The Monthly Medical Rehabilitation 2024年3月号

特集 精神疾患とリハビリテーション

 

リハビリテーション医学では精神医学の疾患による障害をほとんど扱ってこなかった。戦争後の傷痍軍人、民間人の身体障害、整形外科に関する回復、小児時のけが麻痺の回復、神経疾患による身体の障害に対応してきた経緯がある。身体の回復や社会的回復に伴う心理的な問題は付随する要因として語られる。精神疾患を回復予後の不良と関係づけて述べておしまいという教科書もあった。40年くらい前の話である。

 

精神疾患からの回復問題は心理的リハビリテーションとは別に扱われる。精神障害者リハビリテーションに関する学会は別に存在する。精神医学と精神保健の問題は医療制度上医療全般とは別に法律上も区別されている。日本では治安と関係づけて扱われてきたが、近年医療観察法とその対象者の処遇で区別がなされたところである。福祉法と福祉制度も身体障害と知的障害と並べて扱うようになってきた。

 

特集では うつ病より後に統合失調症に関する掲載がある。大矢先生という人が統合失調症の患者の身体疾患罹患について述べている。社会的偏見の是正にも触れていた。医療者のほうが教育上偏見が強く働くのかもしれないことを思った。