集英社 2013
小説家 加賀乙彦氏の生涯を増子信一氏がインタビュー構成をしている。小説家の本名小木貞孝氏で精神科医でキリスト教徒でもあるらしい。
フランス留学してドイツではなくフランスの精神医学を学ぶエピソードがある。
精神医学の歴史として数ページと短いが、ライル、ピネルの業績やラカンについて書かれている。
フランス人の訴えは「自分がなくなってしまう」というのに対して日本人の訴えは「自分が人並ではなくなっていく」という違いがあるということをラジオ深夜便のインタビューで聞いたような気がした。両方とも自我境界があいまいになり他者に飲み込まれる不安だと思うが、表現の違いがある。
そして志向するのが自分自身か他者か、内向き外向きの違いもある。そんなことが気になっていたが、ようやく、なんとなく、この人の本を読んでみようかという気になる。
フランス哲学や精神医学の理解への道は私にはまだ険しい。
一つの道しるべを見つけたような気もする。