらしいです。

大腸は、2か所で筋肉により固定されている内臓です。長さ1.5m・表面積はテニスコート半面分。主に水分の吸収を行い、便を形成してくれます。便は、水分80%固形物20%で形成されております。食べてから約24~48時間で排出されます。ちなみに、『大便』とは『大きな便り』という事で、お腹や心のコンディションを現しているということです。

理想のうんちは、黄色から黄褐色。バナナの太さ。残便感なくスッキリ。

お酒は、美味しくて楽しいけど、刺激物となり、腸内細胞が少なりますので、お供に食物繊維を摂ることをオススメします。例えば、焼き鳥とビールの前に枝豆を食べることやお刺身のつま(大根)は消化を助けてくれます。また、お酒と同量の水を飲むとよいらしいです。アルコールは、糖と水分に分解されますので、次の日の体調がよくなります。

最も大事なことは、普段の生活習慣です。

①    朝起きてうがいをしてから、コップ1杯の水

②    朝食を摂る(ビタミン・ミネラル・生の酵素)

③    朝、太陽の光を浴びる

④    朝、トイレに座る習慣

⑤    食事の時間を決める

⑥    リラックスの時間を決める

⑦    腸のゴールデンタイム24時には寝る

 

①について。これは胃に重みがかかり、腸が動くという仕組みです。⑧について。副交感神経が高まる時間。寝る前のスマホは交感神経を刺激するので禁物。

 

 

腸のタイプを各自チェックしました。

最後に・・・。腸内環境を整えて、毎日心地よく。

情報過多な現代、自分にあった食生活、過ごし方を選択することで、お酒もより楽しめます!

 

(文責:広報部 森 昭二)

 

③まずは「ソムリエ」というお仕事の内容について。

ソムリエの方は料理に合ったワインを選んでくださり、サービスしてくださるワインのプロ、というイメージでしたが、実は「酒類、飲料、食全般の専門知識を持ち、それを踏まえて仕入れ、保存、在庫のストック、品質の管理を行い、お客様に提供する。またお客様に適切なアドバイスを行う。またワインや商品を通して経営の安定化も考える。食の安全性、快適性。そして食文化の維持、向上も考えていく。」という大変奥深いお仕事であることがわかり、驚きました。

橋元さんは「ソムリエは、夢のある素晴らしい仕事です」とおっしゃいます。

 

次にワインの歴史からお話して頂きました。

古代エジプトの絵画にもワインを造る過程が描かれています。ワインは単発酵で紀元前から造られる最古のお酒のひとつで、ジョージア(グルジア)で最初に造られたのでは、と言われています。

17~18世紀にブドウ栽培やワインは発展して世界に広まったと言われていて、日本には明治時代の初めに広まったそうです。

ブドウの品種は5,000種類あると言われていて、ワインに使われる品種は1,000種類あるそうなのですが、実際にワインを造られているのは200~250種類で今は復活させた品種を含めると約300種類だそうです。

ワインの特徴としましては、焼酎がほぼ透明なのと違って、色の濃淡で「味わい」の想像がある程度できます。お茶やチョコレート、コーヒーも同じです。色で見えるというのは非常に便利な点でもあります。

現在のトレンドのご紹介もして頂きました。

ワインの生産地は、北緯30~50度、南緯20~40度という「ワインベルト」と呼ばれる地域で生産されてきました。これが通説だったのですが、現在はスウェーデン、ノルウェーなどの北欧まで造られるようになってきました。地球温暖化など様々な要因があって最北が北欧まで広がっています。イギリスやインドなどでもワインが造られていて、評価を上げています。

 

日本ワインについては、以前は「国産ワイン」というのは海外原料を輸入して国内で瓶詰をすると「国産ワイン」と名乗れていました。2018年から法律で「日本ワイン」「国内製造ワイン」の明確な基準が設けられ、「日本ワイン」は国産のブドウのみを原料とし、国内で製造されたものだけとなりました。

最近の日本のトレンドとしては、都市型ワイナリーと呼ばれる東京深川や伊丹空港など、驚くところでワインが造られていて人気とのこと。

 

「ワインの不思議」というお話では、芋焼酎や清酒だと原料の芋や米の香りや味わいの表現をしても、ワインは原料のブドウの香りや味わいの表現はないそうです。

それはアロマパレットというワインの香りの表現のパレットがあり、フルーツやお花、ベジタブル、スパイス、ケミカルなものまであり、そのパレットがワインの表現の強みになるそうです。

 

まとめのお話で、「ソムリエ脳から考察する、ワインと焼酎の勧め方」では、ソムリエの方は購入する場合、ワインの個性を知り、価格、熟成期間、保存期間といったことを確認し、ワインの魅力を言葉で伝え、ワインの魅力を活かす料理、サービスを推察しています。ワインのテイスティングするときはこういった事を踏まえ、お客様はどんなお料理を食べるのかを考えます。

ワインと料理のマリアージュは、ワインと料理の色が似ているもの、重さのバランスを合わせる、ワインと料理の産地を合わせる、と言われています。

 

軽い料理には軽いワイン、重い料理には重いワイン、シンプルな料理にはシンプルなワイン、複雑な料理には複雑なワイン、地方料理にはその地方のワイン、格の高い料理には格の高いワイン、デザートなどの甘いものには甘いワイン、といったセオリーもご紹介頂きました。

このセオリーを「焼酎」に置き換えられるのでは、というご提案をされています。

 

また、ワインはそれぞれ美味しい温度があります。スパークリングワインや辛口白ワインは低い温度で、こくのある赤ワインなどは低くない温度が美味しい温度です。

ソムリエは提供する温度をすごく考えられるそうです。

そして、この温度は焼酎にも当てはまります。

こう考えていくと、焼酎が苦手な方には温度を下げる方向性でおススメして頂くのが良いのでは、というご提案を頂きました。

 

そして、これからの焼酎の可能性としては、「グラス」です。

焼酎もワインのように「グラス」の違いで香り、味わいが変わります。

態度とグラスの大きさは比例する、という面白い例もご紹介して頂きました。

ワインと焼酎の共通点は多いですし、勧め方も工夫ひとつで豊かになるとのことでした。

 

ソムリエの方は、常に知識をアップグレードし、売り上げ経営のことも考えていますが、それを超えて「お客様にどれだけ楽しんで頂けるか」ということを常に考えているそうです。

「ソムリエ脳」という言葉にはそうした思いを込められたそうです。

 

最後に「せっかく鹿児島で従事しているソムリエなので、もっと焼酎をワインと同様に楽しんで頂けるような環境を作らなくては、と思いますし、それをサポートして頂けるような皆さまのような集まりがあるので、鹿児島の未来も明るいです」と言って頂けました。

ワインと焼酎の共通点や、ソムリエの方から見た焼酎の提供法など初めて気付くことが多く、本当に勉強になるお話を頂きました。

(文責:研修部 吉満 香)