有川浩 2006 メディアワークス

 

図書の検閲を排除し図書館の自由を守る世界の話

 

入試の面接でお勧めの本ありますかと聞くと、これを挙げる生徒さんがいて気になっていた。「戦争」の付く題が惨劇かマニア向けの描写が多い気がして手に取る気がなかった。町の図書館で発見する。修繕に修繕が重ねられているような体裁であるので慎重にページをめくった。シリーズ化したタイトルや文庫もある。よく読まれる本なのだろう。作者が女性であることも初めて知る。

 

よくもまあ荒唐無稽な着想で虚構の世界と人情を生き生きと描けるなあと感心した。

 

自由をどのような手段で守るか、図書館はさておき、人情と組織、その目的の行使の葛藤と人の会話と動きが面白い。