「NPO法人かごしま焼酎マイスターズクラブ」ブログ

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鹿児島大学 焼酎マイスター養成コースの修了生で「かごしま焼酎マイスターズクラブ」を結成しました。焼酎文化の継承と発展を目指して地域貢献するために、2019年にNPO法人化しました。

日々の活動を、かごしま焼酎マイスターズクラブ事務局から発信いたします!


かごしま焼酎マイスターズクラブ 「第25回焼酎勉強会」を 2021年6月26日(土) 鹿児島大学で開催致しました。42名の参加でした。
今回も 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入室時の体温チェック・消毒、ソーシャルディスタンスを考慮した席配置と換気を実施いたしました。


鹿児島県薩摩郡さつま町の紫尾山の裾野にある豊かな自然に囲まれた軸屋酒造。
漫画「美味しんぼ」にも紹介されています。

今回は、創業111年目 軸屋酒造4代目である軸屋麻衣子さんに講演して頂きました。
軸屋麻衣子さんは、東京農業大学で野生酵母の研究をされ、卒業後はニューヨークで商社や金融関係のお仕事を約7年間されていた、と華麗な経歴をお持ちです。


2004年に帰国され軸屋酒造に入社されました。ちょうど第3次焼酎ブームの頃だそうです。
そして、お父様である3代目軸屋新太郎さんが、初代の名を取った甕仕込みの蔵「権之助蔵」を完成された年でした。
4代目の麻衣子さんが女性であるので、女性でも造りができやすいように「落とし方式」で下に落としながら製造できるように設計された蔵だそうです。
お父様の愛情を感じるお話でした。

軸屋酒造の様々な製品もご紹介して頂きました。
ひとつひとつの製品にエピソードがあり、日ごろ飲んでいる焼酎がどのように造られたのか知ることができて、とても興味深かったです。

軸屋酒造のメインの焼酎は「白麹」で造られています。
レギュラー商品は「紫尾の露」や 名前の印象とは異なるライトな味わいの「ぼっけもん」、アートなラベルの「祁答院」などです。
「ちくりん」はさつま町の名産である竹を使った賞味期限のある焼酎。お正月用には飾りを付けて販売されていて、毎年購入される方も多いそうです。

黒麹を初めて使った甕仕込み焼酎は「麗しBlack」で、黒麹で鼻も口も黒くなりながら造りの苦労をされましたが、華やかな香りが特徴の焼酎です。
「Rin precious」は、女性に向けて発信された紅はるかを使った焼酎で、美しい香水のようなボトルです。女性向けなのに30度と度数を上げたのは、焼酎の美味しさ、良さを知ってほしいからだそうです。

パンダのラベルが可愛い「権助 Gonsuke」は、白麹焼酎と黒麹焼酎のブレンドです。白と黒でパンダです。


「紫尾の露 颯」は夏生まれの息子さん 颯士郎さんの名前が付けられた夏焼酎です。親が子を想う気持ちが受け継がれていますね。売り上げの一部を児童福祉に寄付されているそうです。
「紫尾の露 紫月」は、新酒です。新酒を出すのは蔵としてチャレンジだったそうです。

相良酒造11代目の相良由美子さんと女性蔵元同士でコラボして造った「エキゾチック鹿児島」は茶師十段である池田製茶 池田健太さんが選定された鹿児島県産の紅茶を使った焼酎です。今年もまたコラボして造られるそうですので、楽しみですね。

「Ready to Fly~名もなき空へ~」はオーク樽のかがみに桜を使った樽仕込みの焼酎です。


「葡萄のお酒 Filerフィレール」は、青森のスチューベンという品種のぶどうジュースと紫尾の露原酒を使ったリキュールです。所ジョージさんのTV番組のロケに偶然取り上げて頂いて、翌日から電話注文が殺到して、1年かけて売る予定が1週間で完売したそうです。やはりTVのチカラはすごいですね。

鹿児島県の本格焼酎の状況についてもお話頂きました。
コロナ禍で、県外ではアルコールが良くないもののように扱われているところもあり、出荷も減っています。
鹿児島も時短がようやく明けて、少しずつ戻ってくれると期待しているところです。

ブームも終息したこともあり、焼酎の需要は右肩下がりが続いていますが、焼酎の知名度は全国で上がっているので、蔵元全体、鹿児島県全体で一緒になって開発や販売について考えていくべき、とおっしゃっていました。

今後は、以前お仕事をされていた地であるニューヨークへ輸出も始められるそうです。
アメリカでは、日本食に日本酒というのが浸透しており、焼酎はまだ浸透していない現状です。
また、レストランではウェイトレス、ウェイターの方にお酒を割ってもらうことになり、自分の好みで割るのが難しく、しかも他の蒸留酒よりも度数が低いので、なじむまで時間がかかるのでは、と感じてらっしゃいます。
コロナが落ち着いたら、他の鹿児島の蔵さんとも一緒にニューヨークに売り込みに行かれる予定だそうですので、鹿児島の焼酎がニューヨークのレストランやバーに並ぶ日がやって来そうですね。

女性ならではの発信やSDGsの取り組み、蔵としてもこれからも様々なチャレンジをされていくそうです。
パワフルで美しい軸屋麻衣子さんのお話は、焼酎に明るい未来が見えるようでした。

毎秋開催されていた新酒祭りには多くの方が参加され、新酒を堪能できる楽しいイベントです。
コロナが落ち着いて、また新酒祭りや焼酎電車や焼酎パーティーで乾杯できる日が来るのを楽しみにしています。

(研修担当 吉満)