「平ちゃんさあ、謝るのって癖?」
サヲリがうんざりしたように顔をしかめた。
「そうするのが楽なのかもしんないけど、あんまり良くないよ。謝っても解決しないこと世の中にはたくさんあるし、あまったれんな。だいたい、周りの人間を暗くする、そういうの」
ごめんね、という言葉がでかかった。唐突に、すべてを打ち明けてしまいたい、という思いがこみ上げてくる。あわてて言葉を飲み込んだ。
ここで謝ることがどれだけ身勝手なことなのかーー
今になって理解できた。告白する場所を失った私の、今日まで自分一人の胸に沈めていた事情を今ここで口にしたいのは、自分が楽になりたいだけだと気づいていしまう。
もし、死者は死者のまま、魂なんかないんだとしたら、そうか、もうすっかり成仏してあの世で安らかにしてるんだとしてもさ。それを会いたいって願うのは、生きてる側のエゴじゃないか。
死者は生者のためにあっていいのか?
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